ネット通販は30代世帯が多用……二人以上世帯のコンビニ・デパート・ネット通販でのお金の使われ具合をグラフ化してみる

2011/10/24 06:00

総務省統計局は2010年12月24日、【「2009年全国消費実態調査」】のうち、【二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果】を発表した。二人以上の世帯(住居や生計を共にしている二人以上の集まり)の日常生活を金銭面から推し量ることができる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。このデータ群の中から、今回は「コンビニ、百貨店(=デパート)、インターネット通販に的を絞り、日常生活の買物の主要項目で、どれだけそれらのお店・購入ルートに頼っているか」についてグラフ化してみることにした。要は【一人暮らしの日常生活、どこで何を買ってるの? ……一人暮らしのコンビニ・デパート・ネット通販でのお金の使われ具合をグラフ化してみる】の二人以上世帯版という次第である。

スポンサードリンク


「全国消費実態調査」とは国民生活の実態について家計の収支及び貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などの家計資産を総合的に調査し、全国及び地域別の世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とした調査。5年ごとに行われているもので、今回発表された2009年分は11回目にあたる。

今回抽出・グラフ化するデータは、「表V-11 世帯主の年齢階級,費目別支出金額の購入先別割合(二人以上の世帯)-平成21年-」。ここから「コンビニ」「百貨店(=デパート。【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】の文末で説明しているが、事実上同じもの)」「インターネット通販」の3項目の店舗形態に焦点を当てる。そして世帯主の年齢階層で区切り、「消費支出全体」、そして「食料」「家具・家事用品」など主要用品区分の全体支出額のうち、どれだけの割合を該当店舗で消費しているかをグラフ化する。

例えば「コンビニ」で世帯主年齢が30歳未満「諸雑費」の割合が11.4%と出ているが、これは「世帯主年齢が30歳未満の世帯において、『諸雑費』に使う額の11.4%を、コンビニで使用する」ことを意味する。数字が大きいほど、その項目で該当店舗での利用額が大きいわけだ。なお「消費支出」とは税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」を意味する。

まずはコンビニ。

↑ 世帯主年齢階層・費目別、購入先全体に占めるコンビニの割合(二人以上世帯)
↑ 世帯主年齢階層・費目別、購入先全体に占めるコンビニの割合(二人以上世帯)

縦軸の区切りが2%単位で、最大でも11.4%までしかないことから、二人以上世帯におけるコンビニへの傾注度はさほど高くないことが分かる。しかも一様に世帯主の年齢と共に値は減り、「高齢世帯のコンビニ離れ」傾向が確認できる。

各項目中では「諸雑費」と「食料」がやや高め。分かりにくいのが「諸雑費」。区分を解説する【収支項目分類表(PDF)】によれば「諸雑費」とは、

・床屋や美容院代
・理美容品(化粧品など含む)
・身の回り品(かばん、装飾品など)
・たばこ
・冠婚葬祭の各経費
・各種振込手数料

などが該当する。若年世帯主層の該当比率が極めて高いところをみると、「諸雑費」の多くは「たばこ」や「各種振込手数料」によるものと考えられる。

続いて百貨店。これは前述したように、内容的にはデパートと変わりない。

↑ 世帯主年齢階層・費目別、購入先全体に占める百貨店の割合(二人以上世帯)
↑ 世帯主年齢階層・費目別、購入先全体に占める百貨店の割合(二人以上世帯)

全般的に「被服及び履物」の出費率が高い。特に世帯主が50代以降の世帯では3割前後までを、デパートで購入している計算になる。毎月のデパート売上レポートでは被服関係の売上減退が問題視されているが、それでも二人以上世帯の中堅層以降には大いに頼りにされているのが分かる。また若年層では「諸雑費」の割合が高いが、化粧品や装飾品の購入が該当すると見てよい(世代を問わずに百貨店で購入割合の高い品目上位を見ると、「鞄類」「装飾具」「腕時計」「他の身の回り用品」「傘」「化粧品」の順となっている)。

最後にインターネット通販。

↑ 世帯主年齢階層・費目別、購入先全体に占めるインターネット通販の割合(二人以上世帯)
↑ 世帯主年齢階層・費目別、購入先全体に占めるインターネット通販の割合(二人以上世帯)

まず注目してほしいのは「消費支出全体」。30歳未満よりも30代世帯の方が高く、各世代の中でも最上位の値を示している。インターネットそのものの普及率は同程度でも、「外出しなくても買物が出来る」便利さは、幼い子供を抱えている割合が高い30代世帯の方が重宝がられるということだろうか。30歳未満世帯では2.5%に過ぎなかった「家具・家事用品」が30代世帯では6.0%に跳ねあがっているところを見ると、育児用品の調達に利用しているものと思われる。

世帯主の歳と共に急激に値を減らす各項目だが、「教育娯楽」のみ減少率が大人しいのも目に留まる。趣味趣向のアイテムをネット通販で購入する便利さは、世代を超えて浸透している。実際、全体における「教育娯楽」項目でのインターネット通販による購入品目上位には「パソコン」「音楽・映像収録済みメディア」「カメラ」「楽器」「他の教養娯楽用耐久財」など、価格比較が容易でネット通販が得意とする品々が上位に並んでいる。



今回は当サイトでよく取り上げられる「コンビニ」「百貨店(=デパート)」「インターネット通販」の3つの流通ルートにおいて、「二人以上世帯」の消費性向についてチェックを入れてみた。夫婦世帯などにおける各ルートでの購入スタイルの傾向そのものはもちろん、先の一人暮らし版との比較も合わせ、今回のデータは色々な点で役立つに違いない。特に若年世帯と高齢世帯の差異は、それぞれの購入販路模索の上でも非常に有益なデータといえよう。


■関連記事:
【6年連続経常利益をはじき出す「ダイシン百貨店」のレポートから、デパート不況打開の糸口を考えてみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー