ラジオを聴いてる人は約一割、年々減少中…でした

2011/05/09 07:00

NHK放送文化研究所が2011年2月23日に発表した「2010年国民生活時間調査報告書」は、同研究所が5年毎に定期調査を行っている研究報告の最新版で、日本の社会文化の変遷を推し量る上で役立つデータが多数盛り込まれている。今回はその中から、ラジオの視聴に関連する項目にスポットライトをあてることにする(【発表リリース、PDF】)。

スポンサードリンク


今調査は2010年10月14日から24日にかけて10歳以上の日本国民を対象に住民基本台帳から層化無作為2段抽出方式によって選ばれた7200人(12人×150地点×4回)を対象にし、配布回収方法によるプリコード方式で行われたもので、有効回答数は4905人。男女比は47.7対52.3、年齢階層比は10代11.8%・20代10.1%・30代15.0%・40代15.0%・50代15.2%・60代16.2%・70歳以上16.7%。なお「行為者」とは指定された行動を行ったもの、「行為者率」は該当時間幅にその行動を15分以上した人が全体に占める割合を意味する。

また今調査は2010年に行われたものであり、今般の東日本大地震でラジオが大きく評価を改められた(多分にプラス化された)件は反映されていないことに留意しておく必要がある。

今調査によればラジオの行為者率は10%内外。4マスのうち受動的メディアとして並べられることの多いテレビと比べれば随分と低い値。そしてラジオもテレビ同様に、時代の経過と共に減少傾向を見せている。

↑ テレビを見る人の割合
↑ テレビを見る人の割合(再録)

↑ ラジオを聞く人の割合
↑ ラジオを聞く人の割合

テレビの場合は若年層で行為者率が減っているものの高齢者では横ばい、むしろ微増する傾向があり、視聴時間も伸びていたので、総計としての視聴時間は横ばいという傾向が確認できた。ラジオの場合、行為者率そのものが少ないので視聴時間への考察は省略するが(「調査母体全体」での時間量しか掲載されていないから、非視聴者の割合が大きいために誤差も大きくなる)、テレビ同様にラジオでも、若年層ほど時代の流れと共に行為者率が減る傾向が見て取れる。

↑ ラジオを聞く人の割合(平日、男性、調査年別)
↑ ラジオを聞く人の割合(平日、男性、調査年別)

↑ ラジオを聞く人の割合(平日、女性、調査年別)
↑ ラジオを聞く人の割合(平日、女性、調査年別)

高齢者部分にややばらつきがある、70歳以上になると減少の動きが起きてくるが、大勢としては「歳を取るほどラジオ視聴率が増加する」「時の流れと共に視聴率そのものが減退している」というとらえ方で間違いない。

また、グラフ中矢印で動きをトレースしているが、いくつかの年齢構成層で「同じ世代の人が歳を取ると、ラジオを聴かない人が増える」ようすが分かる。例えば女性20代・2000年の視聴率は11%。10年分歳を取ると2010年では30歳になるわけだが、もし同じようにラジオを視聴し続けていれば「女性30代・2010年の視聴率は11%」でなければならない。しかし実際には5%と、6ポイントも減少している。

これらの流れを見るとラジオの視聴性向の変化は、若年層-中堅層で特に大きく起きているのが見て取れる。理由はいくつも考えられるが、例えば「ラジオコンテンツの若年層のニーズとの剥離」「テレビのながら視聴の増加で、ラジオがその座を奪われてしまった」「若年層が時間を費やすメディアが多様化し、ラジオの優先順位が下がった」などが挙げられよう。



ラジオ冒頭でも触れているが、今般の東日本大地震により4マスの中ではメディア単位という観点において、ラジオが随分と見直されるようになった。地震をきっかけにラジオを引っ張り出して聴き入り、そのまま習慣化してしまった人も少なくあるまい。また「有益性」という点でも「ラジオは頼りになる」という認識を覚えた人も多いだろう。

「国民生活時間調査」は5年毎の調査のため、すぐにこの「ラジオ復権」の動きを知ることはかなわない。他調査機関の調査ではすでに【地震情報で見直される「ラジオ」、評価を受ける「ソーシャルメディア」、そして……】などでその動きが確認できる。これが行為者率にどのような変化をもたらすことになるのか、興味深いところではある。


■関連記事:
【テレビを見る人漸減中、でもお年寄りはむしろ増加?】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー