テレビの視聴時間は平日3時間半・休日4時間強、お年寄りほど長い傾向

2011/05/05 07:00

NHK放送文化研究所は2011年2月23日、2010年国民生活時間調査の報告書を発表した。今調査は5年毎・定期的に同研究所が行っているもので、日本の社会文化の変遷を推し量る上で役立つ、貴重なデータが多数盛り込まれている。今回はその中から、テレビの視聴時間についてスポットライトを当てることにした(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2010年10月14日から24日にかけて10歳以上の日本国民を対象に住民基本台帳から層化無作為2段抽出方式によって選ばれた7200人(12人×150地点×4回)を対象にし、配布回収方法によるプリコード方式で行われたもので、有効回答数は4905人。男女比は47.7対52.3、年齢階層比は10代11.8%・20代10.1%・30代15.0%・40代15.0%・50代15.2%・60代16.2%・70歳以上16.7%。なお「行為者」とは指定された行動を行ったもの、「行為者率」は該当時間幅にその行動を15分以上した人が全体に占める割合を意味する。また、グラフ上では時間を「時間:分」で表記する。例えば3時間54分は「3:54」とする。

【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】【男性10-30代は「テレビよりインターネット」・年齢差きわだつメディアへの接触時間】にもあるように、テレビの視聴時間は国内外を問わず減退傾向を見せている。一方で高齢者の間ではむしろ増加し、彼ら・彼女らが寄せる信頼を高める動きもある(内容そのものが本当に信頼のおけるものかは別問題)。

今調査ではテレビを見る人の割合(テレビ行為者率、1日15分以上テレビを見ている人)を調べているが、結果としては2010年でも9割近い人が該当する結果が出ている。

↑ テレビを見る人の割合
↑ テレビを見る人の割合(再録)

それではテレビの一日あたりの視聴時間はどれくらいなのか……というのが今記事での主題。掲載されているデータは「全回答者における平均」なので、視聴していない人(上記にもあるように1割前後)も含めた平均値。視聴している人に限れば、1割ほど時間がかさ上げされることを念頭にデータを見てほしい(今件ではあくまでも「全体としての平均視聴時間」を考察対象としているので、そのあたりはあまり気にしなくてもよい)。

まずは全体的な平均時間。当然平日よりも土曜・日曜の方が長い。

↑ テレビの平均時間(テレビ非視聴者も含めた全員)(2010年)
↑ テレビの平均時間(テレビ非視聴者も含めた全員)(2010年)

平日の昼間は学生は授業に出ているし、勤め人は会社に居るのでテレビを観ることは出来ない。しかし土曜、日曜ともなれば、視聴できる可能性は高くなる。

これを年齢階層別に見ると、当然ながら高齢者の方が長い傾向が確認できる。【男性10-30代は「テレビよりインターネット」・年齢差きわだつメディアへの接触時間】をはじめ、多数の調査機関の調査による結果がまた一つ裏付けられた形だ。

↑ テレビの全員平均時間量(男性全員、2010年)
↑ テレビの全員平均時間量(男性全員、2010年)

↑ テレビの全員平均時間量(女性全員、2010年)
↑ テレビの全員平均時間量(女性全員、2010年)

・どの年齢層でも平日より土曜、土曜より日曜の方が視聴時間が長い
・男性は50代以降、特に60代以降は急激に視聴時間が長くなる(定年退職で自宅にいる時間が増える)
・男女とも高齢、特に50代以降は一日のかなりの時間をテレビ視聴に費やしている

興味深いのは男性の動きで、特に平日と土曜日で50代以降に急激に視聴時間が増加している。これは定年退職で在宅時間が増え、時間を費やす娯楽としてテレビを頼る動きの結果であることが容易に想像できる。また、男女のグラフの縦軸をあえて同じ基準で割り振ったが、ぱっと見でも「青い部分(高齢者)の棒グラフの長さは、男性の方が長い」ことが分かる。

男女の差異をはっきりと認識するため、平日と日曜について数字を再編集し、グラフにしたのが次の図。

↑ テレビの全員平均時間量(平日、2010年)
↑ テレビの全員平均時間量(平日、2010年)(男女別)

↑ テレビの全員平均時間量(日曜、2010年)
↑ テレビの全員平均時間量(日曜、2010年)(男女別)

平日は男性が会社勤めの比率が高いため、どうしても女性の方が視聴時間が長くなる。しかし定年退職を迎える60代になると、男性と女性の時間はほぼ同じとなり、70歳以上になると逆に男性の方が長くなる。元々会社勤めでも自宅にいる機会が多い日曜ともなれば、10代のうちから視聴時間は男性の方が長く、経年と共にさらに差が開く結果が出ている。

これは【お年寄りの日常生活での楽しみ、トップは「テレビ・ラジオ」だが……】などで解説しているように、歳を経るに連れて男性が内向的な時間の楽しみ方に傾注するのに対し、女性は外交的な娯楽も積極的に行うことによるものと考えることができる。



テレビは「ながら視聴」という視聴スタイルに代表されるように、受け手の娯楽として楽しむ際のハードルが極めて低いメディアである(当方も入院の際に再確認させられた)。その点ではラジオも同じだが、多種多様な情報が得られるという点で、テレビはラジオをはるかに凌駕する。

心身共に色々と無理が効かなくなる高齢者ほど、手軽な娯楽としてテレビを選択して楽しむ。結果として視聴時間が長くなるのも、理解はできるというものだ。

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