テレビ番組を見ている人の視聴時間をグラフ化してみる(最新)

2021/06/13 04:19

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2021-0602先行記事【テレビの視聴時間は平日3時間強・休日3時間半、お年寄りほど長い傾向(最新)】において、NHK放送文化研究所が2021年5月21日に発表した2020年国民生活時間調査の報告書を基に、テレビ視聴時間の動向を確認した。しかしそこで算出した各視聴時間は「テレビを見ている人」「テレビを見ていない人」を合わせた各属性における平均値であり、個々の属性のテレビ視聴に係わる状況を推し量ることはできるものの、「テレビを見ている人における視聴状況」までは確認ができない。そこで今回は「テレビを見ている人の視聴時間」の実情を見ていくことにする(【発表リリース:「2020年 国民生活時間調査」結果概要】)。

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テレビ視聴者の視聴時間は平日は4時間近く、日曜は4時間半強


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを見る人、しかし高齢者は相変わらずほとんどの人が見ている(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。

冒頭の通り、先行記事で算出した「テレビ平均視聴時間」は、各属性全体の平均値。テレビを見ていない人は「視聴時間ゼロ」で平均値の計算の際に勘案している。つまりテレビを見ていない人が多い、言い換えればテレビ視聴の行為者率が低い場合、必然的に平均視聴時間も低くなる。「テレビ平均視聴時間」は視聴者の視聴時間と視聴行為者率双方の要素が加わるため指標的役割を果たすことから、テレビの利用性向を推し量る上では有益なのだが、単純に「テレビを見ている人に限った時間の長さを知りたい」場合には不便ではある。

そこでテレビ視聴行為者に限定した平均視聴時間を算出したのが次のグラフ。

↑ テレビの行為者平均視聴時間(時間:分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(時間:分)(2020年)

テレビ視聴者に限定した平日のテレビ平均視聴時間は3時間50分。土曜になるとこれが4時間36分、日曜はさらに増えて4時間38分となる。年金生活者や専業主婦、自営業者などは自宅にいる機会が多く、テレビの接触時間も長くなるため、平日ですら4時間近い長さとなっても不思議ではない。

これを男女に区分した上で年齢階層別に見たのが次のグラフ。

↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、時間:分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、時間:分)(2020年)

↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、時間:分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、時間:分)(2020年)

行為者率は若年層から中年層で低く、高齢層で高い値を示していたことから、全体的な平均視聴時間と比べると、年齢階層間の差がある程度縮まっている。しかしそれでもなお、おおよそは若年層ほど短く、高齢層ほど長い値を示しており、「テレビを見る人における視聴時間は、高齢層ほど長い」実態がうかがえる。特に男性では曜日を問わずに60代以降、女性は平日土日で60代以上・日曜は50代以上で高い値を示しており、この年齢階層におけるテレビへの愛着ぶりがうかがえる。

また、若年層は単にテレビそのものを見ない人が多いだけでなく、見ている人の視聴時間が短いことも把握できる。平日は仕事や学業で機会を得られず仕方がない面もあるが、土曜や日曜でもその傾向にあまり変化はない。男女別・曜日で短時間層の年齢階層の区分は異なるが、テレビ視聴者においても、一種の年齢階層間における壁ができているようでもある。

25年前との比較


「2020年国民生活時間調査」では1995年以降5年おきの今調査項目に関する値が公開されている。そこで一番古い値となる1995年に関して、同様にテレビ視聴者における平均視聴時間を確認したのが次のグラフ。

↑ テレビの行為者平均視聴時間(時間:分)(1995年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(時間:分)(1995年)

↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、時間:分)(1995年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、時間:分)(1995年)

↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、時間:分)(1995年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、時間:分)(1995年)

全体的な平均時間や、年齢階層別で視聴時間に違いが生じていることは、25年前でもさほど変わりはない(縦軸の区分は2020年のグラフと同じにしてある)。一方で若年層から中年層と、高齢層との間の差は1995年の方がゆるやかに見える。70歳以上の時間がいくぶん短めに見えることから、「テレビ視聴をする高齢層のテレビへの傾注度」がこの25年間で進んだようだ。

この動きを確認するため、1995年から2020年に至る各属性の視聴時間の変化を分単位で算出したのが次のグラフ。マイナス値の場合、25年でテレビ視聴者におけるテレビの視聴時間が短くなったことを意味する。

↑ テレビの行為者平均視聴時間(1995年との差、分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(1995年との差、分)(2020年)

↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、1995年との差、分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、1995年との差、分)(2020年)

↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、1995年との差、分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、1995年との差、分)(2020年)

男女に分けた上で年齢階層別の値を確認するとほとんどの属性でマイナスが出ているにもかかわらず、全体ではすべての曜日でプラスとなることに不思議さを覚えるかもしれない。これは詳細区分の上でプラスを示している高齢層のテレビ視聴行為者率が高い、つまりテレビを見ている人の割合が多いため、全体としての平均値を算出する際に大きなウェイトがかかるからに他ならない。

男性は平日では70歳以上のぞいてすべてが減少。土曜日は中年層までがマイナスで50代以上がプラス。日曜は若年層のマイナス幅が大きい一方で、高齢層のみが増加。女性は男性と比べて振れ幅こそ小さい、一部イレギュラーもあるがおおよそ男性と似た動きを示している。

「若年のテレビ離れ」は半ば自嘲気味に語られる言い回しではあるが、テレビを見る・観ないの選択だけでなく、見ている人における視聴時間の観点でも、確実に進んでいるようだ。特に日曜の短縮ぶりが著しいことから、娯楽の観点での立ち位置が著しく後退しているのだろう。


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