テレビを見る人漸減中、でもお年寄りはむしろ増加?

2011/05/04 12:00

NHK放送文化研究所は2011年2月23日、2010年国民生活時間調査の報告書を発表した。それによるとテレビを見る人の割合は、この15年間で全体比率では3-4%ほど減少していることが分かった。男性では40代まで、女性では30代までの若年層で減少率が大きく、20代では男女とも78%にまで減退している。一方70歳以上は男性98%・女性95%と、ほぼ全員がテレビを観ているという結果が出ている(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2010年10月14日から24日にかけて10歳以上の日本国民を対象に住民基本台帳から層化無作為2段抽出方式によって選ばれた7200人(12人×150地点×4回)を対象にし、配布回収方法によるプリコード方式で行われたもので、有効回答数は4905人。男女比は47.7対52.3、年齢階層比は10代11.8%・20代10.1%・30代15.0%・40代15.0%・50代15.2%・60代16.2%・70歳以上16.7%。なお「行為者」とは指定された行動を行ったもの、「行為者率」は該当時間幅にその行動を15分以上した人が全体に占める割合を意味する。

【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】【男性10-30代は「テレビよりインターネット」・年齢差きわだつメディアへの接触時間】にもあるように、テレビの視聴時間は国内外を問わず減退傾向にある一方、高齢者の間ではむしろ増加し、彼ら・彼女らが寄せる信頼を高める動きをも見せている(内容そのものが本当に信頼のおけるものかは別として)。

今調査ではテレビを見る人の割合(テレビ行為者率、1日15分以上テレビを見ている人)を調べているが、結果としては2010年でも9割近い人が該当する結果が出ている。

↑ テレビを見る人の割合
↑ テレビを見る人の割合

テレビが現在でも多数の人に視聴されている媒体であることに違いは無い。しかしこの15年の経過の中で、少しずつではあるが「テレビを見ない(厳密にはまったく見ない以外に、1日に15分未満しか見ないも含む)」人が増加し、いわゆるテレビ離れが起きているのが分かる。そしてそれは平日・土日を問わずの傾向。

これを年齢階層別に見ると、冒頭でも触れたように世代別に異なる動きが確認できる。

↑ テレビを見る人の割合(平日、男性、調査年別)
↑ テレビを見る人の割合(平日、男性、調査年別)

↑ テレビを見る人の割合(平日、女性、調査年別)
↑ テレビを見る人の割合(平日、女性、調査年別)

男女とも若年層(赤系統)から中堅層(緑系統)は漸減、高齢層(青系統)は横ばいからむしろ増加を示している。特に70歳以上の高齢者のテレビ行為者率は著しく、男性にいたっては98%・20人に19人が「毎日15分以上テレビを観ている」という計算になる。

他方、男女とも10-20代のテレビ離れは顕著。この15年に10ポイント内外で減少しているのが分かる。10年の経過で今調査の年代区分一つ分歳を取ることになるが、その分時間が経過しても減少傾向に歯止めがかからない動きを見ると、特定世代の対象者だけでなく、若年層全体にテレビ離れが少しずつ浸透していくと考えることができる。

「若年層でテレビ離れ状態で育った人たち」が歳を取り、中堅・高齢世代に移行してもそのままテレビを見ない状態で生活していくのなら、少しずつ時間差的に高年齢層でもテレビ離れの動きが見えてくるはず。男性40代ではすでにその一部らしき動きが見える。

一方で経年と共に「自分の負担が小さい、楽しめるメディア」の代表格であるテレビとの親近感が深まり、若年時にはテレビと距離をおいていたものの、歳を取ってからテレビを良く見るようになる人も増えてくるはず。これらの動きもあわせ、今後世代別のテレビ行為者率がどのような変化を見せるのか。他調査機関の結果と合わせ、注意深く見守りたいところだ。

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