新聞購読率減退中、増えているのは高齢者のみ

2011/05/10 07:00

NHK放送文化研究所が2011年2月23日に発表した「2010年国民生活時間調査報告書」は、同研究所が5年毎に定期調査を行っている研究報告の最新版で、日本の社会文化の変遷を推し量る上で役立つデータが多数盛り込まれている。今回はその中から、新聞の購読に関連する項目にスポットライトをあてることにする(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2010年10月14日から24日にかけて10歳以上の日本国民を対象に住民基本台帳から層化無作為2段抽出方式によって選ばれた7200人(12人×150地点×4回)を対象にし、配布回収方法によるプリコード方式で行われたもので、有効回答数は4905人。男女比は47.7対52.3、年齢階層比は10代11.8%・20代10.1%・30代15.0%・40代15.0%・50代15.2%・60代16.2%・70歳以上16.7%。なお「行為者」とは指定された行動を行ったもの、「行為者率」は該当時間幅にその行動を15分以上した人が全体に占める割合を意味する。

新聞の購読数、購読者数が共に減少傾向にあるのは国内外を問わずの話であり、特にアメリカではメディアの新陳代謝の代表格として取り上げられることも多い(日本の事例は【読売1000万部維持、毎日は前期比マイナス2.36%…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年後期分データ更新・半期分版)】などを参照のこと)。一方で新興国では情報取得のためのハードルが低いことから、まだまだ伸びを見せるという話もある。ただしこれも、今後モバイル端末の急速な普及でその「伸び」が鈍化する可能性は否定できない。

今調査によると、新聞の行為者率は直近データで約4割。つまり全体の4割ほどの人が一日15分以上新聞を読んでいる計算になる。新聞の業界団体が示す値と比べると随分と低いという印象がある。

↑ 新聞を読む人の割合
↑ 新聞を読む人の割合

曜日間では多少日曜の方が低めなものの誤差の範囲でしか無く、休平日の差異は無いように見受けられる。むしろこの15年の間に10ポイントほどごっそりと落ちてしまった事実を確認できる方が驚き。

これを平日において、男女別・年齢階層別・調査年別にグラフ化したのが次の図。「時間の減少」が具体的にはどのような状態で発生しているのかが分かる。

↑ 新聞を読む人の割合(平日、男性、調査年別)
↑ 新聞を読む人の割合(平日、男性、調査年別)

↑ 新聞を読む人の割合(平日、女性、調査年別)
↑ 新聞を読む人の割合(平日、女性、調査年別)

まず男女とも、10代-50代までが横ばいから減退への動きを見せる一方、60代以降は横ばい、むしろ上昇の動きさえ生じている。また、元々世代別では「若い……あまり読まない」「高齢者……よく読む」で変わりはないが、時間経過と共に世代間の行為者率の格差が開いていくこと、横ばい傾向だった世代(中堅層)が下降する動きが確認できる。特に2010年時点での男性30代・50代、女性40代では著しい減少が見て取れる。

新聞を読むシニアイメージ60代以降で新聞の購読率が増えるのは、心身の変化や周辺環境の移り変わりによるもの。特に定年退職を迎えて自宅にいる時間が長くなり、あるいは手間をかけていた子供が家を離れ、新聞に目を通すことに時間を費やそうという動きによるものと考えれば納得は行く。

他方世代の中には「若年層で身についた”新聞離れのライフスタイル”が歳を経ても継続し、(新聞をよく読むという方面への)変化が無い」という動きも出てきている。今後「新聞を読まないのが当たり前」の世代が歳を重ねるにつれ、50代以下の世代に限定されていた「新聞行為者率の減少」が60代以上にも及ぶことになるのか、それとも今まで通り高齢者の多くは新聞を読むのか、気になるところではある。


■関連記事:
【読売1000万部維持、毎日は前期比マイナス2.36%…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年後期分データ更新・半期分版)】

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