主要国のGDPをグラフ化してみる(2015年)

2015/01/02 10:00

先行記事【主要国の対外純資産額をグラフ化してみる】において、IMF(国際通貨基金)のデータベースの「World Economic Outlook Database」の公開値を用い、諸外国のGDPを取得した。良い機会でもあり、今回はその値を用い、日本も含めた各国のGDPの動向を確認していくことにする。

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2015年の名目GDP、上位国は?


まず用語や注意事項に関して、箇条書きでまとめておくことにする。

・GDP……国内総生産:Gross Domestic Product。国内で生み出された付加価値総額。自国の外に住む自国民は対象に含まれない。今件では国単位の単純比較の際に用いられることが多い、名目GDPを用いる。

・単位……基本は兆米ドル。単純比較をするために米ドルですべて統一されているが、実際には各国の対米ドル為替レートも考慮する必要がある。

・順位……IMFのデータベースで取得できる最新実値は2012年から2013年分。値そのものは2019年分まで取得可能だが、実値より新しい分は予想値となっている。今回は原則として2015年分の値を基に順位立てしているが、当然予想値を用いたものとなる。

・精査対象国……収録されているのは全部で189か国。ただし国民一人当たりの値では187か国。

GDPには今回用いる「名目GDP(Current GDP)」以外に「実質GDP(Constant GDP)」が存在する。この違いについては以前の記事【日本の経済成長率をグラフ化してみる……(上)用語解説(最新)】で詳しく説明しているので、そちらを参考のこと。

以上の条件を基に、2015年分の名目GDP上位国、そして世界全体に占める各国の名目GDPの比率を算出したのが次のグラフ。

↑ 名目GDP上位国(IMFによる2015年予想値、兆米ドル)
↑ 名目GDP上位国(IMFによる2015年予想値、兆米ドル)

↑ 世界全体に占める各国名目GDP比(2015年、IMF予想)
↑ 世界全体に占める各国名目GDP比(2015年、IMF予想)

名目ではあるがGDPの上での最大の国家はアメリカ合衆国、次いで中国が示している。この2国だけで世界全体の大よそ1/3強。次いで日本、ドイツ、イギリス、フランスが続く。シェアを示すグラフでは2%以上の国のみを具体的な名前で挙げているが、これらの国だけで世界全体の2/3のGDPを有していることになる。もっとラフに表現すると、「米中で1/3、残りの上位9か国で1/3、それ以外の国を全部合わせて残り1/3」という形。

経年推移を見ていくと……


続いて各国の経年推移を確認していく。とはいえ、190か国近い国々の動向をすべてチェックするのは不毛でしかないことから、2015年時点の上位10か国に的を絞ることにする。「World Economic Outlook Database」では現時点で1980年から2019年分のGDPを取得できるので、それらの値を基に、上位国の動向を示したのが次のグラフ。

↑ 主要国名目GDP推移(1980年-2019年)(2015年時点の上位10位、米ドルベース)(単位:兆米ドル)(IMF予想含む)
↑ 主要国名目GDP推移(1980年-2019年)(2015年時点の上位10位、米ドルベース)(単位:兆米ドル)(IMF予想含む)

色々物議をかもしてはいるが、アメリカが非常に大きな成長を示していること、他国が束になってもかないそうにないことがあらためて実感できる(今件は名目GDPのため、インフレの影響を受けていることは留意すべき)。

また2008年の時点である程度金融不況の影響は出ていたものの、2009年のリーマンショックにより、それ以上の大きな減退が確認できる。もっとも金融不況からリーマンショックに至る減退は、ドイツやフランス、イタリアなど他国でも大した違いは無い(日本のGDPがこの時期に落ちていないのは、円高が影響している)。

アメリカの値が大きすぎて他国の状況がつかみづらいので、アメリカを除いてグラフを再構築してみることにする……が、今度は中国の値が大きすぎて全体像の把握がしにくくなるため、さらに中国も除いた版も併記しておく。

↑ 主要国名目GDP推移(1980年-2019年)(2015年時点の上位10位、米ドルベース)(単位:兆米ドル)(IMF予想含む)(アメリカ合衆国除く)
↑ 主要国名目GDP推移(1980年-2019年)(2015年時点の上位10位、米ドルベース)(単位:兆米ドル)(IMF予想含む)(アメリカ合衆国除く)

↑ 主要国名目GDP推移(1980年-2019年)(2015年時点の上位10位、米ドルベース)(単位:兆米ドル)(IMF予想含む)(アメリカ合衆国と中国除く)
↑ 主要国名目GDP推移(1980年-2019年)(2015年時点の上位10位、米ドルベース)(単位:兆米ドル)(IMF予想含む)(アメリカ合衆国と中国除く)

2000年前後の景気後退期に各国とも一時期低迷しているが、それ以外は順調に成長している。しかし上記にある通り、2007年以降の金融不況、そして2009年のリーマンショックの影響は大きく、円高で値を多分に修正された日本や、金融危機の影響を押しのける程に成長を続ける新興国以外は、押しなべてGDPを落としているのが分かる。逆に日本は2012年以降の為替レートの適正化に伴い、名目GDPが落ちている。

また、中国のGDPの伸びの著しさも目立つ。特に2006年以降の伸びは異様で、2007年はドイツを、そして2009年には日本を抜き、名目GDPでは世界で2番目の大きさを持つ国となった。IMF予想ではその後の成長率はアメリカ合衆国で、あと数十年もすれば米中の順位が入れ替わるのではないかとすら予見できる勢いではある。



いくぶん余興になるが、国全体としてでは無く、各国の国民一人あたりの名目GDPを算出すると、意外な結果が出る。

↑ 国民一人あたり名目GDP(2015年、IMF予想、万米ドル)
↑ 国民一人あたり名目GDP(2015年、IMF予想、万米ドル)

トップはルクセンブルグ、そしてノルウェー、カタール、スイスが続く。アメリカ合衆国は9位、日本はグラフ領域外で26位(3万8522ドル)。これは人口の大小と、その国のGDPが何によって構築されているかの違いが多分に出ている。上位陣はアメリカ合衆国などのようにオールマイティな強さを持つ国もあるが、大よそ金融立国や資源が豊富な国が占めており、人口と比べて得られる生産価値の大きさが多分に影響している。

またこの「国民一人あたりの名目GDP」について、名目GDPの上位陣のうち気になる国を抽出した上でその推移を見たのが次のグラフ。

↑ 国民一人あたり名目GDP推移(含むIMF予想、万米ドル)
↑ 国民一人あたり名目GDP推移(含むIMF予想、万米ドル)

一人あたりで均すと、日米独であまり差異が見られないこと、中国ははるかに下となるが、それでもなお2006年以降の伸びが著しい事が改めて確認できる。

これらIMFのデータは、当然実測値が確認されればその分正確度が増す形となる。今件記事も逐次定期的に値を取得しなおし、より確からしい動向を確認していくことにしよう。


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