カロリー、たんぱく質、炭水化物…主要栄養素等の摂取量をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/11/19 05:11

先行記事【成人男女の魚介類・肉類の摂取量をグラフ化してみる】で主な食品種類別の、男女・年齢階層別の摂取量の現状と過去との比較を行い、食材の面から食生活の動向を確認した。今回は同じような切り口で食品種類では無く、栄養素の観点から状況の把握を行うことにする(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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今回対象とする栄養素などは、エネルギー(カロリー)、たんぱく質、炭水化物、カルシウム、そして脂質。食品パッケージに表示されている栄養成分表示表ではお馴染みの値。塩分(ナトリウム)も良く見かける値だが、先行記事【一日の平均食塩摂取量は男性11.0グラム・女性9.2グラム(2016年)(最新)】で言及しているので今回は省略する。

また良い機会でもあるので、直近となる2015年分、10年前の2005年分に加え、厚生労働省の公式サイトから直に取得可能な最古の値となる1999年分も併記し、より長い期間での動向を見極めることにする。そして男女間では栄養素の取得動向で大きな違いがあるため、今回は男女それぞれ別途に精査を行う。なお今件における「総数」とは未成年者も含めた全年齢層の合計を指していることに注意。

まずは男性。

↑ エネルギーの摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、kcal)
↑ エネルギーの摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、kcal)

↑ たんぱく質の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、g)
↑ たんぱく質の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、g)

↑ 炭水化物の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、g)
↑ 炭水化物の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、g)

↑ カルシウムの摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、mg)
↑ カルシウムの摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、mg)

↑ 脂質の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、g)
↑ 脂質の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1日あたり、g)

エネルギー摂取量はこの16年で漸減。ただし未成年層では横ばい、むしろ増える動きもある。たんぱく質やカルシウムの減り方は著しく、炭水化物はさほどでもなく、未成年者ではむしろ増える動きすらある。嗜好品に多い脂質は全体的に横ばい、若年層では増加も見受けられる。

もっとも古い値となる1999年分から2015年分への変移を算出したのが次のグラフ。

↑ 栄養素等の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1999年から2015年への変化率)
↑ 栄養素等の摂取量の平均値(男性・年齢階級別)(1999年から2015年への変化率)

特にたんぱく質とカルシウムの減退が大きいこと、脂質はあまり減っておらず、むしろ増加する年齢階層があることが分かる。これは食生活が貧相化しているわけではなく、食の多様化や必要栄養素の変化によるところが大きい(全体的には肥満化傾向にある、同調査で継続精査されている歩行数が減少気味なのが何よりの証拠)。具体的な食品の摂取動向を見ると、調味嗜好飲料類(調味料や飲料水)、菓子類、果実類などの摂取量が増えているのも確認できる。また、社会生活における便宜性の上昇で必要なエネルギー量が減っていることや、栄養素等摂取量の調査に関して計上されない、強化食品及び補助食品からの摂取量が増えているのも要因として考えられる。

続いて女性。

↑ エネルギーの摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、kcal)
↑ エネルギーの摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、kcal)

↑ たんぱく質の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、g)
↑ たんぱく質の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、g)

↑ 炭水化物の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、g)
↑ 炭水化物の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、g)

↑ カルシウムの摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、mg)
↑ カルシウムの摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、mg)

↑ 脂質の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、g)
↑ 脂質の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1日あたり、g)

エネルギー摂取量が減退しているのは男性と変わらず。ただし中堅層までの減り方が男性よりもいくぶん大きいように見られる。たんぱく質とカルシウムの減退の度合いが大きいこと、脂質がむしろ増加する年齢階層があるのも男性同様。ただしこちらは男性よりもやや勢いが大きな上昇にも見受けられる。他方、炭水化物は男性よりも大きな減少ぶりが見えているのが気になる。

男性同様にもっとも古い値となる1999年分から2015年分への変移を算出すると次の通りとなる。

↑ 栄養素等の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1999年から2015年への変化率)
↑ 栄養素等の摂取量の平均値(女性・年齢階級別)(1999年から2015年への変化率)

男性よりも明らかに大きな下げ率を示している(縦軸の仕切りは同じなので見た目で単純比較ができる)。プラス領域にあるのは5項目のみ、20%を超えた下げ幅を示す項目も多数に登っている。全体的に着色されている面積が多いことから、広範囲に渡る減退が生じている。特に未成年者や炭水化物の減り具合が男性と比べて大きい。

これも男性同様食生活の多様化や必要栄養素の変化が要因だが、女性の場合は(詳しくは先行記事で解説しているが)肥満の者が減り、やせの者が増える傾向が確認されている。スリム化が進んでいると見て良いだろう。



今件はあくまでもいくつかの栄養素の平均的な摂取量の動向であり、食生活全般の変化すべてを表しているわけでは無い。本文中で言及の通り、食の多様化やライフスタイルの動きに従う形で、摂取量が変化していると見た方が道理は通る。また、上記で言及している通り、ライフスタイルの変化で必要エネルギー量が減少していることに加え、今件の栄養素等摂取量の調査に関して反映されていない、強化食品及び補助食品からの摂取量が増えているのも要因として否定できない。

他方、男女とも他の栄養素よりも減退動向が大きいたんぱく質やカルシウムに関しては、食文化の変化に寄るところとはいえ、気になるレベルの動きではある。食の彩りを添える、変化を持たせることも合わせ、ある程度意識した献立作りをするのも良いかもしれない。


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