若年夫婦勤労世帯のお財布事情を詳しくグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/01/07 05:01

人口構成比や就業構造の変化に伴い、社会的に軽んじられているとの認識が自他共に大きくなりつつある若年層。その認識は単身世帯だけでなく、二人以上世帯(大よそ夫婦世帯)でも共有されるものとなっている。今回は総務省統計局が2015年12月16日に発表した【「2014年全国消費実態調査」】のうち、二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果の公開値を元に、二人以上・若年勤労者(世帯主が勤労者で30歳前後の世帯)における、平均的なライフスタイルの現状を、主にお金の面から確認していくことにする。

スポンサードリンク


持家率は3割から5割近く、自動車保有率は8割前後、住んでいる家は約20坪強


今調査の調査要目は先行する記事の【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】内の説明を参照のこと。

次以降に示すのは、二人以上世帯のうち勤労者世帯で、世帯主が30歳前後、つまり25歳から29歳と、30歳から34歳の動向。平均初婚年齢を大よそカバーし、かつ若年層の仕切り分けに当てはまる区分を選択した。

また勤労者とは今調査においては世帯主が会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている人を意味する。世帯主が社長、取締役、理事など会社団体の役員である世帯は「勤労者以外の世帯」となり、今件には該当しない。また個人営業の人や自由業者、そして無職の人は勤労者に当てはまらない。そして二人以上世帯とは「住居及び生計を共にしている二人以上の人の集まり」であり、原則として夫婦世帯だが、母子・父子世帯も該当する。また世帯における子供の有無、子供数は今件では精査しない。

まずは住宅事情。

↑ 二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層の居住状況(2014年)
↑ 二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層の居住状況(2014年)

↑ 二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層の現住居の広さ(2014年)
↑ 二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層の現住居の広さ(2014年)

二人以上世帯では夫婦世帯がほとんどのため、住宅ローンで取得する、あるいは相続で譲り受けるなどによる場合が多く、単身世帯と比べて持ち家率が高めとなっている。特に30代前半では5割近くが持ち家に住んでいる計算。また現在居住地の広さは大よそ70から80強平方メートル強。坪に換算すると20坪強ぐらい。子供が居ても夫婦世帯としてはそれなりの広さ。

↑ 二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層の自動車保有比率(2014年)
↑ 二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層の自動車保有比率(2014年)

自動車の保有比率は7割強から8割強。具体的にどのような車種を有しているか、いかなる使い方をしているか、利用頻度までは今調査では確認できないが、夫婦いずれか片方でも保有していれば該当すること、就業に使う場合はもちろんのこと、子供が居る場合は保育園などへの送迎に使う事例が多々あることを考えれば、相応の値に違いない。

一か月のお金の勘定の中身


続いてお金のやりくりの内容を見ていくことにする。実収入(勤め先収入や事業収入、内職収入、財産収入、社会保障給付など実質的に資産の増加となる収入を集めた収入)と、実支出(税金や社会保険料などの支出を集めた「非消費支出」と、生活費を意味する「消費支出」、黒字(実収入から実支出を引いたもの)の合計)の内訳を、具体的金額と比率の面からそれぞれ確認する。また、実収入から非消費支出を引いたものが可処分所得となるが、可処分所得における黒字の割合を黒字率と呼んでいる。もちろんこの値が高い方が、生活面で余裕が生じていると見て良い。

それぞれの関係は次の通り。

・実収入=勤め先収入+その他収入
・実支出=非消費支出+消費支出
・実収入=実支出+黒字
・可処分所得=実収入−非消費支出
・黒字=可処分所得−消費支出
   =実収入−(消費支出+非消費支出)
・勤め先収入+その他収入=非消費支出+消費支出+黒字
            =非消費支出+可処分所得

普段使いなれない、あるいは見聞きしているが概念的にもやっとしたレベルでしか認識できていない言葉が並ぶが、覚えておいて損は無い。

まずは20代後半について見ていく。

↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が25-29歳)
↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が25-29歳)

↑ 家計収支の構成(2014年)(比率)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が25-29歳)
↑ 家計収支の構成(2014年)(比率)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が25-29歳)

↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が25-29歳)
↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が25-29歳)

非消費支出は15.2%。住居費で10.2%、食費で13.9%と比較的大きな割合を示し、交通・通品費も負担が大きい。食費は月に5万円程度で、家賃は平均ではあるが4万円未満(低めに見えるがこれは持ち家率が相応に高いため)。医療費などは1万円近くかかっており、教養娯楽には2万円強が費やされている。そして貯蓄などに回される黒字は6万5000円近く。

30代前半になると大きく金額が底上げされる。

↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が30-34歳)
↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が30-34歳)

↑ 家計収支の構成(2014年)(比率)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が30-34歳)
↑ 家計収支の構成(2014年)(比率)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が30-34歳)

↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が30-34歳)
↑ 家計収支の構成(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が30-34歳)

実収入は6万円強ほど上乗せされる。非消費支出をはじめ、食費や交通・通信費、教育費などが大きく増加しているが、これは多分に子供の平均数が増えているのが原因。他方、住居費は逆に減っているが、上記言及の通り、持ち家率の増加に伴い、家賃支出の負担が減っているからに他ならない。

一か月の平均食費は6万円近く。教育費は1万円強。光熱費は1万6000円ほど。黒字額は9万4000円ほどとなる。

貯蓄の実情を探る


最後は貯蓄状況。あくまでも平均額ではあるが、若年夫婦世帯などの「貯金箱の中身」を把握できる。

↑ 貯蓄現在高詳細(2014年、万円)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層)
↑ 貯蓄現在高詳細(2014年、万円)(二人以上世帯のうち勤労者世帯・世帯主が若年層)

世帯主が20代後半は376万円、30代前半は529万円。4割強ほどが普通預貯金で、定期や保険もそこそこ。比較的バランスの取れた配分をしている。ただし有価証券の類は少なめで、30歳公判でも30万円に届かない。日本は投資性向の低さで知られているが、若年層において顕著であるようだ(無論、投資は余剰資金で行うものが原則である以上、余剰資金がさほど無いことの表れでもあるのだが)。



今件はあくまでも平均的な若年二人以上世帯のお財布事情であり、実情はその立ち位置によって大きな違いを見せる。すべての若年層の夫婦世帯などがこのような金銭事情にあるとは限らないことに留意が必要。

他方、生活上の困難さが指摘される若年層の夫婦世帯などにおける、金銭面での実情を知る上で、よい指標となることに違いはあるまい。


■関連記事:
【歳と共に増えるへそくり額・へそくり率の夫婦差は20代が一番大きい?】
【態度・子供の教育・お金の使い方…世代で変わる、夫婦ゲンカの原因】
【夫婦間 収入貯蓄を知るべきか? 結婚前後で 考え異なる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー