転職者の正規・非正規状況をグラフ化してみる(2015年)

2015/02/19 15:00

現在就業している職場の労働条件に耐え切れない、無理な長期出張を強要されるなどの自発的離職を余儀なくされる場合以外に、リストラの対象になる、定年退職や早期退職制度を活用して職を辞する、あるいは他企業からの引き抜きにあう、そして勤めている会社が倒産するなど、様々な理由で現職から離れ、新たな職に就くことを転職と呼んでいる。転職者の中には正社員だったものが再就職の中で非正規社員としてしか再就職できない場合や、逆に非正社員から正社員への転職を果たす人もおり、雇用形態上の観点でもさまざまな人生の躍動感を垣間見ることができる。今回は総務省統計局が2015年2月17日に発表した、2014年分の労働力調査(詳細集計)の速報結果を基に、直近1年間に離職して新たな職についた人における、正規・非正規の雇用形態況の変化について確認をしていくことにする(【労働力調査(詳細集計)年平均(速報)結果発表ページ】)。

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次に示すのは前職を辞してから1年以内に再就職を果たした人のうち、雇用形態、具体的には正規社員と非正規社員の地位の変化を踏まえ、その動きを示したもの。

↑ 転職者移動状況(2014年、万人)(過去1年間限定)
↑ 転職者移動状況(2014年、万人)(過去1年間限定)

2014年に転職をした人は261万人。そのうち正規社員だったのを辞した人は101万人、非正規は160万人(転職をしていない人もいるので、辞めた人が261万人では無いことに注意)。元正規社員で再び正規社員になれた人は61万人だが、残りの40万人は非正規社員として再就職している。一方非正規社員だった160万人のうち正社員になれた人は35万人で、残りの125万人は再び非正規社員の地位で再就職している。例えばスーパーでパートをしている女性がもう少し良い条件で働ける別のスーパーに転職する場合など、一概に非正規社員の地位が正規社員よりも望まれていないとは限らないが、非正規社員の人が転職をする場合も、正規社員になれる可能性は(人数的に)少数の事例となることが分かる。

この転職における正規・非正規の雇用状況の移転について、正規社員から非正規社員、非正規社員から正規社員に限り、さらに男女別に動向を経年変化で見たのが次のグラフ。

↑ 正規・非正規間を移動した転職者の推移(万人、2008年-2014年)(過去1年間)
↑ 正規・非正規間を移動した転職者の推移(万人、2008年-2014年)(過去1年間)

2013年のようなイレギュラーな値を示すこともあるが、大よそ非正規社員は女性の方が圧倒的に多く、求人も非正規社員の職は女性が適している場合が多いこともあり、非正規社員から正規社員になれた人の数は男性よりも女性の方が多い。逆に正社員の数は男性の方が多いことから、正社員から非正規社員となる人の数は男性の方が多くなる。一方、2013年において男性の正規社員から非正規社員への転職者が急増しているが、これは55-64歳の正規社員が早期退職・定年退職などで退職し、非正規社員として再就職した事例が少なくない。



かつては専門誌がテレビCMなどで盛んに「転職で収入アップ」などのキャッチコピーを用いて喧伝し、転職を推し進める動きがあった。しかし最近ではそのような動きはあまり見られない。労働力調査でも2013年からは転職による収入の上下に関する問い合わせを止めており、今回は正規・非正規といった雇用状況の違いにのみスポットライトをあてて状況確認を行った。

ここ数年は男女ともに非正規から正規に転職がかなう事例が増加している。それが元々本人の希望によるものであれば、喜ばしい話には違いない。


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