2014年でもっとも人気のある、そして危険なパスワードは「123456」

2015/01/21 16:00

主にスマートフォン向けにパスワード管理をはじめとしたさまざまなアプリケーションやサービスを提供しているアメリカの【SplashData】は2015年1月20日、モバイル端末、パソコン(Mac OSやWindows)を用いたインターネット上で良く使われる25のパスワードを発表した。その内容によれば、もっとも多くの人が使用している、見方を変えればもっとも危険なパスワードは「123456」だった。次いで「password」「12345」が続いている。SplashDataでは今回リストアップされた汎用性(=リスク)の高いパスワードを使っている場合は、可及的速やかに変更すべきであると推奨している(【発表リリース:「123456」Maintains the Top Spot on SplashData's Annual 「Worst Passwords」 List】)。

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ツートップは変わらず「123456」と「password」


SplashDataでは毎年、ハッキングなどを受けてインターネット上に公開されてしまった数多くのデータファイル(パスワードなど)を収集し、その統計データを基に汎用性の高い、つまりは多くの人が共通して使っておりリスクの高いパスワードのランキングを発表している(2014年にはロシアから数百万件ものパスワード漏洩が確認されているが、今回の分析には含まれていない。SplashDataの顧客(期待)層には、ロシア語を用いたパスワード入力の機会を持つ人がほとんどいないからだと思われる)。今回発表された2014年におけるランキングでは、前年2013年分に続き、「123456」が最上位につくこととなった。次いで「password」が続いている。以下上位25位までを使われている順位で列挙すると次の通りとなる。

123456
password
12345
12345678
qwerty
123456789
1234
baseball
dragon
football
1234567
monkey
letmein
abc123
111111
mustang
access
shadow
master
michael
superman
696969
123123
batman
trustno1

前年2013年分においては、それまでトップについていた「password」から「123456」への交代劇が最大のハイライトであった。これは【190万人がパスワードに「123456」を使用、アドビの情報流出で判明】で紹介した通り、アメリカのAdobe Systemによるユーザー情報流出問題による影響が大きい。今回年もまたトップと第2位の立ち位置は継続している。もっともSplashDataがパスワードに関するランキングの精査内容の公開を始めた2011年分以降、「password」と「123456」が上位2位に位置している状況に変わりはない。他方、「photoshop」をはじめとするアドビ社製品に直接係わりのある固有名詞は上位陣から抜けており、大きな順位変動が生じる結果となった。

一方、容易に想像が付く文字列が多数が使われている状況に変わりは無い。例えばキーボードの並びでそのまま文字を打ち込んでいく数字の羅列や「qwerty」(キーボードの配列で左上の列の左端から一文字ずつ打つとこの並びになる)、シンプルで誰もが知っている言い回しや単語、それらの組み合わせ、例えば「superman」「baseball」などが名を連ねている。「これなら分かりやすいし、他に使っている人もいないだろう」という目論見なのかもしれないが、「trustno1」(「もっとも信頼できる」)も今なお大いに使われているあたり、考えることは皆同じであることを再認識させられる。

SplashDataのCEOであるMorgan Slain氏は今回の結果に関して、「数字のみの羅列によるパスワードは絶対に避けるべき」「パスワードを要求するサービスでは、より長い、さらには数字と文字列の組合せによる入力を求めるようになりつつあるが、それでもなお安心することはできない」「スポーツ名やプロスポーツのチーム名は汎用性が高いので使わない」「誕生日関連の数字、子供の名前に人気のある名詞は使うべきではない」「趣味名や著名スポーツ選手名、自動車のブランドや映画名も使わうべきではない」「25位より下のランキングも合わせ、昨年のパスワード上位陣とさほど顔ぶれが変わらないのは憂慮すべき事態である。他方、これら上位陣のパスワードの数量的な使用状況は、全体から比べると減少しているように見える。これはパスワードの内容が分散していることを意味し、良い知らせである」とコメントしている。

より安全なパスワードのために


SplashDataでは今回の結果を受け、より安全性の高い状態でパスワードを用いるため、リストアップされた汎用性の高いパスワードの使用を避けるのはもちろん、「複数の様式(数字、アルファベット)を組み合わせた8文字以上のパスワードを使う」「複数のサービスで同じユーザー名とパスワードの組合せを使わない」「パスワード管理用のソフトを用いる、さらにはランダムなパスワードを生成して自動ログインするようなツールを活用する」の方策を挙げている。

とりわけ「複数のサービスで同じユーザー名とパスワードの組合せを使わない」は重要。これは仮に一つのサービスでハッキングの被害を受けると、他のサービスでもその組み合わせを使われて被害が拡大する可能性が生じるからである。この手法によるハッキングの事を「リスト型アカウントハッキング」と呼んでいるが、昨今生じているアカウント乗っ取り事案においては、この手法によるものが多分に推測される状況が確認されており、大いに気を付けるべき話。

ランダムな文字列の集合体、例えば「j%7K&yPx$」「1ey89%xo」のようなものを用いるのも一つの手。しかしこれでは、安全性が高くとも、使用者本人も覚えにくく使いづらい。そこで覚えやすく、かつ他からは類推されにくい方法として、普通の会話では使われない複数の単語の無意味な組み合わせによる手法もある。例えば「cakes years birthday」「smiles_light_skip?」などである(あるいは他人が絶対知りえない、本人だけの情報を元にしてもよいだろう)。

パスワードの入力は概して半角文字によるものなので、日本の事例でも、日本語の全角文字、例えば「パスワード」「暗号ナンバー」といった文字列が使われることは無く、今件のリストの上位陣にあるような数字や文字の羅列、簡単な英単語の組み合わせが多分に使われているものと考えられる。あるいは「angou」「hirakegoma」のようなローマ字による単語も多用されているかもしれない。

いずれにせよ、第三者から容易に類推される文字列が、パスワードとして不適格であることに違いは無い。今件リスト内に該当するものがある人はもちろん、そうでなくとも指摘内容に思い当たる節がある人(特に同じユーザー名とパスワードの組合せを複数サービスで使っている人)は、可及的速やかに変更をすることをお勧めしたい。


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