子供達のアトピー性皮膚炎の状況推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/01/26 11:00

大人と比べて子供達が発症しやすい疾患の一つにアトピー性皮膚炎がある。発症の要因は多種多様なものが考えられるが、特定の原因や根源から治療を行う医療方法はまだ見つかっていない。また発症した場合にはかゆみを伴うため、当事者に大きな肉体的・精神的な圧迫となる。この病症に関する子供達の発症状況を、文部科学省が2015年1月23日に発表した2014年度版の【「学校保健統計調査」】の速報値から確認していくことにする。

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まずは最新2014年度における学校種別・年齢別のアトピー性皮膚炎の者の割合。

↑ アトピー性皮膚炎被患率(2014年度)
↑ アトピー性皮膚炎被患率(2014年度)

↑ アトピー性皮膚炎被患率(2014年度)(年齢別)
↑ アトピー性皮膚炎被患率(2014年度)(年齢別)

5歳から6歳に成長すると値が有意に高まり、10歳ぐらいまでは3%強と高い値を示す。この年齢は小学校時代に該当する(大よそ6歳から12歳までが該当する)。小学校という環境がアトピー性皮膚炎を誘発するのでは無く、「小学校に進学して身体検査などを綿密に行う」「保護者の健康意識が高まる」などの理由から、アトピー性皮膚炎が”発覚する”ものと思われる(【メルクマニュアル医学百科の「アトピー性皮膚炎」】の項目によれば「この病気の人のほぼ66%が1歳までに、90%が5歳までに発症します」とある)。

中学校へ進学するにつれて値が低くなるのは、身体的な成長によるものと考えられるが(同じく医学百科では「患者の半数は思春期までに病気が治まります」とあり、身体的な成長と共に治まる言及が確認できる。また伝染性は無いため、開放的な環境下に置かれたために治癒するのではないことが分かる)、このデータだけでは確証は持てない。一方で高校生でも2%強との値は、50人に1人(2クラスに1人程度)はアトピー性皮膚炎を有しているとの実態を示していることになる。

これを男女別に見ると、一様にして女性の方が被患率は低い。

↑ アトピー性皮膚炎被患率(2014年度)(男女別)
↑ アトピー性皮膚炎被患率(2014年度)(男女別)

興味深い話ではあるが、幼稚園から高校まで、ほぼ同じ比率で、男女間では男性が女性よりも被患率が高い値との結果が出ている。原因は不明だが、中高生の場合は「女性の方が生育が早く、体力が付きやすいから」と考えることができる(その場合でも幼稚園・小学校の説明はつかない)。ホルモンの影響によるもの、あるいは遺伝子レベルでの男女の差異によるものという説もあるが、まだ類推の域を出ていない。この状況は喘息でも確認されており、因果関係はともあれ相関関係のある事象として、同じ要因が一因として想定されるとの点で、注目すべき動向に違いない。

最後に経年推移。アトピー性皮膚炎に関する調査は2006年度から実施されているので、それ以降の値による生成となる。

↑ アトピー性皮膚炎被患率推移
↑ アトピー性皮膚炎被患率推移

いくぶんの起伏、順位の変動はあるが、概してアトピー性皮膚炎の被患率は減少傾向にある。特に幼稚園児の減少傾向は顕著なもの(人数では無く率なので、子供の人数そのものの減少とは何ら関係が無いことに注意)。数字動向だけではその原因をたどることはかなわないが、上記の通り原因こそ今なお不明ではあるものの、関連性を有する事象は多数確認されており、対策などが講じられているのも減少の一因だろう。

冒頭でも触れているが、アトピー性皮膚炎は見た目、そしてかゆみという病症も合わせ、子供にとっては精神的・肉体的な負担となる。また対処療法においても負担は大きい。理不尽さを覚えることも多いだろう。周囲の人においては、十分以上の配慮を願いたいものである。


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