郵政三社は関心銘柄上位には顔を見せず…野村證券、2015年12月分の個人投資家動向発表

2015/12/18 11:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年12月17日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年11月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形で上昇し、53.4を示すこととなった。株価の先行きに関しては「中規模な上昇」を見込む意見が先月と比べ大きく減少し、代わりに「小規模な上昇」の意見が大きく増えており、天井感を覚える動向を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年12月7日から12月8日に行われたもので、男女比は82.5対17.5。年齢層は60代以上がもっとも多く35.6%、次いで50代が32.6%、40代が23.4%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く30.8%、5000万円以上が16.5%、3000-5000万円が14.3%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が最高比率で34.3%、次いで10-20年未満が34.1%、5年から10年未満が22.9%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で46.2%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が26.0%と1/4強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は53.4ポイント。前回からは1.6ポイントの上昇。前月の上昇から継続する方向性の動き。この時期、日経平均株価は前月比で1000円強の上昇を示していたが、さらなる上昇を予想する人は前回月と比べると増えている。勢いを感じているのだろう。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で76.7%。前月分の75.9%からは0.8%ポイントの上昇。こちらも投資指数同様に小さい幅ではあるが増加している。「1000円程度上昇」の回答率が前月から大きく増え、ほぼ同じ分が「2000円程度上昇」「1000円程度上昇」の減少分として分散する形で表れている。一方、減少予想領域はほとんど変化ナシ。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示した。「為替動向」は前月比で2.1%ポイントの上昇。

・魅力的な業種は「医薬品」「自動車」「金融」「資本財・その他」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「通信」「運輸・公共」「消費」「電気機器・精密機器」「素材」はマイナス圏。

・ドル円相場に対する見通しは大きな変化はないものの、「円安ドル高」派が減り、「円高ドル安」派が増えている。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はマイナス46.8をつけている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値では「国内株式」がやや大きめな増加を計上している。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
3位……武田薬品工業(4502)
4位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
5位……ソフトバンクグループ(9984)

鉄板のトヨタ自動車は別として、武田薬品工業も先月から続く上位入り。また大手銀行グループの健闘ぶりも目に留まる。上位常連のイオン(8267)は今回第6位、ソニー(6758)は第8位となっている。もっとも第2位のみずほは回答数が30でしかなく、数票で順位変動が生じるほどの僅差にあるため、実質的にはトップのトヨタ(104票)以外は、2ケタの票を取得した銘柄に関してはほぼ横並びと見た方が良いかもしれない。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月では最上位は日本郵政で第10位に留まっている。安定感の強さが株価の強さの源ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。今後時間の経過と共に、じわりと注目度を高めていくのか、それとも他の銘柄に埋もれてしまうのか。注意を払いたいところだ。



中東からヨーロッパにかけての国際情勢の不安定感は相変わらず。今後はこれまで以上に「国際情勢」の値が再び上昇していく可能性は多分にある。一方で東南アジア方面も情勢的には不安定感は否めず、何らかのきっかけで大きな動きが生じる可能性は少なからず存在する。また、アメリカの利上げが確定したものの、今後の動きは緩やかなものとなることも合わせて言及されたため、相場への安心感が浸透したのは幸い。もっとも来年は大統領選挙のため、それに絡んだ波瀾が生じる可能性は否定できない。

日経平均株価の動向としては、夏の中国懸念で2万円を割り込んでからは、少しずつ回復を見せているものの、大きな戻しにはまだ遠い。例年ならば年末にかけてそれなりの株価上昇を示すことになるのだが、今年は夏の急落もあってか、その勢いは弱い。日経平均株価が目安となる2万円台へ手が届けば、雰囲気も随分と変わるのだが。


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