40代までは住宅ローンで首が回らず…二人以上世帯の貯蓄・負債・純貯蓄高をグラフ化してみる

2011/10/30 06:00

総務省統計局は2010年12月24日、【「2009年全国消費実態調査」】のうち、【二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果】を発表した。二人以上の世帯(住居や生計を共にしている二人以上の集まり)の日常生活を金銭面から推し量れる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。このデータ群の中から今回は、二人以上世帯における平均年収や貯蓄高について、負債額も考慮した上でいくつかグラフ化を試みることにする。要は【借金合わせたらどうなるの? 一人暮らしの貯蓄・負債・純貯蓄高をグラフ化してみる】の二人以上世帯版というわけだ。

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「全国消費実態調査」とは国民生活の実態について家計の収支及び貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などの家計資産を総合的に調査し、全国及び地域別の世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とした調査。5年ごとに行われているもので、今回発表された2009年分は11回目にあたる。

今回抽出・グラフ化するデータは、「表III-1 世帯主の年齢階級別年間収入及び貯蓄・負債現在高の推移(二人以上の世帯)」。先に【年収ピークは50代、では貯蓄は?…二人以上世帯の平均年収や貯蓄高をグラフ化してみる】で記したように、年収は世帯主年齢と共に上昇し、50代がピークとなる。60代に入ると早期定年組も含めて定年退職することもあり、減少していく

↑ 世帯主年齢階級別貯蓄現在高及び年間収入(二人以上世帯、2009年)(万円)
↑ 世帯主年齢階級別貯蓄現在高及び年間収入(二人以上世帯、2009年)(再録)(万円)

一方、同資料には同世代における負債額、そしてその負債のうち「住宅・土地のための負債(不動産関連負債)」も記載されているので、まずはこれをグラフ化する。やはり住宅ローンを抱えることが多い30-40代で飛び跳ねる値が出ている。

↑ 世帯主年齢階級別負債現在高(二人以上世帯)(万円)
↑ 世帯主年齢階級別負債現在高(二人以上世帯)(万円)

青色、つまり不動産関連の負債が大部分を占めている。なおこの値は世帯全体の平均値であり、不動産を購入していない人(あるいは元々持ち家保有者、ローン完済の人)は丸々この負債の分が無いことに留意する必要がある(今記事はあくまでも「世帯全体の平均」に関する話なので、そこまで考える必要はないが)。

世帯主が30代未満でも住宅を購入する世帯はあるが少数派。やはり30-40代で購入し、50代のうちに半ばが完済しているようだ。一方単身世帯でも見られた傾向だが、世帯主年齢が50代で大きく「住宅・土地以外の負債」が増える原因は不明。言葉そのものの定義における解説では「生活に必要な資金、個人事業に必要な開業資金、運転資金などを借り入れた場合の未払残高」とあるので、早期定年退職制度を活用するなどして起業をする人、あるいはすでに起業している人による運転資金の借り入れの可能性がある。

さてそれでは、「貯蓄額」から「負債額」を引いた、「純貯蓄額」を算出する。繰り返しになるが、負債の多くは「住宅ローン」で、これを他の「通常の負債」と一括して考えて貯蓄と相殺するのはやや難がある(住宅はそのまま換金はできないものの、世帯にとっての資産となるからだ)。あくまでも参考値程度のものとして見てほしい。

↑ 世帯主年齢階級別純貯蓄額(現在貯蓄額-負債)(二人以上世帯)(万円)
↑ 世帯主年齢階級別純貯蓄額(現在貯蓄額-負債)(二人以上世帯)(万円)

住宅ローンの負担は大きく、30代までは実質マイナス。40代でもカツカツで、50代になってようやく首が回るようになる。繰り返しになるがあくまでも参考値であるものの、金銭的なプレッシャーという観点では「住宅ローンを(あらかた)返し終えた50代で、ようやく気軽さが見えてくる」というのが理解できる。

あるいは「住宅・土地以外の負債」が50代で大きく増えるのは、この「肩の荷が下りた」のが一因なのかもしれない。

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