「これあやしくない?」ネット上のコンテンツに懐疑的な消費者たち

2016/01/18 14:31

昨今スポットライトを浴びているインターネット界隈の問題の一つにステマ(ステルスマーケティング)がある。これは第三者のふりをした関係者、あるいは関係者の意向に従った者による、第三者としての肯定的な意見や感想、評価を書き連ねることで、世間全般がその商品やサービスを幅広く支持しているように演出する手法。やらせ、サクラなどのようなものだが、これが対価を伴い組織的に行われ、さらにその演出が無い前提の場にもそのまま転送されたことで、直接は関係の無いコミュニティやサイトの信頼性までもが損なわれる事態も発生している。このような事態が生じると、インターネット上のコンテンツ全体の信ぴょう性への信頼感が損なわれる懸念も生じてしまう。今回はアドビが2015年12月18日に発表した、消費者のコンテンツに関する意識調査「The State of Content : Rules of Engagement」の結果を元に、世界各国の消費者における、インターネット上のコンテンツに関する「信ぴょう性を疑う」要素について見ていくことにする(【発表リリース:アドビ、消費者のコンテンツに関する意識調査の結果を発表】)。

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今調査の調査要項は先行記事【ネット上の情報元、「キレイ」と「シンプル」どちらを選ぶ?】を参照のこと。

次に示すのは各国の消費者がインターネット上の各コンテンツに関して挙げられた要素を見つけた時、そのコンテンツへの信ぴょう性を疑うと感じた人の割合。例えば「広告内の写真に加工がある」でイギリスは56%とあるので、イギリスの消費者の56%はインターネット上の広告内に使われている写真に、改ざんの跡を見つけた場合、その広告も含めたコンテンツ自身に疑いを抱くと考えていることになる。

↑ 次のようなネット上コンテンツを見た時に、その内容の信ぴょう性に疑問を抱くか(抱く人、2015年9月)
↑ 次のようなネット上コンテンツを見た時に、その内容の信ぴょう性に疑問を抱くか(抱く人、2015年9月)

「広告内写真に加工がある」場合に疑いを持つ人は52%、「サイト運営側などに好ましくないコメントなどが成された場合、それが削除されている」は50%、「対価付きで肯定的な評価、いわゆるサクラ・やらせ的な施策が成されている」は49%、「掲載されているニュース記事の内容が偏向したものとなっている」は48%が「掲載されている内容は確からしさの上で疑問がある」と考えることになる。「ニュース内容の正当性が疑わしい」は42%とやや落ちるが、それでも4割強が正当性の点で疑わしいことが分かった場合、コンテンツそのものを信じて良いか首を傾げてしまう。

これらの設問は特に範囲を設けていないが、例えば新聞掲載中の1つの記事でウソの内容が書かれていることが分かれば、その新聞全体を疑いかねない。「ウソが生じた行程は果たしてこの記事だけだろうか。他の記事でも同じような行程で記事が書かれたかもしれず、同じようなウソが混じっているかもしれない」「さらに過去の記事でも似たようなウソが書かれている可能性は十分にある」と考えるのは当然の話。冒頭で触れた「故意に良い評価をした内容の記事が、元々そのような演出が無い前提の場にもそのまま転送されたことで、直接は関係の無い場所の信頼性までもが損なわれる事態」とは、まさにその事を指す。

国別の動向を見ると、大よそ相対的な立ち位置は変わらず、アメリカ合衆国が一番この類の問題には敏感な反応を示している。次いでフランスやオーストラリアが続き、イギリスやドイツはやや低めだが、イギリスは「ニュース内容に偏りがある」は幾分強めな反応を示している。

そして日本は他国と大きく異なり、これらの問題に対して寛容な姿勢を示している。写真の加工ですら3割に届かない。むしろ「ニュース内容に偏りがある」の方が敏感に反応しているが、それでもようやく3割。

日本が他国と比べ、インターネット上のコンテンツに対してあまり不信感、疑念を抱かない性質に関する説明は、今報告書では成されていない。寛容なのか無頓着なのか、それとも単に慣れているのか、あるいはまだ経験が浅いのか。もっとも他の調査項目を見ると、多くの設問で他国と比べてインターネット上の情報へ信ぴょう性が低い結果が出ていることから、多分に醒めた目で状況を眺め、判断しているのかもしれない。つまり元々さほど信じていないのだから、仮に演出が発覚してても、さらに信ぴょう性が下がることは無い、との解釈である。


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