全体では100人に1人、歳上ほど入院患者率は増加…年齢階層別の入院・外来率をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/01/19 05:17

医療技術の進歩に伴い、多種多様な病症への対処法が具体的な治療法として確立され、医療施設で受療可能となり、多くの人が病院へ足を運び、治療あるいは入院する機会を得られるようになった。また高齢化に伴い老化に伴う病症の増加もあり、入院・通院(外来)患者も歳を召した人が増えている。今回は厚生労働省が定点観測的に実施している患者調査の最新版公開資料を基に、日本の入院・通院患者数の「対人口比」における、入院・外来受療率を確認していく。各年齢階層の人口の大小に左右されることなく、純粋な各層の動向を推し量れる次第である(【発表リリース:患者調査】)。

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高齢者ほど高い受療率


今調査の調査要項は先行記事の【入院患者・通院患者の医療機関種類・年齢階層別人数をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を参照のこと。

早速だが次に示すのは、年齢階層別の入院・外来の受療率。例えば1歳から4歳の入院受療率は170とあるので、1歳から4歳までの子供10万人に対し、該当日には170人が入院していた計算になる。対人口比は0.17%。589人に1人が入院中。

↑ 年齢階層別入院受療率(各階層人口10万人対)(2014年10月)
↑ 年齢階層別入院受療率(各階層人口10万人対)(2014年10月)

↑ 年齢階層別外来受療率(各階層人口10万人対)(2014年10月)
↑ 年齢階層別外来受療率(各階層人口10万人対)(2014年10月)

先行記事の通り、入院受療数よりも外来受療数の方が桁違いに多い。そして入院はゼロ歳以外はほぼ年齢階層の上昇と共に値が増えていく。興味深いことに、絶対数では大きな段差が見られた60歳前半と50歳後半との間もほぼスムーズな流れを示している。これは元々の人口において、60歳前半が多分に及んでいた事を意味する(いわゆる「団塊の世代」である)。

とはいえ60歳以降になると上昇率はやや累乗的なカーブを描くようになり、老化による病症の悪化や発症で入院を余儀なくされる事例が増えていくのが分かる。70代も後半になると10万人に2635人が入院。大よそ2.6%、70代後半の38人に一人は入院している計算になる。

他方外来受療率は絶対数同様、ゼロ歳から10代前半まではやや多めで、10代後半が最小。その後はじわりと増加するが、増加が急ピッチになるのは40代後半から。「四十肩」なる言葉が思い返される。

対10万人対が1万人を超えるのは70代前半。70代前半では10人に1人以上が通院している計算となる。そして70代後半から80代前半がピークであとは多少値を減らしていくが、これは通院するような軽度の病症に陥る可能性が減ることを意味する。子供や成人ならちょっとの怪我で済むような事案でも、高齢者では大事に陥ることも多い。

経年変化をたどる


続いて過去の調査結果を合わせ、状況の推移を確認していく。まずは全体的な受療率推移。人口の増減には左右されないことに注意。

↑ 年齢階層別・受療率推移(人口10万人対)
↑ 年齢階層別・受療率推移(人口10万人対)

入院率は1990年をピークに、少しずつではあるが減少。先行記事でも触れているが、医療技術の進歩に伴い、入院しなくても済む、入院が必要にしても日数が少なくて済むようになったからに他ならない。他方、外来(通院)受療率は横ばいで、むしろ今世紀に入ってからは増加の動きすら示している。これは前項目の通り、高い外来受療率を示す高齢者の総人口比が増加したからに他ならない。また以前は入院が不可欠だった治療も、外来で済むようになった治療もあるだろう。

これを主要年齢階層別に仕切り分けしたのが次のグラフ。

↑ 年齢階層別・入院受療率推移(人口10万人対)
↑ 年齢階層別・入院受療率推移(人口10万人対)

↑ 年齢階層別・外来受療率推移(人口10万人対)
↑ 年齢階層別・外来受療率推移(人口10万人対)

驚くかもしれないが、実のところ高齢者においてですら、入院・外来受療率は漸減している。先行記事で高齢層の外来・通院者数が漸増しているとしたが、それはその階層の総人口数が増加しているからに他ならない。100人の1%は1人に過ぎなくとも、1万人の1%は100人にもなる。

他方、やや気になる動きとしては、14歳までの子供においては、今世紀に入ってから外来受療率増加の動きが見えている。これは多様な可能性が考えられるが、喘息やアレルギーのように経年変化で増加している病症の治療を受ける人が増えてきたこと、過去においては病院に通うまでも無いとしていた病症に対しても保護者の意識変化により通院させるようになったことなどが考えられる。

無論入院率は14歳までの子供でも減退しているため、単純に脆弱化したわけではないことは言うまでもあるまい。


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