都道府県別の新聞発行部数の変化をグラフ化してみる(2015年)

2014/12/29 15:00

先行記事で【社団法人 日本新聞協会】の発表データを基に、2014年における新聞の発行部数が前年比で163.7万部・3.48%ほどの減少を示していることをお伝えした。今回は同協会の公開値を用い、同じく2014年における、都道府県別の新聞発行部数の前年分と比較した変移を確認していくことにした。新聞発行部数はすべての都道府県で一様に減っているのだろうか。

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新聞発行部数が漸減しているのは、先の記事にもある通り。

新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)(再録)
↑ 新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)(再録)

今回の主旨は都道府県別の発行部数を抽出した上で、直近2014年分とその前年2013年分を比較しようというもの。2013年分は前年記事作成時に用いた値をそのまま活かし、2014年分は協会公式ページで提供されている公開値を取得。各都道府県別に計算を行い、出来上がったのが次のグラフ。

↑ 日刊紙の都道府県別発行部数変移率(2013年→2014年)
↑ 日刊紙の都道府県別発行部数変移率(2013年→2014年)

先の震災の影響で被災3県、岩手・宮城・福島の新聞発行部数が減少しているのでは、との懸念は良く耳にするが、2010年から2011年の変異ならともかく、それ以降においては特段他の地域と差が出るような形での減退ぶりは見られない。今回の2014年分においては3県とも減少しているものの下げ幅はむしろ他地域よりも小さく、宮城県では47都道府県においてもっとも低い減少率を示す結果となった。また前年2013年における変移率はそれぞれプラス0.5%・プラス0.7%・プラス1.2%であり、「前年の下げ幅が大きかったので、今年は小幅に留まった」との反動的なものではないことも確認できる。震災時の混乱から脱し、居住環境が落ち着いて新聞を購読する余裕が持てる人が増えたのか、あるいは新聞購読性向が比較的高い高齢者が増えたのかもしれない。

新聞一方、兵庫県のマイナス5.1%、大阪府と和歌山県と高知県のマイナス5.0%という大きな下げ方が気になる。特にこれらの県で新聞関連のアクシデント、事件が起きたとの話は聞かない。単なるイレギュラーか、あるいは大きく伝えられることが無い、新聞離れを加速する動きがあったのかもしれない。

また傾向的には大都市圏や西日本での下げ方が大きめなのが目に留まる(マイナス5%以上の下げ幅を記録したのは、すべて西日本である)。特に西日本はこの数年間連続して大きく数を減らしていることから、西日本における紙媒体の新聞離れ的な動きが起きているのかもしれない。

今回イレギュラーの可能性がある、そしてグラフ生成上不都合があるため上記図からは除外しているが、海外における発行部数が大きく減っているのも注目される。具体的には2013年時点で約5万1000部だったものが、2014年では約4万4000部となり、前年比でマイナス14.5%もの高い下げ幅を記録している。デジタル化への移行に伴う紙媒体としての新聞の必要性の低下は、海外利用者の方が強い認識を示しているのだろう。この動きが来年も継続するのなら、同程度の減少傾向は遠からず国内各都道府県にも及んでくると見るべきであり、注目に値する。

ともあれ、2011年3月の震災を直接起因とした新聞の発行部数へのマイナスの影響は、2014年時点ではすでに無いと考えて良い。他方、この数年続いている大都市圏や西日本における顕著な減少の方に注目したい。大都市圏の動きは「インフラ整備が進んでいる」「デジタル化の促進」「インターネットによる情報取得傾向が強い」「紙媒体の必要性の低下」との流れである程度説明はつくが(あるいは世帯人口数の減少、若年層が集中することによる新聞忌避の動きも一因だろう)、西日本に強い部数減少の動きが起きている件は理由が見つからない。2015年も同じ動きをしめすのであれば、深く掘り下げる必要があるのかもしれない。


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