年賀葉書の発行枚数などをグラフ化してみる(2015年)

2015/09/01 14:00

以前掲載した解説記事【少しずつ、確実に減る「ハガキの年賀状」利用者】の通り、年賀葉書の利用状況は少しずつだが確実に減少を続けている。人口の減少、他人との付き合い方の変化、慣習に対する姿勢の移り変わり、核家族化など多種多様な理由が考えられるが、やはりインターネットとソーシャルメディアの普及によるところが大きいと見て間違いはない。それでは具体的に、日本郵便(かつては郵政公社)が発行している、年賀郵便用の年賀葉書(はがき)の発行部数はどのような変化を見せているのだろうか。今回はその動向をまとめることにした。

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初年は1949年・1.8億枚、ピークは2003年の44.6億枚


日本の郵便行政における年賀葉書の発行は戦後、1949年発行・1950年用のものが初めて(年賀郵便用の年賀切手は戦前から発行されていた)。その当時の発行部数は1億8000万枚。以後日本の経済復興、人口の増加に伴い枚数を漸増させながら、1964年には10億枚、1973年には20億枚を超える。その動向をまとめたのが次のグラフ。直近の動きを分かりやすくするため、今世紀に限ったグラフも併記した。なおデータは古い部分について日本郵政公社時代の「年賀葉書まめ知識」のページをキャッシュから取得、近年の分は日本郵便のリリースから随時取得している。直近2015年発行・2016年用のデータに関しては、2015年8月31日に発表された速報である【2016(平成28)年用年賀葉書の発行及び販売】の掲載値を用いている。それによれば暫定値は30億2285万2000枚。詳細は寄付金なしが29億0986万4000枚、寄付金付きが1億1298万8000枚となる。

↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)
↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)

↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)(2001年以降)
↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)(2001年以降)

ピークは2003年の44億5936万枚。それ以降は多少の起伏を見せながらも漸次枚数は減少。直近5年間は連続で前年比マイナスを記録しており、2015年発行・20156年用は、前年比でマイナス8.4%を示している(速報・暫定報による算出なので、後日発表される確定報でもう少し上乗せされる可能性がある)。前年比でプラスを示した最後の年である2008年は、【プリントゴッコ国内販売終了・個人向けプリンタ普及で】で報じている通り「プリントゴッコ」のメーカー販売が終了した年であり、年賀葉書の今後の動向を象徴する出来事の一つであったかのように思えてくる。

人口あたり枚数を算出


「人口は漸減状態にあるのだから、年賀葉書の需要が減るのも当然では」との意見もある。そこで各年の人口を総務省統計局の人口推計から抽出し(各年10月。ただし直近2015年はまだ10月分の確定値が出ていないので最新値となる8月分暫定値を適用)、その人数で年賀葉書発行部数を割った値、つまり「日本人全員が年賀葉書を購入した場合、一人あたり何枚になるのか」を算出したのが次のグラフ。

↑ 年賀葉書一人当たり平均枚数
↑ 年賀葉書一人当たり平均枚数

もう少し起伏に富んだグラフを期待していたのだが、実際には年賀葉書の発行部数推移とほとんど変わらない形のものが形成されてしまった。これは人口推移そのものが短期間では急激な変化を示しているわけではないことに起因する。そしてピーク時も発行枚数と同じく2003年。平均枚数は約35枚。直近2015年発行分は23.8枚となる。

この「人口」には年賀状を出せない乳児など、そして年賀状を出さない人も含まれている。年賀状を出す人に限れば、一人あたりの平均購入枚数はもう少し上乗せされるはずである。ただし企業などでまとめて出ず場合も多々あるため、一般個人としての平均値は、やはり上記算出値程度になるのかもしれない。



インターネットの普及率が今後も上昇を続け、デジタルネイティブ世代が次々と成人化するに連れ、年賀葉書の需要は今後も減少し、発行枚数も減らさざるを得ない事態が続くものと考えられる。時代の成り行きとはいえ、寂しさを覚える人もいるだろう。

余談ではあるが「年賀葉書まめ知識」には、年賀葉書のお年玉賞品のうち最高等級の品目推移も記録されている。それによると1949年発行分はミシン、以後写真機やタンス、家具一式、電気洗濯機、タンスなどが登場し、日本の家電商品、あるいは日常生活における「憧れ」とされていた調度品の変遷が面白いように把握できる。例えば電子レンジが初めて登場したのは1983年発行分となっている。

また【年賀はがきの1等賞金が10万円になったとの話】でも伝えている通り、2013年発行分から現金の賞金がくじの賞品に加わったが、2015年発行・2016年用の年賀はがきに関しては、これが10万円に底上げされる形となる(その分当選確率は1/10に減少する)。少しでも集客効果を高めたいとの思惑のようだが、興味深い話には違いない。


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