学校図書館の蔵書平均冊数や図書購入費をグラフ化してみる(2015年)

2015/04/18 15:00

趣味趣向の多様化やスマートフォンをはじめとするデジタル機器の浸透、出版業界の低迷などを受け、子供達の間には本離れが進んでいると言われている。ではその「子供の本離れ」は本当に生じている事象なのだろうか。今回は環境面からの観点として、学校図書館にスポットライトを当て、学校図書館の蔵書の平均冊数や学校における図書購入費の動向を、【全国学校図書館協議会の資料データページ「図書館に役立つ資料」】における「「2014年度学校図書館調査」の結果」から確認していくことにする。

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学校図書館の図書数は漸増している


次以降のデータは全国学校図書館協議会が、全国の学校図書館関係者の協力によって毎年実施している調査結果を抽出したもの。まずは学校図書館の平均蔵書冊数。直近の2014年度分では小学校で9601冊、中学校で1万1874冊、高等学校で2万5524冊となった。

↑ 平均蔵書冊数(冊)
↑ 平均蔵書冊数(冊)

↑ 平均蔵書冊数(万冊、直近10年)
↑ 平均蔵書冊数(万冊、直近10年)

いくぶんの振れがあるものの、小中高共に冊数は漸増状態にある。書籍は永遠にその状態が維持されるわけでは無く、使用に耐えきれない程劣化したものも出て来るし、不祥事や事故、事件などで失われてしまうものもある。同時に毎年時節に合わせる形で、あるいはリクエストに応えて新しい書籍が入荷され、新陳代謝が行われている。この過程の中で、少しずつ増強されていくようすがうかがえる。

冊数では圧倒的に高等学校が多く、小学校と中学校ではあまり差異がみられない。高校になると取り扱う分野も多様に及び、小中学校のような体制ではカバーできないからだろう。

予算は横ばい、高校は漸減


図書館の書籍は寄付などによって増強される場合もあるが、多くは組まれた予算の中で時節やリクエストに応じる形で購入され、新しく蔵書として加わることになる。その予算の執行額(予算額を経て実際に執行された額)は、直近の2013年度分では小学校で52.7万円、中学校で73.8万円、高等学校で82.0万円となる。

↑ 図書購入費(決算額、万円)
↑ 図書購入費(決算額、万円)

↑ 図書購入費(決算額、万円、直近10年)
↑ 図書購入費(決算額、万円、直近10年)

小中学校の予算はほぼ横ばいで推移しているが、高等学校は2008年度辺りまでは漸減傾向にあった。記録が取得できる1999年度から2008年度までの間に、大よそ40万円程の減少を示している。あくまでも平均額なので高校の特性の変化や教育方針・予算配分のシフトがあったのだろうが、それにしても小さくない額に違いない。また消費税率の引上げや、書籍単価の上昇を考えると、今後はさらに厳しい購入動向が予想される。



公営図書館では数年前にニュースとして取り上げられた某日記の事件に限らず、蔵書を乱暴に扱い、あるいは故意で棄損する事件をよく見聞きする。学校内図書館の図書で似たような事案が発生しているかは定かではないが、自分自身の所有物で無い書籍だからと粗雑に扱う事例が皆無とは考えにくい。

書籍は知識、情報、書き手の想いが詰められたもので、大切に扱うことで自分より後の人達にまでその内容を伝え続けることができる。いわば歴史をつづり、歴史と共に生きていく存在である。たとえそれが図書館の図書であったとしても、慈しみを忘れずに接することを心掛けたいものだ。


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