貯蓄は1936万円…年金暮らしをしているお年寄り夫婦のお財布事情の詳細(最新)

2021/09/02 03:29

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2021-0829人口構造の変化、高齢化の進行に伴い、さまざまな社会問題の要因、関連対象としてスポットライトが当てられる高齢者。中でも職場から引退し、年金、そして蓄財の取り崩しで生活を営むようになった無職高齢層は、今後さらに数を増加することが予想されるため、その生活様式には大いに注目が集まるところとなる。今回は総務省統計局が2021年5月18日までに発表した【2019年全国家計構造調査】を基に、世帯主およびその配偶者のみの夫婦世帯で、その双方が65歳以上、そして有業者がいない高齢年金生活世帯における、平均的なライフスタイルの現状を、主にお金の面から確認していくことにする。

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1か月のお金の勘定の中身


今調査の調査要目は先行記事【食費の割合が減り、家賃負担が増加…一人暮らしをする若者のお金の使い道の実情(最新)】を参照のこと。今回取り上げる世帯における「有業者がいない」とは、世帯主および配偶者が勤労者(世帯主が会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている人)ではなく、社長、取締役、理事など会社団体の役員である人でもなく、個人営業の人や自由業者でもない人。年齢を65歳以上に限定しているため、実質的には年金生活をしている人となる(取り崩しによる補完の多い少ないはともかく)。生活を支える主な収入は年金、そして財産収入。さらには貯蓄からの取り崩しで不足分を補っている。

次に示すのはお金のやりくりの内容。実収入(勤め先収入や事業収入、内職収入、財産収入、社会保障給付など実質的に資産の増加となる収入を集めた収入)と、実支出(税金や社会保険料などの支出を集めた「非消費支出」と、生活費を意味する「消費支出」、黒字(実収入から実支出を引いたもの)の合計)の内訳を、具体的金額と比率の面からそれぞれ見ていく。詳しい各用語の解説、関係は先行記事の【29歳以下では貯蓄283.8万円…若者夫婦勤労世帯のお財布事情の詳細(最新)】で解説しているので、そちらで確認のこと。

なお無職高齢夫婦世帯においては、実収入だけでは生活費をまかないきれないため、実支出と帳尻を合わせるために貯蓄の取り崩しが行われている。実収入の部分に「+不足分」が加わっているのはこのため。当然黒字の類はない。

↑ 家計収支の構成(夫婦双方とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、円)(2019年)
↑ 家計収支の構成(夫婦双方とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、円)(2019年)

↑ 家計収支の構成(夫婦双方とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、比率)(2019年)
↑ 家計収支の構成(夫婦双方とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、比率)(2019年)

↑ 家計収支の構成(夫婦双方とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、支出のみ、円)(2019年)
↑ 家計収支の構成(夫婦双方とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、支出のみ、円)(2019年)

収入は年金(社会保障給付)やその他の収入(株式の配当などの財産収入、仕送り金)など。それだけでは実支出をわずかにカバーしきれず、不足分は貯蓄の取り崩しで補っている。これが936円。実質的にほぼ年金でまかなえてしまっていると解釈してもよい金額。

非消費支出は11.3%。住居費は7.0%と小さめだが、その分食費の割合は大きく26.4%とおおよそ1/4を示している。食へのこだわりが見えている。交通・通品費も負担が大きく1割強。さらに医療費などは1万6000円強を示しており、若年層世帯(二人以上世帯のうち勤労者世帯で世帯主年齢が29歳以下では1万89円)と比べて1.5倍ほどにふくらんでいる。また「その他の消費支出」が15.5%と大きめだが、これは交際費によるところが大きい。

75歳以上でも1800万円強…蓄財の実情


貯蓄状況。無職高齢夫婦世帯のお財布事情は、原則として年金だけではまかなえ切れず、貯蓄を取り崩してのそろばん勘定となるため、非常に重要な要素に違いない。言葉通り生命線。

↑ 貯蓄現在高詳細(夫婦とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、世帯主年齢階層別、万円)(2019年)
↑ 貯蓄現在高詳細(夫婦とも65歳以上で無職・他に同居人無し世帯、世帯主年齢階層別、万円)(2019年)

世帯主年齢が65歳以上全体では平均で2000万円近く。取り崩しのために当然世帯主が年上になるに連れて蓄積額は減少していくが、興味深いことにその減少ぶりは緩やかなもので、75歳以上に限っても1800万円ほどにとどまっている。さらにその内訳を見ると、定期性預貯金の割合が高く、堅硬な蓄財ぶりをしていることがうかがえる。



今件はあくまでも平均的な無職高齢夫婦世帯のお財布事情。その年齢に達するまでの過ごし方で、実情は大きな違いを見せる。今属性にあるすべての人が、同じような内情にあるわけではないことに注意が必要である。

他方、今後ますます増加する年金生活で日々を過ごす無職高齢夫婦世帯の内部事情を推し量るのには、有益な値であることも変わりあるまい。


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