1990年以降の世界の二酸化炭素排出量比率をグラフ化してみる(2014年)

2014/11/21 14:00

二酸化炭素の増加による地球温暖化リスクについては、電力事情の変化やそのリスクの実体性を後押ししていた論説の信ぴょう性の問題もあり、昨今では以前ほど話題に登ることは無くなりつつある。それでもなお当サイトでは、国際エネルギー機関(The International Energy Agency (IEA))が発行している公的資料「CO2 Emissions from Fuel Combustion - Highlights-」を元に、世界主要国の二酸化炭素排出量を定期的に精査している。各国の工業化、公害対策の進展などを推し量ることが出来るのが最大の理由。今回は排出量主要国における、中期的な動向を確認していくことにする。

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まずは主要国(中国、アメリカ、インド、ロシア、日本、ドイツ、イラン、カナダ、韓国)の経年における二酸化炭素排出量推移。1990年以降、データがある年のもののみをプロットしている。またロシア・ドイツは1990年のものは多少のぶれが生じている(冷戦終結時の国境線書き換えも含めた、対象領域の変化)ことや、中国は原則的に2000年より前のものは香港を含めず、それ以降のものは含んでいる(平均値周りのものは中国本土のみ)ことに留意してほしい。

↑ 世界の二酸化炭素排出量(億トン)(1990年-2012年時点、IEA調べ)(上位国のみ)
↑ 世界の二酸化炭素排出量(億トン)(1990年-2012年時点、IEA調べ)(上位国のみ)

中国の急上昇ぶり(増加率、増加量)やアメリカ合衆国の昔からの値の大きさ、そしていくつかの先進諸国における技術革新・公害対策などによる効果が出ているのが確認できる。日本やドイツは元々排出量が(今グラフ中では)少なめなポジションなのに加え、それでもさらに値を削っているのが見て取れる(もっとも2008年から2009年にかけての減少は、景気後退によるところも小さくない)。

続いて全世界比の推移。

↑ 世界の二酸化炭素排出量比率(1990年-2012年時点、IEA調べ)
↑ 世界の二酸化炭素排出量比率(1990年-2012年時点、IEA調べ)

世界全体の排出量との比率の上でも、中国の増加、アメリカの漸増から漸減への転換、インドの漸増が見て取れる。またドイツや日本は漸減状態にあることが確認できる。特に中国は、今グラフでは一部年数の区切りが異なるとはいえ、確実にその値を増やしているのが容易に把握できる状況となっている。

なお日本が2011年以降わずかだが増加に転じているのは、震災起因による発電方式の状況変化に伴い、二酸化炭素排出量が増えているのを受けての結果である。先行別途記事で解説しているが、特に天然ガスの燃焼による排出量の増加が著しい。

最後に「一人当たりの」二酸化炭素排出量推移。こちらは折れ線グラフでは分かりにくいところもあるので、棒グラフで各国推移を見ることにする。

↑ 一人当たりの二酸化炭素排出量(1990年-2012年時点、排出量上位国、IEA調べ)(トン/年)
↑ 一人当たりの二酸化炭素排出量(1990年-2012年時点、排出量上位国、IEA調べ)(トン/年)

アメリカやカナダは高めの水準だが、それでもじわじわと値を落としていること、ドイツや日本も同様に今世紀に入ってからは削減効果が出始めていることが読み取れる(ただし2011年は上昇。震災による電力事情の影響が出ている)。一方で韓国は急速に値を増しており、そのカーブに近い傾斜で中国が増加しているのが目に留まる。

中国の人口数を考慮すれば、この傾斜が何を意味するのか、今記事一つ目のグラフと照らし合わせれば容易に理解できるはずだ。また、人口の観点で考慮すると、今グラフでは傾斜こそ現時点ではゆるやかなものの、インドの動向も気になるところではある。


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