二人以上世帯の買物生活はどのような変化をしてきたか…半世紀近くに渡る買物先の移り変わりをグラフ化してみる

2011/10/26 06:00

総務省統計局は2010年12月24日、【「2009年全国消費実態調査」】のうち、【二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果】を発表した。二人以上の世帯(住居や生計を共にしている二人以上の集まり)の日常生活を金銭面から推し量れる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。このデータ群の中から、今回は先に【夫婦世帯の買物はスーパー中心…二人以上世帯の買物先をグラフ化してみる】で示した「二人以上世帯の買物先」の変化を、今回発表分も含めて都合9回分、途中未調査の回もあるため約半世紀にさかのぼり、その変移をグラフ化してみることにする。要は【一人暮らしの買物生活はどのような変化をしてきたか…過去15年間の買物先の移り変わりをグラフ化してみる】の二人以上世帯版という次第である。

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「全国消費実態調査」とは国民生活の実態について家計の収支及び貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などの家計資産を総合的に調査し、全国及び地域別の世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とした調査。5年ごとに行われているもので、今回発表された2009年分は11回目にあたる。

今回抽出・グラフ化するデータは、「表V-2 消費支出に占める購入先別割合の推移(二人以上の世帯)」。直近単年分は先の記事にある通りだが、この表では今回以外にも1964年以降の分のデータが収録されている(1989年は調査そのものが行われていないなど、一部未収録部分あり)。これらの変移を見て行こうというもの。なお購入先区分のうち「百貨店」は【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】の文末で説明している通り、事実上デパートと同じ。

↑ 消費支出に占める購入先割合の推移(二人以上世帯)
↑ 消費支出に占める購入先割合の推移(二人以上世帯)

まず目に留まるのが「一般小売店の減少と、スーパーや(1990年代以降の)ディスカウントストア・量販店の増加」。大型スーパーやコンビニ、昨今ではディスカウントストアや100円ショップの進出と、消費性向の減退で、普通の小売店がビジネス的に立ち行かなくなり、近所の店がシャッターを閉じる場面が増えてきたのが一因。そしてそれらの店と比べて大型店などの方が安く、まとめて買物が出来るので、そちらに足を運ぶようになったのも大きい。

また「ディスカウントストア・量販店」は日本国内では1990年以降に割合の漸増を始めている。これについては1994年分より前は調査の上で区分そのものが存在しなかった(=区分する必要が無いほど少数派だった)のも一因だが、それ以上に大店法の規制緩和、独禁法絡みの問題、消費者の消費性向の変化によるものと見た方が道理が通る。

さらに「ディスカウントストア・量販店」と同じようにまとめ買いが出来るのに「百貨店(=デパート)」の割合が減っているのは、価格的な問題に寄るところが大きいと思われる(近場に無いのも原因だろうが)。あるいは逆で、「ディスカウントストア・量販店」が浸透してきたからこそ、「百貨店」のシェアが食われていると考えた方が自然かもしれない。

そして気になるのはコンビニに関する動き。単身世帯では「コンビニ」の利用率は年々増加し、若年層では支出金額の1割を超える値を示している。しかし二人以上世帯では(世帯主の世代区分では無く全体だからというのも一因だが)直近の2009年でも全金額の2.0%しか利用されていない。まとまった量・金額の買物が多い二人以上世帯では、「コンビニ」の必要性はさほど高くないことになる。とはいえ、少しずつ比率が増加しているのも事実だが。



概要をまとめると、二人以上世帯の消費生活上の買物先としては

・買物の主体は「一般小売店」メインから多様化へ。
・「スーパー」がメインで「一般小売店」は少しずつシェアを奪われている。
・「百貨店」は漸減。
・新興勢力の「ディスカウントストア・量販店」「コンビニ」「ネット通販」は少数派だが確実に数字を伸ばしている。

という具合になる。やはり一番の大きな動きは、この半世紀近くの間に二人以上世帯の買物先が多様化し、「一般小売店」の立ち位置がかなり弱くなったこと。「一般小売店の数が減ったので、消費割合が減った」「消費割合が減ったので、採算がとれない一般小売店が店を畳んで数が減った」どちらが先というものではなく、双方が漸次・連鎖的に起きたと見るべきだろう。

今後各項目の動きが同じ傾向を示すのなら、「一般小売店は1/4程度にまで落ち込む」「スーパーは4割、そして過半数へ」「ディスカウントストア・量販店は2割に迫る」などの変化がこの10年前後に起きるはず。一方で単身世帯にも言えることだが、いわゆる「買物困難者」の増加により、「購入先割合」の推移もこれまでとは違う流れを見せる可能性も否定できない。

次の調査は5年後の2014年、結果発表は2016年の予定。日常生活を支える小売店のスタイルがいかなる変化をとげるのか、今から気になるところではある。

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