私立の1.4倍…公立中学では受験勉強に塾や家庭教師への投資額が急上昇(2014年)

2014/01/29 14:00

文部科学省は2014年1月10日、最新版にあたる2012年度版の「子供の学習費調査」の概要を発表した。その内容によれば、子供の学習費のうち習い事の月謝がメインの「学校外活動費用」において、概して公立学校よりも私立学校の方が平均額は高いものの、中学3年生では逆転現象が起きていることが分かった。構成項目のうち主に学習塾費が該当する「補助学習費」で公立では中学2年と3年で市立を上回る平均額が算出されるのが原因となっている。今回はこの動きもあわせ、高校生までの「学校外活動費用」の動きを確認していくことにする(【発表リリース:結果の概要-平成24年度子供の学習費調査】)。

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先行記事【私立学校の学費は公立の2倍から5倍近く…幼稚園・小中高校までの年間学習費総額をグラフ化してみる(2014年)(最新)】などで記した通り、直近2012年度における学習費総額は総じて私立の方が高い。また歳を経るほど総額が上がるのでは無く、公立は中学校、私立は小学校の方が(他の学校種類よりも)多くの学習費がかかる。これは両者とも主に「学校外活動費」がふくらむのが原因(「学習費総額」は「学校教育費(授業料やPTA会費、制服、遠足代など)」「学校給食費」「学校外活動費(家庭内学習費や各種塾月謝、図書費など)」で構成されている)。

↑ 学校種類別子供の学習費総額(万円/年)(2012年度)(再録)
↑ 学校種類別子供の学習費総額(万円/年)(2012年度)(再録)

↑ 年齢・学年別学習費総額(2012年度時点)(万円)(再録)
↑ 年齢・学年別学習費総額(2012年度時点)(万円)(再録)

今回はこの「学校外活動費」にスポットライトをあてることにする。

まずは学年別の「学校外活動費」の推移。私立では断然小学生がピークで、公立ではむしろ中学生の方が多少ながらも額が高めになる。意外かもしれないが、「学校外活動費」においては高校生は(私立の3年生はともかく)全般的に額はさほど高くない。

↑ 年齢・学年別学校外活動費額(2012年度時点)(万円)
↑ 年齢・学年別学校外活動費額(2012年度時点)(万円)

「学校外活動費」には学習塾や家庭教師以外に、ピアノ、各種図書品、習字やそろばん、英会話教室などの教養的な塾、そして各種スポーツや芸術文化活動方面での塾の月謝も含まれる。私立小学生が特にふくらんでいるのは、詳細は別途解説するが、一般の学習塾に加えてこれら「学習塾”以外”の塾」に通わせている事例も多いのが要因。

↑ 小学6年生における学校外活動費(円)(2012年度)
↑ 小学6年生における学校外活動費(円)(2012年度)

「学習費総額」同様、「学校外活動費」に限っても私立が公立以上に額面が大きいのは見ての通りだが、唯一中学3年生では「公立が私立を上回る」現象が起きている。これは主に補助学習費(もっと詳細を述べれば「学習塾費」)の額において、公立が私立を大幅に上回るため。「学校外活動費」の逆転までには至らないものの、中学2年でも公立が私立以上の額面を示している。

↑ 中学校における学年別校外活動費のうち補助学習費(万円)(2012年度)
↑ 中学校における学年別校外活動費のうち補助学習費(万円)(2012年度)

学習塾費用の点で公立中学3年生が跳ねあがる理由について、資料では一切触れていない(そもそも公的機関のデータ発表系資料のため、分析は最小限に留まっている)。そのため類推でしかないが、はじめての非義務教育の教育機関となる高校の受験のためには、公立中学3年生は私立と比べ、学習塾で学校の学習内容を補完する必要性に強く迫られている。そのため学習塾に通う人が多く、場合によっては複数か所への通塾もあり、額面が大きく底上げされてしまうのだろう。

実際、「学校外活動費」でも、その中の「補助学習費」でも、公立は中学3年生が最高額を示している。公立学校生(を持つ保護者)の高校進学への気合いの入れ方が、この金額の動向からも推し量れるというものだ。


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