2014年は戸数大幅下落、単価は上昇…16年間のマンション販売戸数と平均単価をグラフ化してみる

2015/02/21 16:00

不動産経済研究所は2015年2月19日、2014年の全国マンション市場動向を発表した。それによると民間マンションの2014年の発売戸数は8万3205戸となり、前年に比べて21.0%の減少となった。これは5年ぶりの前年比での減少となる。一方で平均価格は4306万円となり、前年比で3.2%の増加を見せている(【発表リリース一覧ページ:全国マンション市場動向2014年(年間のまとめ)】)。

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2014年における全国のマンション販売動向の詳細な解説はリリースにある通りだが、概要をまとめると以下のようになる。

・マンションの発売戸数は前年比21.0%増。北陸・山陰以外の全地域で減少を示している。首都圏は20.5%減、近畿圏23.8%減、九州11.0%減と、多数の物件を抱える地域でも軒並み大きな減少率を呈している。

・発売価格平均値は4306万。前年の4174万円と比べて3.2%の上昇。1平方メートルあたりの単価は60.3万円。前年比で2.3万円のアップ。平均価格・単価共に2年連続の上昇。

それでは早速過去のデータと合わせ、発売戸数と発売価格をグラフ化し、状況の推移を推し量ることにする。まずはマンション販売戸数推移。首都圏・近畿圏・その他、そして全国の合計値について。

↑ 民間マンション販売戸数前年比(2014年)
↑ 民間マンション販売戸数前年比(2014年)

↑ 民間マンション販売戸数推移(2014年分反映)
↑ 民間マンション販売戸数推移(2014年分反映)

発売戸数そのものは、直近のいわゆる「不動産プチバブル」時期にも大きくプラスに転じていたわけではない。首都圏・近畿圏ではほぼ横ばいに推移し、「その他」地域が2005年から1、2年増えている動きを見ると、大都市圏ではなくその周辺地域で発売物件数が増加していたことが分かる。

一方で首都圏では2005年から、近畿圏でも2006年あたりから発売戸数の減少が見られ、それに伴い全国合計数も減少。2007年以降は雪なだれ式にその数を減らしている。2009年にはその動きもようやくゆるやかなものとなり、2010年に至ると首都圏ではプラスに転じることになった。他方近畿圏・その他も持ち直しを見せているが、その歩みはゆるやかなものに留まっている。

前年となる2013年は景気の回復感、不動産に対する投資意欲の復帰、さらには消費税率引上げ前の駆け込み需要というプラス要素が重なり、特に首都圏で大きく上昇した。近畿圏はメインとなる大阪府の供給が前年からほぼ横ばいだったのを受け、上昇幅も大人しいものとなっている。

そして直近の2014年は消費税率引上げによる、直前までの特需の反動、さらには消費性向の減退に伴い、どの地域でも大きく販売戸数は減退。全国の値ではリーマンショック後に大きく下落した後、立ち直りを見せ始めた2010年の値である8万4701戸/年にほぼ近しい水準にまで下落してしまっている。

続いて販売価格推移。

↑ 民間マンション販売価格前年比(2014年)
↑ 民間マンション販売価格前年比(2014年)

↑ 民間マンション発売価格推移(万円)(2014年分反映)
↑ 民間マンション発売価格推移(万円)(2014年分反映)

販売戸数の動向とは連動性の無い形でのグラフが描かれている。元々マンションは高額商品であり大抵は一生、あるいは半生をかけてローンを支払っていくもの。年間で10%も20%も上下されては困るが、それでも(大きな上昇が見える)2007年は7.1%も上昇していた。2008年は2.3%と上昇率が落ちたが、まだ全国平均では上昇しているのが分かる。

「このまま上昇を続けるのでは」とも思われたが、需給バランスの関係から高値維持は難しいようで、2009年はさすがに下落傾向を見せた。しかし2010年には大手デベロッパーが主導する形で都市部の市場を形成し、それぞれの圏域での上昇を支えていた。

この数年は下げ基調にあったものの、2014年は販売戸数が大きく減ったものの価格は前年に続き上昇の動きを示す形となった。首都圏では特に都下(東京都のうち23区以外の地域)の上昇が大きくプラス11.5%。しかし23区では2.4%のプラスに留まっている。また神奈川県や埼玉県、千葉県でも4%台から5%台の上昇にあり、周辺地域の需要を反映している感はある(ちなみに販売戸数は23区ではマイナス26.7%だったが都下ではマイナス0.2%に留まっている)。

近畿圏では和歌山県の上昇率がプラス11.9%と前年に続き桁違いの大きさを見せるも、供給数は152戸、近畿圏全体1万8814戸の0.8%でしかなく、近畿圏ベースにはほとんど影響を与えていない。近畿圏の半数以上を提供する大阪府の伸びが2.0%と小幅に留まっていることから、全体でも伸び率は4.3%プラスと落ち着いたものとなっている。近畿圏も首都圏同様に上昇基調にあるが、専有面積を落とすことにより上昇幅は最小限に留められるとのこと。



不動産の動向は取引単価が大きいことから、経済そのものの流れにおいて無視できぬ要素となる。2014年は消費税率の引上げに伴う売買価格の高騰化による敬遠、消費性向の減退、前年に生じた特需の反動など、さまざまなマイナス要因が重なり、大きな減退を示す形となった。同研究所ではプラス4.5%・11.00万戸を見込んでいたが、その予想が大きく覆されるほど、消費税率の引き上げは大きな影響をもたらしたことになる。

なお同研究所では2015年の販売動向について、9.0万戸・8.2%の増を予想している。その予想にどこまで実態が近づくか、注意深く見守りたい。


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