大人の朝食欠食、男性14.4%・女性9.8%(2014年)

2014/12/21 14:00

厚生労働省は2014年12月9日、「平成25年国民健康・栄養調査結果の概要」を発表した。それによると調査当日(特定の1日)において朝食を欠食した成人は男性で14.4%・女性9.8%に達していることが分かった。朝食欠食率は男女とも20代をピークとし、それ以降は歳を経るにつれて減る傾向がある。中期的な流れでは女性は全世代、男性は30代以降で増加していたが、男性の高齢層や女性の一部世代では、ここ数年に限れば減少する傾向も見せている(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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若年層「何も食べない」、歳と共に「菓子・果物等のみ」増加の朝食欠食実情


世間一般的には朝食も含め一日三食定期的な食事を摂ることが望ましいとされている。特に朝食は個人差もあり摂らない方が健康的な日常生活を過ごせる人もおり、またそれを推奨する健康法も存在するが、概して摂らずにいると日常生活上のリズムが崩れ、体調にもマイナスの影響を及ぼすとされている(空腹感から昼食や夕食の量が増え、いわゆる「ドカ食い」となり、身体には良くないとする話もある)。

今件は調査実施当日において(≒日常的に)朝食を欠食したか否か、欠食した場合はその具体的な内容について尋ねた結果をグラフ化したもの。なお「欠食」とは単に「一切の飲食をしなかった」だけでなく「タブレットなどによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみ」「果物や菓子、乳製品などの食品・飲料のみを食べた場合」も含まれる。時間の都合や健康法などの理由から、これらを朝食に常食している人の中には「自分も欠食扱いになるとは」と驚く人もいるかもしれないが、調査の仕様ということでご容赦願いたい。

↑ 朝食の欠食率内訳(20歳以上、男女・世代別)(2013年)
↑ 朝食の欠食率内訳(20歳以上、男女・世代別)(2013年)

男性は出勤で朝の時間帯において忙しくなる場合が多いことから、特に20-40代で女性を大きく上回る値を示している。総数でも男性の方が5%ポイントほど欠食率が高い。

欠食の内訳をみると20代、特に男性は従来よく言われている「欠食」を意味する「何も食べず」の比率が高い。そして男性は30代から40代までその傾向が続くが、女性は30代以降になると「何も食べず」の割合が大きく減る。女性は多分に健康志向(とりわけダイエット的な目的)で、乳製品や果物のみを食する朝食を摂っているものと考えられる。

一方で世代別動向をよく見ると、男女とも50代までは高め、60代以降は大きく減る、そして女性は20代でひときわ高い値を示している。男女・世代別の就業状況を思い返すに、多分に朝の出勤時における多忙感が、朝食欠食の状況を生み出していることが想像できる。

冒頭に言及の通り、健康法や体調によるところもあるが、男性では2割、女性でも1割強が「まったく食事をしない」朝食欠食をしている。十分以上の留意が必要な値ではある。

中長期的な流れを確認


世代別の動向について今回の資料では2003年分以降の値が公開されていたこともあり、それをグラフ化したのが次の図。移動平均により平滑化しているが、2013年分は単年分であることから、一部属性でイレギュラーな動きが出てしまっているものの、大よその流れはつかみ取れる。

↑ 朝食欠食率(2003-2013年、男性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)
↑ 朝食欠食率(2003-2013年、男性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)

↑ 朝食欠食率(2003-2013年、女性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)
↑ 朝食欠食率(2003-2013年、女性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)

性別・世代別の動向は2013年分に限らず、中期的に大きな変化は無い。つまり男性は20代が高く、それ以降は経年で少しずつ減り、60代以降で大きく減退。女性は20代が飛びぬけて高く、30代で大きく減り、それ以降は漸減していく。いずれも就業状況との密接な関連性を想起させる値である。

一時期大いに社会問題として取り上げられていた状況からも分かる通り、大よその世代で朝食の欠食率は経年で上昇していた。今件では未成年者の動向は不明だが、成人に限れば男性20代こそ変化は無いものの(元々高いためそれ以上は上がりようが無かった)、それ以外の世代・性別では朝食欠食率は大よそ上昇の傾向にあった。その後啓蒙活動の展開などが効果を発揮したのか、2010年前後から男性は高齢層で減少、30代から40代で頭打ちとなり、女性は減少率に違いはあるものの大よその世代で減少の傾向を示している。

もっとも男性40代は横ばいのままで、男女とも50代は漸増の動きを継続しており、留意が必要な状況ともいえる。「朝食欠食」の内情までは経年データとしての公開は無いので断定はできないが、上記の通り2013年分の限りでは多分に就業時の多忙さが朝食の欠食状況の主要因と考えられることから、男女とも50代の忙しさが継続しているとの考え方も出来よう。



成人以降の朝食欠食は、ダイエットにせよ多忙にせよ、自己責任の部分が大きい。欠食の内情や経年変化を見る限りでは、男性は仕事の忙しさ、女性はそれに加えてダイエットなどの思惑により朝食を抜いていることが想像できる。

出来れば三食欠かさず食するのがベスト。個々の身体的などの事情でそれがかなわぬ場合をのぞき、朝の出勤前の時間が十分に取れない状況は理解できるものの、工夫を凝らして朝食を、せめて乳製品や果物などで補完的な飲食を摂るぐらいは果たして欲しいもの。今件データの限りでは、それらの摂取では「欠食」判定されてしまうが、何も摂らないよりははるかに良いに違いない。


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