日本人は不用心? 国ごとで大きく異なるネット上の行動性向

2016/01/27 11:02

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あまりにも短時間で技術進歩が成されたことから、インターネットの利用に関する様々な常識や必要不可欠な決まり事、エチケットの類は、他の一般的な生活様式と比べて普及浸透していない感はある。最近になってようやく義務教育でもインターネット上の注意事項に係わる啓蒙が行われるようになったものの、質・量ともに不十分な感は否めない。今回はアドビが2015年12月18日に発表した、消費者のコンテンツに関する意識調査「The State of Content : Rules of Engagement」の結果を元に、世界各国の消費者における、インターネット上の行動性向の違いを確認していくことにする(【発表リリース:アドビ、消費者のコンテンツに関する意識調査の結果を発表】)。


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今調査の調査要項は先行記事【ネット上の情報元、「キレイ」と「シンプル」どちらを選ぶ?】を参照のこと。

次に示すのはインターネットを使って行う様々な行動の際に、セキュリティ・プライバシーに係わることを中心に、注意すべきことや、ついしてしまいがちなスタイルに関して、自分が行っているか否かを示したもの。例えば「自分が投稿する内容が正しいか確認」では42%と出ているので、今調査対象母集団全体の4割強は、掲示板やソーシャルメディアなどに投稿をする際、その内容が正しいものか否か推敲した上で投稿すると自認していることになる。頻度に関する言及は無いが、実質的に普段しているかを問われたものと見て良い。

↑ オンライン上で次の行為をしているか(2015年9月)
↑ オンライン上で次の行為をしているか(2015年9月)

投稿前に再確認を行う人は全体では4割強。写真に関するチェックは3割。倫理的に問題となるものを撮ってしまった可能性の他に、場所を特定してしまうもの、第三者のプライバシーに係わるものの映り込みの可能性もあるため、写真のアップロードはより慎重になる必要があるのだが、実際には3割程度しか確認する人はいない。他人と共有の端末を用いる際に、自分の履歴を隠す人は2割。隠す必要があるものを閲覧しなければ良いのだが、人はそこまで聖人となれるはずも無く。

親しい間柄の人とのチャットの中で、流行言葉や絵文字(、アスキーアート)だけで意思疎通をすることがある人は15%。ふと思い返しをすれば、同意を示す人も結構いるはずだ。LINEのスタンプのような、画像による意思表示機能が充実しているツールを多用していれば、誰もが一度や二度ならず経験した事があるに違いない。

インターネットの過度の利用で周囲に小言をいわれたり、それを避けるために虚偽申告をする人もそれなりに居る。また、ウソ・偽りであることを知った上で、そのデマ・ガセネタの拡散に手を貸してしまう人も少なくない。この辺りの事情は日本だけに限った話ではない。

今件を国別に仕切り分けした結果が次のグラフ。



↑ オンライン上で次の行為をしているか(国別、2015年9月)
↑ オンライン上で次の行為をしているか(国別、2015年9月)

他の国際的なインターネット関連の調査結果でもよく現れている傾向だが、フランスはアメリカ合衆国同様に、自己表現に係わる意識が強く、関連する事項でも高めの値が出ている。他方、写真投稿の際のチェックでは、フランスは他国と比べて低めの値が出ており、色々とトラブルが生じそうな雰囲気ではある。

また日本は他の調査項目同様、一段と値が低い。今項目ではポジティブ・ネガティブ双方の質問が行われているため、単にどちらかに偏っているわけでは無く、全般的にインターネット上の行動に対して消極的で、自己意識をしっかりと有した上で行動している人が少ない感はある。それにしても「自分が投稿する内容が正しいか確認」で17%、「自分が投稿する写真が適切か確認」では14%しかいないのは、少々どころか多分に心配になるのは、当方だけではあるまい。


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