地域別の短時間労働者の時給をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/03/05 05:29

先行記事【都道府県別・一般労働者の平均賃金をグラフ化してみる】で解説の通り、厚生労働省が2016年2月18日付で発表した、賃金関連の情報を調査集積した結果「賃金構造基本統計調査」の最新版となる【平成27年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況】の公開値を元に、一般労働者では地域別で賃金の違いが生じていることが分かった。これは地域毎に物価や産業構造、市場動向をはじめとした各種環境の違いが元で、対価となる賃金に差が生じた結果ではある。それでは短時間労働者でも同じような差異が生じているのだろうか。今回はその点を確認していく。

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今回取り上げる「短時間労働者」と、「一般労働者」の違いは先行記事となる【フルタイムの平均賃金は30万4000円・前年比でプラス1.5%(2016年)(最新)】で解説の通り。定義の上では「同一事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い、あるいは1日の所定労働時間が同じでも、1週の所定労働日数が少ない労働者」が短時間労働者となる。

例えば「就業日はフルタイム出勤。しかし出勤日は月水金のみ」「就業日は一般労働者と同じ平日すべて。でも午前中は休みで午後のみの出勤」の場合は「短時間労働者」に該当する。また契約社員の大部分は正社員と同じ時間帯で働くことから「一般労働者」に該当し、今回の「短時間労働者」には該当しない。

早速ではあるが次に示すのは、男女それぞれの短時間労働者における平均時給の地域別動向。企業規模別で差異が大きく生じ得るため、今回は企業規模10人以上の事例に限定した(各種公開値もこの区分の方が多い)。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(円、2015年、企業規模10人以上)(男性)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(円、2015年、企業規模10人以上)(男性)

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(円、2015年、企業規模10人以上)(女性)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(円、2015年、企業規模10人以上)(女性)

冒頭でも触れている通り、産業種類による時給は大きく異なるため、高い時給を支払う産業が多い地域ほど高めの値をつけることになる。無論地域の物価や労働市場なども加味される。そのため今回の各値はあくまでも指標レベルのものと見るのが無難。

男女別に見ると、男性の最大値は東京の1300円。次いで千葉や神奈川、茨城などで1200円台をつけている。東京近辺の関東地域を筆頭に、近畿圏など人口密度の高い地域で、やや高めの値が出ているように見受けられる。他方、低い地域は沖縄の888円、青森の892円など。

女性では最大値がやはり東京の1221円だが、大阪の1126円が続く。男性よりも関東・近畿圏の高値傾向がはっきりと表れており興味深い。最安値は青森の838円。

一方、【厚生労働省の最低賃金制度に関する公式ページ「労働基準 > 賃金 > 最低賃金制度」】で確認してほしいが、最低賃金法では都道府県別・産業別で時給単位の最低賃金を法的に定めている。例えば東京都の場合は時給907円(2015年10月時点)となっている。

↑ 平成27年度地域別最低賃金改定状況(時間当たり、円)
↑ 平成27年度地域別最低賃金改定状況(時間当たり、円)

そこでこの最低賃金と、平均賃金の差を算出したのが次のグラフ。多分に数字遊びの感はあるが、どれだけ法的最低基準から賃金が上乗せされているのか、その目安となる。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(最低賃金からの上乗せ額)(円、2015年、企業規模10人以上)(男性)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(最低賃金からの上乗せ額)(円、2015年、企業規模10人以上)(男性)

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(最低賃金からの上乗せ額)(円、2015年、企業規模10人以上)(女性)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(最低賃金からの上乗せ額)(円、2015年、企業規模10人以上)(女性)

男性では福島や茨城の上乗せ額が群を抜いている。震災周りの短時間労働者に絡んだ需給関係で、人材確保のための結果が数字となって表れているのだろうか。それ以外では四国・中国地方の一部地域、愛知周辺、中部日本海側でやや高め。

他方女性では東京が群を抜き、次いで徳島が続いている。それ以外は特に地域別傾向は見出しにくいが、あえて言えば近畿や中部日本海側がやや高い感はある。

さらに数字遊びとなるが、男女に仕切り分けしたこともあり、男女間の短時間労働者における平均賃金の差を倍率で算出してみる。例えば全国なら1.10とあるので、男性は女性の10%増しの金額となる。

↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(2015年、企業規模10人以上)(男性は女性の何倍か)
↑ 短時間労働者における1時間あたり所定内給与額(2015年、企業規模10人以上)(男性は女性の何倍か)

大よそ1割から2割増しの結果が出ているが、興味深いことに福岡では唯一1.00以下、つまり男性よりも女性の方が平均時給が高い結果が出ている。産業構造によるものか、あるいは他に社会環境的な原因があるのかまでは確認ができないが、興味をそそられる動きには違いない。


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