嵐の前の静けさ…野村證券、2016年1月分の個人投資家動向発表

2016/01/16 10:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2016年1月15日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年1月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形で上昇し、56.6を示すこととなった。株価の先行きに関しては「中規模な上昇」を見込む意見が先月と比べ大きく増加し、代わりに「小規模な上昇」の意見が大きく減っており、上昇期待が盛り上がった状況を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年1月4日から1月5日に行われたもので、男女比は82.8対17.2。年齢層は60代以上がもっとも多く37.0%、次いで50代が31.1%、40代が23.6%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く30.7%、500-1000万円が16.6%、5000万円以上が15.5%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が最高比率で35.4%、次いで10-20年未満が32.3%、5年から10年未満が25.9%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で46.9%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が28.5%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は55.4ポイント。前回から2.0ポイントの上昇。前月の上昇から継続する方向性の動き。この時期、日経平均株価は前月比で1200円強の下落を示していたが、その時点において反発的な上昇を予想する人が増えた形となる。一時的な下落との認識だったのだろう。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で77.7%。前月分の76.7%からは1.0%ポイントの上昇。こちらも投資指数同様に増加している。「1000円程度上昇」の回答率が前月から大きく減り、ほぼ同じ分が「2000円程度上昇」「1000円程度上昇」の増加分として分散する形で表れている。一方、減少予想領域はほとんど変化ナシ。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示した。前月比では3.4%ポイントの上昇。

・魅力的な業種は「自動車」「医薬品」「資本財・その他」「運輸・公共」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「通信」「消費」「金融」「素材」「電気機器・精密機器」はマイナス圏。「運輸・公共」が大きく増加しているが、あるいは原油価格の下落に伴うコスト減少の恩恵を受けられるとの発想かもしれない。

・ドル円相場に対する見通しは大きな変化はないものの、「円安ドル高」派が増え、「円高ドル安」派が減っているいる。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はマイナス57.4をつけ、前回月のマイナス46.8からさらに大きく下げている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値では「国内株式」がやや大きめな減少を計上している。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……武田薬品工業(4502)
3位……イオン(8267)
4位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
5位……日立製作所(6501)

鉄板のトヨタ自動車は別として、武田薬品工業も先月から続く上位入り。また大手銀行グループの健闘ぶりも目に留まる。上位常連のイオン(8267)は今回第3位、前回第6位からの返り咲き。ソニー(6758)は大きく後退して第12位となっている。もっとも第2位の武田薬品工業は回答数が20でしかなく、数票で順位変動が生じるほどの僅差にあるため、実質的にはトップのトヨタ(109票)以外は、2ケタの票を取得した銘柄に関してはほぼ横並びと見た方が良いかもしれない。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月では最上位は日本郵政で第23位に留まっている。安定感の強さが株価の強さの源ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。今後時間の経過と共に、じわりと注目度を高めていくのか、それとも他の銘柄に埋もれてしまうのか。注意を払いたいところ。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷と、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も戦後初となる大軟調状況が続いている。外部要因が多分であるため、タチが悪いのも特徴。今回調査分は主に大発会当日に行われたため、まだその時点では現状のような軟調相場に至るとは思いもよらなかったのだろう。

次回の調査時期までに市場動向が持ち直しの機運を持つにいたるのか、それともなお低迷が続くのか。無論前者であることが望ましいのだが。


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