89%は他の端末を選ぶか読むのを止める…読む時のストレスは読者をコンテンツから遠ざけてしまう

2016/01/15 12:43

紙媒体と異なりインターネット上で取得できる情報の類は、読み手の端末や環境次第で、表示されるまでの待ち時間や表示の際のデザインなどの問題が発生しうる。発信側は最適の情報を流したつもりでも、受け手側がその思惑通りに取得できるとは限らず、受け手の関心が離れてしまうこともある。今回はアドビが2015年12月18日に発表した、消費者のコンテンツに関する意識調査「The State of Content : Rules of Engagement」の結果を元に、世界各国におけるネット上の情報取得の際のストレスへの対応傾向を確認していくことにする。

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今調査の調査要項は先行記事【ネット上の情報元、「キレイ」と「シンプル」どちらを選ぶ?】を参照のこと。

次に示すのはインターネット上で情報を取得する際に、対象となるサービスにおいて、情報が長文に過ぎたり、ロードに時間がかかるなどのストレスを感じさせる事態が発生した場合、使用する端末を変えるか、見る事自体を止めるなど、行動を変えると回答した人の割合。大よそ9割の人が自分のストレスには素直に反応し、対応を変えると答えている。

↑ ネット上の情報取得の際に、対象が長すぎたりロードに時間がかかったり表示スタイルが最適化されていないなどの問題があった場合、対象を見る端末の種類を変えるか、見る事自体を止めてしまう(2015年9月)
↑ ネット上の情報取得の際に、対象が長すぎたりロードに時間がかかったり表示スタイルが最適化されていないなどの問題があった場合、対象を見る端末の種類を変えるか、見る事自体を止めてしまう(2015年9月)

日本がやや低め、つまり相対的に他国と比べて情報取得の際のストレスにも我慢する傾向があるのが気になるが、ネット上の情報取得に係わるストレス耐性は世界的にさほど無いように見える。

このストレスの具体的事象毎の傾向を記したのが次のグラフ。残念ながら世界全体の平均値しか公開されていないが、大よそ納得できる結果ではある。

↑ ネット上の情報取得の際に問題が生じた場合、どのような判断をするか(2015年9月、全体)
↑ ネット上の情報取得の際に問題が生じた場合、どのような判断をするか(2015年9月、全体)

具体的には下2つの選択肢が該当する、端末そのものの性能が原因であると思われるストレスに対しては、多くの人が他の端末での閲覧にシフトする。とはいえそれでも1割強から3割は閲覧そのものを止めてしまう。他方、情報そのものが過剰であったり、読み込みまでに時間がかかる場合、4割もの人が読むのを止めてしまう。他の端末でチャレンジする人は3割前後でしかない。もしこの情報取得がはじめての機会だとしたら、該当者は二度と同じ場所を来訪しないかもしれない。一期一会を大切にする必要があるのは、何も対人関係に限らない。

「情報取得の際のストレス」を嫌うのは、情報量が増加して、一つ一つの情報をくまなく精査するのが難しくなったことが大きな要因。いわゆる「つまみ食い」的な情報取得が好まれる時代とも表現できるが、そのつまみ食い的情報取得の現状を推し量れるのが次のグラフ。

情報取得・確認に短時間しか割けないとしたら、どのような取得スタイルを取るかについて聞いたものだが、速報に関しては文章よりも動画を好む人が6割近くに達している。

↑ 情報確認に1日15分しか割けないとしたらどちらを選択するか(2015年9月)
↑ 情報確認に1日15分しか割けないとしたらどちらを選択するか(2015年9月)

文章よりも画像、画像よりも動画の方が情報そのものの取得ハードルは低く、印象的な内容の取得がし易いことは良く知られた話(取得できる量・濃度はまた別の話)。テレビが大いに好まれるのも、ひとえにこれが主要因。ただし日本では他国と異なり、35%しか同意者が居ないのが興味深い。文章による速報情報の取得に慣れているのだろうか(従来型携帯電話の普及期間が長く、動画視聴が容易なスマートフォンの浸透が他国と比べて立ち遅れているのも一因かもしれない)。

長文の記事よりも、世間で話題に登っているテーマにスポットを当てた短文の記事をたくさん読むスタイルを好む人は63%。大よそ6割の人が選択している。電車のつり革広告的、あるいはキュレーションサービス、バイラルメディア的なものが好まれるのも、この需要に合ったところが大きい。

特に日本では他国からずば抜けて8割近い人が、長文よりも多様な短文を好む傾向を有している。日本における情報系サイト、サービスの現状を認識、分析する上で、色々と考えさせられる値には違いない。


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