漸減していく日数…入院患者の在院日数推移をグラフ化してみる(最新)

2019/03/20 05:09

2019-0310一度の治療で済むような軽度の、あるいは通院による治療で済む程度の病症ならまだしも、手術などが必要な状態にまで悪化していたり、絶え間ない健康管理、投薬が必要な場合、そして自然治癒力の低下が生じており状況が悪化した場合には医師らによる即時対応が可能な、良好な環境下における回復を待たねばならない時は、入院を余儀なくされる。この入院日数も医療技術の進歩とともに、同じ病症でも昔と比べて今は随分と減っているとの話。今回は厚生労働省が定点観測的に実施している患者調査の最新版公開資料を基に、入院していた人の平均入院日数の動向を確認していくことにする(【発表リリース:患者調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事の【入院患者・外来患者の医療機関種類・年齢階層別人数をグラフ化してみる(最新)】を参照のこと。

次に示すのは調査対象年の9月1日から30日の1か月の間に退院した人における、平均的な在院日数の推移。病症や対象となった退院患者の年齢などは一切区分せず、単純に退院した人全体の平均値。

↑ 退院患者の平均在院日数(該当年9月に退院した患者対象、施設種類別、日)
↑ 退院患者の平均在院日数(該当年9月に退院した患者対象、施設種類別、日)

一般診療所ではややぶれが生じているが、おおよそ在院日数は減少の動きを示している。この30年間で大体3割ほど減少した形となる。もっとも人口構成比やそれに連なる入院患者における人口構成比で、長期入院が必要となる高齢者の比率が増加していることから、(高齢者に限った平均在院日数が減少しても)今後は全体としての平均値の減り方は緩やかになると思われる。

また一般診療所よりも病院の方が、在院日数は長い。これは長期入院が必要となる重度の病症は、一般診療所では治療がしにくいのがおおよその理由となる。

これを年齢階層別に見たのが次以降のグラフ。まずは病院。

↑ 退院患者の平均在院日数(病院、各年9月に退院した患者対象、年齢階層別・施設種類別、日)
↑ 退院患者の平均在院日数(病院、各年9月に退院した患者対象、年齢階層別・施設種類別、日)

34歳までの若年層は、その層で発症しうる病気やケガにおける治療に必要な日数の短縮がほぼ上限に達しているようで、今世紀に入ってからは日数は横ばい。一方、35歳以上は直近に至るまで短縮の一途をたどっている。1984年から30年で、ほぼ半分にまで期間は短縮されている。長期入院は患者の心身、そして経済面への負担となることから、同じ治療効果が期待できるのであれば、在院日数は短い方がよい。

続いて一般診療所。

↑ 退院患者の平均在院日数(一般診療所、各年9月に退院した患者対象、年齢階層別・施設種類別、日)
↑ 退院患者の平均在院日数(一般診療所、各年9月に退院した患者対象、年齢階層別・施設種類別、日)

上記説明の通り、病院と比べて重度の患者の長期治療体制を整えることが難しいため、病院よりも一般診療所の在院日数は短めとなっている。短縮化は病院同様。

なお2017年において前回調査比で14歳以下の値が増加しているが、詳細データの限りでは「精神および行動の障害」の病症分類での大幅な増加が確認できる。具体的には「統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害」「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」などが該当する。

もっとも精神科の医療施設が増加していることや、この方面での社会一般の理解が深まり通院・入院措置を必要とするものだとの認識が、対象者やその家族に増えてきた実情も併せ考えると、単純に14歳以下において「精神および行動の障害」の病症比率が増加していると判断するよりは、認識率が高まっていると解釈した方が妥当かもしれない。



長期入院の場合は短期の一時退院が許されることもあるが、原則は入院したら退院まで病院の外で長期間の行動をすることはかなわず、院内のみで行動を制限されることになる。昔と異なり現在ではインターネットの利用許可をする医療施設も増えているため、退屈しのぎの手段は随分と増えたが、それでも行動の束縛著しい在院そのものの長期化を望む人は多くない。

さらなる医療技術の進歩による、在院期間の一層の圧縮化を願いたいものだ。


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