小中学生の習い事、算数・数学がトップで2割強

2016/02/02 05:19

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英会話のGabaは2016年1月20日、子供の受験と英語教育に関する調査結果を発表した。それによると小中学生を子供に持つ調査対象母集団においては、その子供の習い事としてもっとも多くの人が通わせているのは算数・数学(塾)で、2割強に達していることが分かった。次いで国語、英語、水泳が続いている。小学生では水泳や音楽・楽器など文化芸術系の習い事が多いが、歳が上がるに連れて学習系のものが増える傾向が見受けられる(【発表リリース:「子どもの受験と英語教育に関する調査」】)。


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今調査は2015年12月9日から13日にかけて、小学生か中学生の子供を持つ(子供が複数居る場合は末っ子)20代から50代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は10000件。子供の性別、学校種類、回答者の性別がほぼ均等になるように割り当て。調査協力機関はネットエイジア。

学校における教育内容では不十分と判断し、あるいはさらなる知識経験の習得を目的とし、さらには子供自身が望む形で、子供を塾や習い事に通わせる事例は多々ある。昔ながらのそろばん塾や習字塾、各種学習塾などが好例。また昨今では教育プログラムの変更に伴い、ダンスやバレエなどを教える塾も多々見受けられるようになった。

次に示すのは今調査調査対象母集団において、回答者の子供に通わせている習い事を複数回答で挙げてもらったもの。最大値を示すのは算数・数学で22.7%。つまり小中学生の2割強は算数や数学の学習塾に通っている計算になる。

↑ 自分の子供が現在行っている習い事(複数回答、上位陣)
↑ 自分の子供が現在行っている習い事(複数回答、上位陣)

子供の学校種類が小学校と中学校を合わせたものとなっているため、多分に混ぜこぜな感はあるが、「義務教育課程の子供における習い事動向」と見れば良い。上位陣には教科に対する学習塾が上位を占め、それ以外の文化芸術系では水泳がトップの13.4%、ほぼ同率で音楽・楽器が入る。上記に挙げた習字やそろばんは1割にも満たない。またスポーツ系の仕切り分けで見ると、水泳の次にはサッカーが入り、ダンス・バレエが(スポーツと見て良いかやや苦しいところがあるが)ついている。野球は少なくとも上位陣には無い。

これを子供の学校種類別に見たのが次のグラフ。子供の成長に連れて習い事の傾向が大きく変化していく様子がよく分かる。

↑ 自分の子供が現在行っている習い事(複数回答、上位陣)(子供の学校種類別)
↑ 自分の子供が現在行っている習い事(複数回答、上位陣)(子供の学校種類別)

小学校低学年時は水泳や音楽・楽器が上位を占め、次いで算数・数学や国語。高学年になると算数や国語が上位となり、水泳がそれに続くこととなり順位は逆転。習字が一時的に入ったり、英語が続くなど、過渡期の状況を呈するようになる。そして中学生となると学習塾系が上位を独占し、文化芸術系はごく少数に落ち着く。

習い事に関する他の調査でも似たような傾向は出ているのだが、時間の余裕が比較的大きく、基礎体力やセンスの習得時期ともいえる小学生の時期においては、文化芸術系の習い事が多い。子供にとっては他の子供とのコミュニケーションの場的な、遊びのような役割も多分にあるのだろう。それが小学校高学年から中学校になると、次第に習い事は学校の授業の内容の補完へと、性質をシフトしていくようになる。もちろん塾や習い事の場において、子供の年齢制限をしている場合があるのも一因なのだが。

グラフを見返すと、中学生では2割強が国語塾、3割強が算数・数学や英語塾に通っていることになる。中にはこれら教科系の全塾に通っている子供もいるかもしれない。

やや余談となるが、塾は多分に受験対策の意味合いもあることから、受験と習い事の関係について。現在習い事をしている人において、それを入試に関係が無い類のものでも、受験期においても続けさせたいもの(該当塾に通わせている人限定)、そして現在通わせているか否かはともかく、受験が終わったら始めさせたい習い事を併記したのが次のグラフ。項目は前者の上位陣に合わせてある。なお調査対象母集団の子供が小中学生であることから、「受験」は必然的に中学受験もしくは高校受験となる。

↑ 現在の習い事のうち入試に関係なくとも受験期に続けさせたい/受験が終わったら始めさせたい習い事(上位陣)
↑ 現在の習い事のうち入試に関係なくとも受験期に続けさせたい/受験が終わったら始めさせたい習い事(上位陣)

英語系の習い事に関しては、継続させたい・新規に習わせたいの回答率が比較的高め。今調査の公開元云々は別にしても、他の教科と比べて親子共に学校の授業だけでは不安を覚える人が多いのは理解できる。接する時間そのものを積み重ねることで、慣れさせたいとの考えもあるのだろう。また、意外(?)にも音楽・楽器は継続・新規共に希望者率が高めの値を示している。

今件調査結果には一切顔を見せていないが、今後はパソコンやインターネット関連の習い事も注目を集めるようになるかもしれない。学校の授業におけるウェイトはまだ高くは無いが、今後さらに必要性・必然性が上がるのはほぼ間違いないからだ。


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