テレビ番組を観ている人の視聴時間をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/03/07 11:25

先行記事【テレビの視聴時間は平日3時間強・休日4時間近く、お年寄りほど長い傾向(2016年)(最新)】において、NHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した2015年国民生活時間調査の報告書をもとに、テレビ視聴時間の動向を確認した。しかしそこで算出した各視聴時間は「テレビを観ている人」「テレビを観ていない人」を合わせた各属性における平均値であり、個々の属性のテレビ視聴に係わる状況を推し量ることはできるものの、「テレビを観ている人における視聴状況」までは確認ができない。そこで今回は公開値を元に「テレビを観ている人の視聴時間」を求め、現状と過去からの経年動向を見ていくことにする(【発表リリース:2015年 国民生活時間調査】)。

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テレビ視聴者の視聴時間は平日は4時間近く、日曜は4時間半強


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。なおグラフ中の時間帯の区切りに関する表記は「直前区分からその時間まで」を意味する。今件では30分区切りでの精査なので、例えば「11時00分」なら「10時30分-11時00分」である。

冒頭の通り、先行記事で算出した「テレビ視聴時間」は、各属性全体の平均値。テレビを観ていない人は「視聴時間ゼロ」で平均値に合算している。つまりテレビを観ていない人が多い、テレビ視聴行為者率が低い場合、必然的に平均視聴時間も低くなる。視聴者の視聴時間と視聴行為率双方の要素が加わるため指標的役割を果たすことから、テレビの利用性向を推し量る上では有益なのだが、単純に「テレビを観ている人の時間の長さを知りたい」場合には不便ではある。

そこで行為者率と属性全体の平均視聴時間を元に、テレビ視聴者による平均視聴時間を算出したのが次のグラフ。

↑ テレビの平均視聴時間(時間:分)(視聴者限定)(2015年)
↑ テレビの平均視聴時間(時間:分)(視聴者限定)(2015年)

視聴者全体の平日におけるテレビ視聴時間は3時間52分。土曜になるとこれが4時間27分、日曜はさらに増えて4時間38分となる。年金生活者や専業主婦、自営業者などは自宅にいる機会が多く、テレビの接触時間も長くなるため、平日ですら4時間近い長さが計上されても不思議では無い。

↑ テレビの平均視聴時間(男性視聴者限定、2015年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(男性視聴者限定、2015年)(時間:分)

↑ テレビの平均視聴時間(女性視聴者限定、2015年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(女性視聴者限定、2015年)(時間:分)

行為者率は若年層から中堅層で低く、高齢層で高い値を示していたことから、全体的な平均視聴時間と比べると、年齢階層間の差がある程度縮まっている。しかしそれでもなお、大よそは若年層ほど短く、高齢層ほど長い値を示しており、「テレビを観る人における視聴時間は、高齢層ほど長い」実態がうかがえる。特に男性では曜日を問わずに60代以降、女性は平日土日で70歳以上・日曜は50代以上で高い値(70歳以上は群を抜く)を示しており、この年齢階層におけるテレビへの執着ぶりがうかがえる。

また、若年層は単にテレビそのものを観ない人の増加以外に、観ている人の視聴時間が短いことも把握できる。平日は仕事や学業で機会を得られず仕方がない面もあるが、土曜や日曜でもその傾向にあまり変化はない。性別・曜日で短時間層の年齢仕切りは異なるが、テレビ視聴者においても、一種の壁ができているようでもある。

20年前との比較


「2015年 国民生活時間調査」では整数値までだが、1995年以降5年おきの今調査項目に関する回答値が計上されている。そこで一番古い値となる1995年に関して、同様にテレビ視聴者における平均テレビ視聴時間を算出したのが次のグラフ。

↑ テレビの平均視聴時間(時間:分)(視聴者限定)(1995年)
↑ テレビの平均視聴時間(時間:分)(視聴者限定)(1995年)

↑ テレビの平均視聴時間(男性視聴者限定、1995年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(男性視聴者限定、1995年)(時間:分)

↑ テレビの平均視聴時間(女性視聴者限定、1995年)(時間:分)
↑ テレビの平均視聴時間(女性視聴者限定、1995年)(時間:分)

全体的な平均時間や、年齢階層別で視聴時間に違いが生じていることは、20年前でもさほど変わりはない(縦軸の仕切り分けは2015年のと同じにしてある)。一方で若年・壮齢層と高齢層との間の差は1995年の方がゆるやかに見える。70歳以上の時間がいくぶん短めに見えることから、「テレビ視聴をする高齢層のテレビ熱愛」がこの20年間で進んだようだ。

この動きを確認するため、1995年から2015年に至る各属性の視聴時間の変化を分単位で算出したのが次のグラフ。マイナス値の場合、20年でテレビ視聴者における視聴時間が短くなったことを意味する。

↑ テレビの平均視聴時間(男性視聴者限定、1995年から2015年への変移)(分)
↑ テレビの平均視聴時間(男性視聴者限定、1995年から2015年への変移)(分)

↑ テレビの平均視聴時間(女性視聴者限定、1995年から2015年への変移)(分)
↑ テレビの平均視聴時間(女性視聴者限定、1995年から2015年への変移)(分)

男性は平日は70歳以上をのぞいてすべてが減少。土曜日は中堅までがマイナスで壮齢以上が増加。日曜は20代をピークとする形で中堅層までが減少し、高齢層が増加。女性は振れ幅こそ少ない、一部イレギュラー(60代)もあるが大よそ男性と似た動きを示している。

「若年層のテレビ離れ」は半ば自嘲気味に語られる言い回しではあるが、テレビを観る・観ないの選択だけでなく、観ている人における視聴時間の観点でも、確実に進んでいるようだ。特に日曜の短縮ぶりが著しいことから、娯楽の観点での立ち位置が大きく減退しているのだろう。


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