好天で行楽需要喚起し来客数増加、中食も堅調…2015年10月度のコンビニ売上高は既存店が2.5%のプラス、7か月連続

2015/11/21 05:00

日本フランチャイズチェーン協会は2015年11月20日に、コンビニエンスストアの同年10月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は既存店前年同月比でプラス2.5%となり、7か月連続のプラスを示すこととなった。北日本を除き気温は平年並みだったが降水量の少なさを受けて行楽需要が喚起され、来客数が大きく伸びたのに加え、カウンター商材の堅調や中食需要の増加から客単価がアップ、売上に貢献する形となった(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は7か月連続のプラス、全店は32か月連続のプラス
全店ベース……+5.9%
既存店ベース…+2.5%

●店舗数(前年同月比)
+3.3%

●来店客数:既存店は2か月ぶりのプラス、全店は55か月連続のプラス
全店ベース……+5.8%
既存店ベース…+2.1%

●平均客単価:既存店は7か月連続のプラス、全店も7か月連続のプラス
全店ベース……+0.1%(596.7円)
既存店ベース…+0.4%(589.3円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+4.4%
加工食品……+3.8%
非食品………−1.0%
サービス……+4.4%
合計…………+2.5%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

10月は台風上陸などで大きな自然災害が発生した9月とはうってかわり、北日本を除いて平年並みの気温に落ち着くと共に、降水量は少なめで日照時間が多かったことから、行楽需要が喚起される形となり、おにぎりやサンドイッチなどの中食、飲料やアイスクリームなどがよく動いた。また淹れたてコーヒーをはじめとしたカウンター商材(コーヒー以外は中華まんやドーナツ、揚げ物などカウンター周辺に配される商品群)も引き続き堅調。客単価の底上げに貢献している。なおたばこや雑誌に絡んだ特記事項は見受けられない。

昨年同月の2014年10月は消費税率引上げ後7か月目に相当するが、その時の非食品(たばこ含む)はマイナス4.3%。今回月はこの値と比較することになるため本来なら反動による底上げがあってもおかしくないが、その前提の上でも今回月ではマイナス1.0%と落ち込んでいる。非食品項目の多くを占めるたばこの売上が、前年からさらに落ち込んでいるとの推測もできる。

商品構成別の売上高の動向を確認すると、淹れたてコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス4.4%、加工食品はプラス3.8%、非食品はマイナス1.0%となった。客数が既存店ベースでプラス0.4%であることから、計算を単純化するためにシンプルにその分を考慮して考えると、日配食品や加工食品は実質面でも堅調な売り上げを伸ばしている、非食品は落としていることが分かる。またサービスはプラス4.4%とそれなりの伸びが確認できる。

昨年夏まではガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の安値化に伴いガソリン代も安値で落ち着いており、その観点における心配は薄れている。一方でここ数年来懸念されていたたばこや雑誌の売上の減退、集客力の縮小は継続中で、歩みを止めるようには見えない。

セブンカフェ&ドーナツかつてコンビニの集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。ただし年次ベースなら、たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推測することはできる(【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる】)。

たばこは機会あるたびに税負担の上乗せが論議され、健康志向による忌避圧力も勢いを増すばかりとなり、今後も縮退する方向性に変化はない。一方雑誌に関しては価値観の多様化や電子雑誌の進出、すき間時間の活用の仕方の変化を受け、やはり規模の縮小は避けられそうにないが、コンビニにおける同じ印刷物として今件月次報告書では取り上げられることはまず無かった書籍に関して、一部コンビニで新しい動きが生じている。

詳しくは【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる(前編:各社編)(2015年)(最新)】で説明しているが、スリーエフで書籍を中心としたミニ書店化形態が売上・集客の点で成果が出たことから、今後さらにそのスタイルの拡大が明言されている。またローソンでも1000店舗をめどに書籍中心の専用棚設置が計画されており、今後非食品項目に影響を及ぼす可能性が出てきた。地域書店の閉店が相次ぐ中、うまく出版物の需要をコンビニがすくい取ることができるのか、注目したい動きではある。

各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供されるいれたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンにおけるドーナツも良い例)は順調に成長を続けているが、今なおあくなき探求は続けられている。例えば昨今ではインターネット経由の注文も絡み、年賀状の印刷サービスに絡んだ動きが顕著化している。まさに現代の万屋(よろずや)のようですらある。

イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。


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