3/4は「自分の家、やっぱり欲しいね」、要らない人は「住み替え希望」「ローンが怖い」

2015/12/02 10:47

内閣府は2015年11月30日、住生活に関する世論調査の結果を発表した。それによると調査対象母集団においては3/4が住宅の所有に肯定的であることが分かった。否定的な人は2割足らずに留まっている。その否定的意見を持つ人に具体的理由を聞いたところ、もっとも多いのは「家族の状況の変化に合わせて住み替えたい」、次いで「多額のローンを抱えたくない」が続いている(【発表リリース:住生活に関する世論調査】)。

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「自分の家、やっぱり欲しいね」は多数派


今調査は2015年10月1日から11日にかけて、層化二段無作為抽出法によって選ばれた日本国籍を有する20歳以上の人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行われたもの。有効回答数は1736人。男女比は809対927。世代構成比は20代153、30代237、40代286、50代281、60代371、70歳以上408。

現在住宅を所有しているか否かは別として、また一戸建て・分譲マンションを問わず、住宅の所有についてどのように考えているかを聞いたところ、所有を希望する、肯定的な意見を持つ人は74.9%に達した。否定的意見を持つ人は16.5%と2割にも届かない。

↑ 住宅の所有についてどのように考えるか(2015年10月)
↑ 住宅の所有についてどのように考えるか(2015年10月)

男女別では大よそ男性の方が肯定派が多く、年齢階層別では歳を経るほど肯定派が多くなる。実際に住宅を所有している人の割合も、当然年上の方が多いことから、現状を認識する人が多くなるのだろう。また住宅取得の際、そして取得後の金銭的負担の大きさを敬遠する動きが、若年層ほど大きいと考えられる(否定者数が少数のために年齢階層別の傾向にはぶれが多分に生じるものの、それらしい動きは確認できる)。

ただし50代以降になると強い否定派が増加する傾向にあることも注目に値する。賃貸住宅住まいの人が自分の平均余命を勘案して、住宅を取得した場合の負担とメリットを天秤にかけ、不必要な結果が出る人が増えていると考えれば道理は通る。

これを回答者の世帯構成や現在居住している住宅の種類別に見たのが次のグラフ。

↑ 住宅の所有についてどのように考えるか(2015年10月)(世帯構成・現在居住形態別)
↑ 住宅の所有についてどのように考えるか(2015年10月)(世帯構成・現在居住形態別)

単身世帯では住宅所有の願望は低く、5割台でしかない。これが夫婦世帯、さらに子供や親世帯との同居となると住宅所有の願いは強くなる。また、全般的に現在住宅を所有している人ほど住宅所有には肯定的で、賃貸住宅住まいの人は否定的な回答率が高くなる。賃貸住宅住まいを満喫している人が多く、住宅の所有には否定的な人が多いということだ。

なぜ「住宅所有は希望しない」のか、その理由


住宅所有は希望しない、賃貸住宅住まいで構わないとする意見は少数派。ではその人たちに、なぜ所有を願わないのか、選択肢の中から理由を一つ挙げてもらったのが次のグラフ。「*」マーク付きの属性は回答数が少数のため、参考値として見てほしい。

↑ 所有する必要はないと思う理由(2015年10月、該当者限定、択一)
↑ 所有する必要はないと思う理由(2015年10月、該当者限定、択一)

全体でもっとも多い意見は「多額のローンを抱えたくない」で20.9%。次いで「家族の状況が変化するに連れて、その状況に合わせて住み替えたいから」で19.2%、「維持や管理のわずらわしさが無いから」が17.8%。この3つが大よその理由で、それとは別に「特に無し」が17.1%存在する。金銭的負担、家族の変化に合わせた住居環境の差し換え、そして面倒くさいからと、いずれも納得できる理由ではある。

所有否定派の回答者数が少ないため、年齢階層別の動向は確認できないが、性別では男性がローンへの不安を強く訴えているのに対し、女性は家族に合わせた住み替えや維持管理の面倒を上位に挙げている。男女における取得住宅に対する「負担」の違いが見えてくる。

家族構成別では一人暮らしは維持管理とローンを重点的に挙げ、複数人数世帯ではローン以外に家族構成の変化に伴う住み替えを希望する声が大きい。これもまた納得できる動向ではある。

なお一部報道で伝えられたローン負担に関する経年変化だが、類似調査が行われた11年前の値と比較した結果は次の通り。前回調査分は全体値と男女の値しか取得できないので、このような形となっている。

↑ 所有する必要はないと思う理由(該当者限定、択一)
↑ 所有する必要はないと思う理由(該当者限定、択一)

全体ではローン負担への懸念が減り、「特にない」「分からない・その他」が大きく増えている。特段の理由も無く住宅所有は好まない人が増えている次第である。男女別でも大きな違いは無いが、特に女性でローン負担の値が大きく減り、その分「分からない・その他」が急増しているのが分かる。価値観の変化の表れかもしれない。



やや余談ではあるが、単純比較ができる過去2回分の調査結果と合わせ、住宅所有に対する考え方の全体的な傾向推移を見たのが次のグラフ。

↑ 住宅の所有についてどのように考えるか
↑ 住宅の所有についてどのように考えるか

調査毎の期間が多分に開いているものの、住宅所有を肯定する意見は少しずつ減っているようにも見える。ただし弱い肯定派が増加する動きもあり、強い肯定派の漸減以外は誤差の領域とも判断できる。別調査では確かにとりわけ単身世帯で現在賃貸住宅暮らしの人の住宅所有性向は減少中との結果が出ているので、それが影響しているのだろう。


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