相次ぐ台風の影響で来客数減少も、連休効果で中食好調…2015年9月度のコンビニ売上高は既存店が1.3%のプラス、6か月連続

2015/10/21 04:00

日本フランチャイズチェーン協会は2015年10月20日に、コンビニエンスストアの同年9月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は既存店前年同月比でプラス1.3%となり、6か月連続のプラスを示すこととなった。台風17号・18号の影響や気温が低めに推移したことから、来客数は今一つだったものの、カウンター商材の堅調や連休による中食需要の増加を受けて客単価がアップ、売上に貢献する形となった(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

スポンサードリンク


今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は6か月連続のプラス、全店は31か月連続のプラス
全店ベース……+4.9%
既存店ベース…+1.3%

●店舗数(前年同月比)
+3.4%

●来店客数:既存店は3か月ぶりのマイナス、全店は54か月連続のプラス
全店ベース……+2.2%
既存店ベース…−1.2%

●平均客単価:既存店は6か月連続のプラス、全店も6か月連続のプラス
全店ベース……+2.6%(609.2円)
既存店ベース…+2.6%(598.5円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+3.1%
加工食品……+0.9%
非食品………−2.3%
サービス……+13.6%
合計…………+1.3%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

9月は8月の中旬以降の冷夏的な気温低迷の傾向を引き継ぐ形となり、涼を求める人達の来店による集客効果は期待外れのものとなった。また台風17号・18号が相次ぎ日本に接近し、特に18号は日本を縦断する形で上陸し、「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名されるほどの大きな被害を、関東・東北地方を中心に与える形となった。当然来客数は足を引っ張られる形に。

一方でその気温の低下や、中旬から下旬にかけての大型連休(いわゆるシルバーウィーク)などが行楽需要を大きく盛り上げ(奇跡的に連休中はほぼ好天に恵まれた)、おにぎりやお弁当、総菜などの中食が大きく伸びる形となっている。また淹れたてコーヒーをはじめとしたカウンター商材(コーヒー以外は中華まんやドーナツ、揚げ物などカウンター周辺に配される商品群)も堅調に推移し、客単価は伸び、結果として売上も前年同月比でプラスに落ち着く形となっている。

なお昨年同月の2014年9月は消費税率引上げ後6か月目に相当するが、その時の非食品はマイナス3.5%。今回月はこの値と比較することになるため本来なら反動による底上げがあってもおかしくないが、その前提の上でも今回月ではマイナス2.3%と落ち込んでいる。非食品項目の多くを占めるたばこの売上が、前年からさらに落ち込んでいるとの推測もできる(もっとも報告書には特記事項は無い。また雑誌に関する言及も無い。すでに「いつもの事」と認識されてしまっている可能性は高い)。

商品構成別の売上高の動向を確認すると、淹れたてコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス3.1%、加工食品はプラス0.9%、非食品はマイナス2.3%となった。客数がマイナス1.2%であることから、計算を単純化するためにシンプルにその分を考慮して考えると、日配食品や加工食品は実質面でもそこそこ売り上げを伸ばしている、非食品は落としていることが分かる。またサービスはプラス13.6%と大きな伸びが確認できるが、これはシルバーウィークに絡んだ各種チケットなどや航空券、宿泊券によるものと考えれば道理は通る。

昨年夏まではガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の安値化に伴いガソリン代もそこそこの値で落ち着いており、その観点における心配は薄れている。一方でここ数年来懸念されていたたばこや雑誌の売上の減退、集客力の縮小は継続中で、歩みを止めるようには見えない。

セブンカフェ&ドーナツかつてコンビニの集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。ただし年次ベースなら、たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推測することはできる(【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる】)。恐らく2014年分も昨年分、あるいはそれ以上に売り上げを落としているに違いない。

代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供されるいれたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンにおけるドーナツも良い例)は順調に成長を続けているが、今なおあくなき探求は続けられている。例えば昨今ではインターネット経由の注文も絡み、年賀状の印刷サービスに絡んだ動きが顕著化している。まさに現代の万屋(よろずや)のようですらある。

イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。


■関連記事:
【たばこ・雑誌からコーヒー・カードへ…今年の一年のコンビニ動向を振り返ってみる(2013年)】
【コーヒー飲料の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2015年)(最新)】
【メビウスは20円プラス…日本たばこ産業、消費税率アップで4月1日からたばこ値上げへ】
【コンビニ四天王の売上高などをグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー