若者と高齢層、大きく異なる「老後の生活資金源」構想(2015年)(最新)

2015/11/28 11:07

企業の役員や相談役など相応の地位に就く、あるいは新たな財を生み出す資産を取得していれば話は別だが、多くの人は歳を取るに連れて就業年齢時と比べて能力が衰えることから、就業収入を得難くなり、生活の糧をこれまでとは違った手法で得ることを考える必要がある。人生設計、ライフプランなどとして良く知られている、自分自身の一生におけるそろばん勘定をする際には、欠かせない考え方である。今回は金融広報中央委員会の「知るぽると」が発表した「家計の金融行動に関する世論調査」の最新版公開値を元に、一人暮らしか世帯持ちか、そして世帯主の年齢階層における老後の生活資金源に関する考え方の相違を見ていくことにする(【知るぽると:調査・アンケート公開ページ】)。

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夫婦世帯では若年層ほど低い公的年金への信頼度、将来働く意欲は高い


「家計の金融行動に関する世論調査」は全体値としての最新値は2015年分だが、年齢階層区分までの詳細な値は、現時点では2014年分まで公開されている。そこで今回は直近値として2014年分に関する精査を行う。全体に関する最新値の分析は【独身世帯で減る公的年金への信頼、夫婦世帯で増える老後の再就職希望(2015年)(最新)】を参照のこと。

まずは二人以上世帯における世帯主の年齢区分別・老後における生活資金源。場合によってはすでに老後に突入している人もいるため、「老後の想定」以外に「すでにその資金源で生活している」人も含まれる。特に高齢層は、現状を示している場合が多いと見て良い。

↑ 老後における生活資金源(3つまでの複数回答、2014年、二人以上世帯、世帯主年齢階層別)
↑ 老後における生活資金源(3つまでの複数回答、2014年、二人以上世帯、世帯主年齢階層別)

公的年金をもっとも頼る人が多いのは明らかだが、高齢者ほどその値が高い。逆に20代では5割をようやく越した程度。見方を変えると若年層ほど、公的年金への期待ができないとの意識を持っていることになる。一方、若年層ほど就業収入や企業・個人年金・保険金の値が高く、公的年金以外の手立てで老後を支えていくとの意志が見えてくる。金融資産の取り崩しは年齢を問わず一定率を維持している。

気になるのは絶対値としては少数だが、公的援助、具体的には生活保護などと回答する事例が、若年層ほど多いこと。20代では12.0%と1割を超えている。今件は「主な生活資金源」として3つまでを挙げてもらった結果であることから、「20代の1割強は、自分の老後において生活保護などを受けることを前提として考えている」ことになる。

調査データには多様な属性の回答値が収録されているが、そのうち高齢年金生活者に近しい属性、具体的には「世帯主の就業先産業別」で無回答、「(世帯の)就業者数別」で就業者無しの世帯における動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 老後における生活資金源(3つまでの複数回答、2014年、二人以上世帯、高齢年金生活者世帯と思われる属性)
↑ 老後における生活資金源(3つまでの複数回答、2014年、二人以上世帯、高齢年金生活者世帯と思われる属性)

大よそ年金生活による夫婦世帯の生活資金源の内情を推し量れるが、公的年金がもっとも多く、次いで企業・個人年金・保険金、そして金融資産の取り崩しが続く。利子配当や不動産収入、子供などからの援助は、少なくとも主要な3資金源として挙げる人は少数。公的援助は3%前後となっている。

単身世帯でも若年層の公的年金への不信感は変わらず


単身世帯の動向は次の通り。年齢階層別仕切りが60代までで、ほぼ年金生活者で占められる70歳以上の階層区分が無いのが残念だが、大よそ60代が類似動向のものとして判断できる。

↑ 老後における生活資金源(3つまでの複数回答、2014年、単身世帯、世帯主年齢階層別)
↑ 老後における生活資金源(3つまでの複数回答、2014年、単身世帯、世帯主年齢階層別)

大勢は二人以上世帯と変わらないものの、公的年金への信頼感はより低く、30代までは5割に届かない。さらに企業・個人年金・保険金への期待度も10%ポイントほど低め。金融資産の取り崩しはあまり変わらず、代わりに利子配当や不動産収入への期待がいくぶん高くなっている。

気になるのは公的援助の回答値の高さ。二人以上世帯では20代のみに限定された1割超えだが、単身世帯では50代まで1割超えを維持、しかも40代では14.8%もの高値を付けている。20年前後は先になるであろう老後の生活資金源に係わる将来設計で、すでに生活保護を念頭にしている人が15%近くもいる状況は、憂慮すべき話に違いない。


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