入院患者・通院患者の医療機関種類・年齢階層別人数をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/01/18 11:24

人口構成の高齢化や医学技術の進歩に伴い、これまで以上に医療機関への注目が集まる昨今。周囲を見渡しても、自分自身も含め多数の人が入院経験を有する、あるいは現状でも何らかの病症を抱えて通院している。今回は厚生労働省が定点観測的に実施している患者調査の最新版公開資料を基に、日本の入院・通院患者数の現状や動向を確認していくことにする(【発表リリース:患者調査】)。

スポンサードリンク


入院患者数は約130万人、通院患者数は720万人強


今調査の直近分は2014年10月21日から23日のうち、病院毎に指定した1日(診療所は10月21日・22日・24日のうち指定した1日)において、各状況を確認したもの。歯科診療所(いわゆる歯医者さん)は外来のみの調査となっている。患者数は調査日当日の該当人数(抽出調査のため統計値は推計)、退院患者(の在院日数)は同年9月に退院した患者の平均値となる。なお2011年分は震災の影響で宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏及び福島県が未調査のため、それらの地域の統計値は未反映となっている。

まず最初に示すのは、特定日の患者数。入院患者は約130万人、通院患者は720万人強。入院患者は当然病院が多分を占めているが、通院患者は一般診療所の方が多い。それぞれの医療施設の規模や役割を考えれば、当然の結果ではあるが、数字として具体的にその裏付けが確認できる。

↑ 施設種類別推計患者数(2014年10月、特定日)(万人)
↑ 施設種類別推計患者数(2014年10月、特定日)(万人)

この詳細を次以降に見ていく。まずは入院患者の年齢階層別。

↑ 施設種類別推計入院患者数(万人)(2014年10月)(年齢階層、施設種類別)
↑ 施設種類別推計入院患者数(万人)(2014年10月)(年齢階層、施設種類別)

ほぼきれいな形で歳を経るに連れて入院患者数は増えていく。年齢の仕切りは5歳単位であることから、単なる人口数の比率以上に、高齢ほど入院機会が多くなることが分かる。特に60歳を超えた時点で一段階大きく増加を示すのは、老化による上昇の他に、退職した上での緊張感からの離脱や、退職後に時間が採れたことを受けて精密検査を受け、結果として入院による治療を行う事例などがあるのだろう。

ピークは80歳後半。それ以降は減少していくが、90歳以上に限定しても14万人強もの入院患者がいる。

↑ 施設種類別推計通院患者数(万人)(2014年10月)(年齢階層、施設種類別)
↑ 施設種類別推計通院患者数(万人)(2014年10月)(年齢階層、施設種類別)

入院と比べ通院の場合はハードルが低いことに加え、歯科診療所の値も加わるため、入院患者と比べて数倍の値となる。また、病院よりも一般診療所の方が数は多い。役割分担がそれなりに行われている証拠でもある。

年齢階層別の数の動向を見ると、14歳までの年少児における通院患者数が意外に多い。大人として相応の体力を持つまでには医学の力によるサポートが欠かせないことの証でもある。15歳から19歳を底値として、それ以降は再び上昇し、60歳から65歳で1段階値が跳ねるのは、入院患者数動向と同じ。ただしピークは70歳から74歳で、入院患者数と比べるといくぶん若い。高齢となると通院そのものも難しくなる事例が増えてくる結果ではある。

減る入院患者数、数も比率も増える高齢層


続いて経年変化で入院・通院患者の動向を確認する。まずは入院患者数。なお今件では年齢不詳の値は除外しているため、合計値は前項目のそれとは一致しない。

↑ 年齢階層別・入院患者推移(万人)
↑ 年齢階層別・入院患者推移(万人)

↑ 年齢階層別・入院患者推移(比率)
↑ 年齢階層別・入院患者推移(比率)

入院患者数は漸減中。これは医療技術の進歩により、入院が必要な場合でもその期間の短縮化が進んでいるからに他ならない。「日帰り手術」などという、前世紀では想像もできなかったタイプの手術も珍しいものではなくなった。

他方、紫の色の動向を見れば分かる通り、高齢者に限れば入院患者数はむしろ増減し、結果として全患者数に対する比率も増加中。高齢者人口そのものの増加だけでなく、高齢者の中でもより歳を取った人の数・割合が増えるのと共に、病院における入院に頼る傾向が強くなった(医療施設と介護施設の仕切り分けが難しくなった)状況も多分に反映されている。直近2014年では、入院患者の7割強が65歳以上で占められている。一番古いデータとなる30年前の1984年と比べると、数・比率共に大よそ倍増している次第。

↑ 年齢階層別・通院患者推移(万人)
↑ 年齢階層別・通院患者推移(万人)

↑ 年齢階層別・通院患者推移(比率)
↑ 年齢階層別・通院患者推移(比率)

通院患者は漸増のあと、今世紀に入ってからは横ばい。医療技術の進歩は従来入院が必要だった治療が通院で済むようになった部分も多々あるため、総患者数は減退までには至らない。また年齢階層別の動向も、割合そのものは大きく異なるが、若年・中堅層が減少する一方で、高齢者が増える状況は変わりがない。高齢者の通院者数・率は30年でほぼ倍増。直近の2014年では通院患者のほぼ半数が65歳以上で占められている。



やや余談となるが、65歳以上、75歳以上にそれぞれ仕切り分けした上で、医療機関種類別の入院・通院患者数をカウントした結果が次のグラフ。

↑ 年齢階層別・施設種類別推計患者数(万人)(2014年10月)(65歳以上、施設種類別)
↑ 年齢階層別・施設種類別推計患者数(万人)(2014年10月)(65歳以上、施設種類別)

65歳以上に限定すれば94万人が、75歳以上でも67万人が入院中。そして351万人、190万人が通院中。今後この数はさらに増えることが予想される。医療機関のオーバーワークや、他世代への医療リソースの分配との兼ね合わせも合わせ、多様な対応が求められよう。


■関連記事:
【医師数の変化をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【増える精神科・減る産婦人科や小児科、外科…医療施設の数などをグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【健康意識は高いが…日本と諸外国における高齢者の医療サービス利用状況をグラフ化してみる(高齢社会白書:2015年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー