時間の無駄か、問題解決の訓練になるか…米国でのデジタルゲームへの想い

2016/01/29 13:26

パソコンやゲーム機の技術進歩、スマートフォンの普及に伴い、多くの人が手にし時間を費やすようになった、デジタル系ゲーム。そのリアリティや即時反応性の高さから、これまでの娯楽とは桁違いの熱中度で没頭する人が多い。その実情から、デジタルゲームにはさまざまな期待が成され、同時に不安が持たれている。それら各種の心境のアメリカ合衆国の実情を、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年12月15日に発表した、デジタル系ゲームで遊ぶこととゲーマーに関する調査結果から確認していく(【発表リリース:Gaming and Gamers】)。

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今調査の調査要項は先行記事の【米成人の5割近くはゲームで遊び、1割は自分を「ゲーマー」と自覚している】を参照のこと。先行する同調査に係わる各記事にある通り、デジタル系ゲーム(パソコンだけでなく家庭用ゲーム機やスマートフォンによるものまで含む)はその魅力の高さ、熱中度の強さ、柔軟性や応用性から、さまざまな懸念が持たれ、同時に期待もされている。それら各種の思惑に関して、代表的な意見を挙げ、その内容についてどの程度の割合のゲームに該当するかを尋ねた結果が次のグラフ。

青系統が設問に対する該当派、赤系統が否定派、灰色がその他無回答。例えば「時間の無駄」では全体の26%が「多くのゲームで該当する」と答えているので、約1/4の人は多くのゲームに対し「プレイする事自体が時間の無駄となり得る」と考えていることになる。

↑ デジタル系ゲームに関する思惑(米国、2015年6月)
↑ デジタル系ゲームに関する思惑(米国、2015年6月)

割合はともあれ、デジタルゲームを時間の無駄と考えている人は6割近く。そうでは無いとする人は1/4程度。試行錯誤を繰り返すことから、問題解決のための方法論の模索や手段の創作といった技術の訓練となる、トレーニングツール的なものであると考えている人は2/3近く。ネットワークゲームで多分に実装されているチャット機能やグループ行動の仕組みを介し、集団行動や他人との交流技術の習得に役立つとする人は5割近く。テレビを観るより良いエンタテインメントと認識している人も5割近くを占めている。

「時間の無駄」はさておき、それ以外の項目の傾向を見るに、デジタルゲームに対する印象はさほど悪くない。もっとも多分にゲーム内容にもよるため、一般論としての仕切りでは「分からず・無回答」の値が一定率存在するのもまた事実。テレビや新聞、雑誌同様に、個々の媒体それぞれの内容によるところが大きいため、判断が難しいと考える人がかなりの割合で居るのも当然の話となる。

興味深いのはこれらの質問に対する回答を、デジタル系ゲームで遊んでいる人と、遊んでいない人に仕切り分けして集計した結果。大よその項目で「遊んでいる人=ゲームには好感触」「遊んでいない人=ゲームには否定的」な意見が多数を占める結果が出ている。

↑ デジタル系ゲームに関する思惑(米国、2015年6月)(回答者がデジタル系ゲームプレイヤーか否か別)
↑ デジタル系ゲームに関する思惑(米国、2015年6月)(回答者がデジタル系ゲームプレイヤーか否か別)

問題解決の技術トレーニングとして役立つ、集団行動や交流技術の習得の訓練となるといった実用面に係わる設問では、プレイヤーは過半数が肯定派なのに対し、非プレイヤーは肯定派が半数に届かない。テレビより良いか否かでは、非プレイヤーの否定派は肯定派を超える回答率を示している。もっとも非プレイヤーでも「分からず・無回答」が3割から4割を占め、実際に判断できるほどには遊んでいないので意見留保的な態度を示しているのが分かる。

他方「時間の無駄」の設問は、プレイヤー・非プレイヤーであまり違いが無い。多くのゲームで該当するか否かの点でこそ2倍近い差異が出ているが、「一部のゲームで該当」までを含めた肯定派の仕切りで見ると、差は7%ポイントに留まっている。デジタル系ゲームのプレイヤーですらも「時間の無駄かも」との認識は少なからず有している次第。この結果に複雑な心境を抱く人も少なくないだろう。


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