使わない人約3割…20代の電子マネー利用実情を探る(2015年)(最新)
2015/12/09 13:05


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今調査は2015年10月2日から8日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比・20代前半と後半の仕切りで均等割り当て。調査協力機関はネットエイジア。なお今件で取り上げる「電子マネー」に係わる具体的な定義は調査そのものでは行われていないため、世間一般に「電子マネー」と表現され、当てはまるものを対象とする。
さてその電子マネーの利用状況について、普段から使っているか、使っている場合は何種類かを聞いた結果が次のグラフ。利用状況は大よそ7割。1種類のみの人が多数で1/3を超えているが、3種類以上を普段から使いこなしている人も1割以上いる。

↑ 現金以外の支払い方法として、普段使っている電子マネーの種類(2015年)
男女別ではやや男性の方が利用性向が上、20代前半と後半では前半の方だが、正直誤差の範囲。むしろ20代では前半後半・男女を問わず、電子マネーが7割ほどの間で普及浸透していると見た方が素直な解釈といえる。
冒頭の通り電子マネーには多種多様なメリットがあるが、未対応の店舗では利用できない、現金の手渡しと比べて読み込みなどの作業に手間取る場合があるといった、マイナスの要素もある(駅改札でなかなかICカードを読み込まずに列の流れを止めてしまい、気まずい経験をした人も多いはずだ)。そこで現金・電子マネーの支払いにおける意識・同意度合いについて、5つの項目で確認をしたのが次のグラフ。普段から電子マネーを使っている人と使っていない人の別々に仕切り分けした結果も併記してある。

↑ 現金・電子マネー支払いに関する意識、同意度合い(2015年、電子マネーを普段使うか使わないか別)
電子マネー利用による最大のメリット、財布の小銭が少なくなる点は使っている人・居ない人共に多数が同意を示している。否定派は3割程度しかいない。他方、電子マネーの利用で得られるポイントを目当てに、現金より電子マネーをよく使う傾向については、普段から使っている人は6割強が肯定しているのに対し、使っていない人は3割にも満たない。ポイント稼ぎのために電子マネーを使うことの是非が、電子マネーを普段から使う・使わないの違いにも表れているようだ。
盗難や小銭の落下、見た目の「お金持ち感」など、現金、特に小銭の持ち歩きよりは電子マネーの方が安全であるとの考えは、普段から使っている人でも4割に満たない。自前の利用でないとロックが外れないような方式ならともかく、第三者の取得による流用リスクは基本的にプリペイドカードと同じため、落としたり盗まれるリスクの軽減恩恵はあまり無いと認識されている。
冒頭で触れた事例「現金即決では無く電子マネーでの支払いの場合、認識エラーやトラブルなどで後ろに並んでいる人の迷惑になるかもしれない」と懸念を持つ人は7割超え。これは普段から使っている人・使っていない人でほぼ同率。現金でも類似のトラブル(財布から小銭などを出すのに手間取る)は生じ得るのだが、電子マネーは原則タッチで一瞬に決済できることから、それができない場合の待ち時間が余計に長く思えてしまうのだろう。
昨今では電子マネー支払いの機会も増えたため不可能ではないが、チャージの頻度が高くなるのが「最悪の場合現金が無くとも電子マネーで生活可能」との設問。これは電子マネーを使っている人の同意率がやや高いものの、それでも3割強でしかない。電子マネーを使いこなせば相当便利には違いないが、完全に現金とおさらば的生活はまだまだ難しいようだ。
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