男性では全国平均で1631円…地域別の短時間労働者の時給(最新)
2022/05/15 02:58


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今回取り上げる「短時間労働者」と「一般労働者」の違いは先行記事となる【フルタイムの平均賃金は30万7400円・前年比でマイナス0.1%(最新)】で解説の通り。定義の上では「同一事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い、あるいは1日の所定労働時間が同じでも、1週の所定労働日数が少ない労働者」が短時間労働者となる。
例えば「就業日はフルタイム出勤。しかし出勤日は月水金のみ」「就業日は一般労働者と同じ平日すべて。でも午前中は休みで午後のみの出勤」の場合は「短時間労働者」に該当する。また契約社員の大部分は正社員と同じ時間帯で働くことから「一般労働者」に該当し、今回の「短時間労働者」には該当しない。
早速ではあるが次に示すのは、男女それぞれの短時間労働者における平均時給の地域別動向。企業規模別で差異が大きく生じ得るため、今回は企業規模10人以上の事例に限定した(公開値の種類もこの区分の方が多い)。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、男性、都道府県別、円)(2021年)

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、女性、都道府県別、円)(2021年)
冒頭でも触れている通り、産業種類による時給は大きく異なるため、高い時給を支払う産業が多い地域ほど高めの値をつけることになる。無論地域の物価や労働市場なども加味される。そのため今回の各値はあくまでも指標レベルのものと見るのが無難。
男女別に見ると、男性の最大値は岡山県の2079円。次いで東京都の2062円、京都府の1967円と続く。関西圏の人口密度の高い地域で、やや高めの値が出ているように見受けられる。他方、低い地域は秋田県の1101円、愛媛県の1113円など。
女性では最大値が東京都の1607円、京都府の1404円が続く。関東・近畿圏の高値傾向がはっきりと表れており興味深い。最小値は秋田県の1007円。
一方、【厚生労働省の最低賃金制度に関する公式ページ「労働基準 > 賃金 賃金引上げ、労働生産性向上」】で確認してほしいが、最低賃金法では都道府県別・産業別で時給単位の最低賃金を法的に定めている。例えば東京都の場合は時給1041円(2021年10月時点)となっている。

↑ 地域別最低賃金改定状況(時間あたり、都道府県別、円)(2021年度)
そこでこの最低賃金と、平均賃金の差を算出したのが次のグラフ。多分に数字遊びの感はあるが、どれだけ法的最低基準から賃金が上乗せされているのか、その目安となる。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、男性、最低賃金からの上乗せ額、円)(2021年)

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、女性、最低賃金からの上乗せ額、円)(2021年)
男性ではもっとも大きな上乗せ額を示したのは東京都の566円、次いで京都府の467円。地域別の傾向だったものは特に見られない。他方女性では岡山県が群を抜き、京都府や東京都が続いている。こちらも特に地域別傾向は見出しにくい。
さらに数字遊びとなるが、男女に区分したこともあり、男女間の短時間労働者における平均賃金の差を倍率で算出してみる。例えば全国なら1.26とあるので、平均額で男性は女性の26%増しの金額となる。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(企業規模10人以上、都道府県別、男性は女性の何倍か)(2021年)
おおよそ1-3割前後増しの結果が出ているが、一部地域では6割台の値もある。一方で男性よりも女性の方が時給が高い都道府県は沖縄県のみである。
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