持家か賃貸か、自分で買ったか遺産相続か…居住住宅の実情をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/11/28 05:30

購入あるいは取得する・している人にとって、住宅は個人ベースでは最大級の資産となる存在であり、日常生活の要であると同時に人生設計における大きな要素にもなりうる。メンテナンスや改築に備えた費用計上、場合によっては固定資産税も必要だが、賃貸住宅住まいにおける家賃の支払いと比べれば安上がりで済むことも多く、何より「自前の資産」を取得している強みがある。居住に係わる持家・賃貸状況は複数の調査結果で明らかにされているが、今回は金融広報中央委員会の「知るぽると」が2015年11月6日に発表した「家計の金融行動に関する世論調査」の最新版となる2015年版をはじめとした各種公開値を元に、居住住宅の状況やその内情を確認していくことにする(【知るぽると:調査・アンケート公開ページ】)。

スポンサードリンク


最新値となる2014年分の年齢階層別動向


2015年11月6日に公表された2015年版は、半ば速報値的なもので、各詳細属性の値まで確認できるのは、現時点では2014年分まで。そこで2014年分における、単身世帯・二人以上世帯それぞれの、世帯主(単身世帯の場合は当然当人)における、居住状況を確認する。仕切り分けは「自身購入持家」「相続・贈与持家」が持ち家、「親・親族に居候」が非持ち家で賃貸以外、「民間賃貸」「公団公営賃貸」「官舎社宅」が賃貸、「間借その他」「無回答」がその他。

↑ 住居の状態(単身世帯、2014年、世帯主年齢階層別)
↑ 住居の状態(単身世帯、2014年、世帯主年齢階層別)

↑ 住居の状態(二人以上世帯、2014年、世帯主年齢階層別)
↑ 住居の状態(二人以上世帯、2014年、世帯主年齢階層別)

青系統が持ち家、赤系統が賃貸その他。大よそ単身・二人以上世帯共に、歳を経るほど持家率が高くなる。年上になるほどその親も高齢化し、遺産相続などによって住宅を譲り受ける機会が増えるのが一つ、蓄財や年収の増加などに連れて住宅を所有できる余裕ができるのがもう一つの理由。他方、二人以上世帯の方が持ち家率が高いのは、家族を持つことによる持家の必要性の高まり、共働きで金銭的な余裕ができやすいこと、さらに単身世帯よりも住宅を相続されやすいことが理由として挙げられる。

また単身世帯では20代において14.0%の人が官舎社宅、つまり勤め先が用意した住宅に借り住まいをしている。家賃の優遇などの措置が取られているのが主な理由だが、同世代の二人以上世帯では3.6%に留まっている。結婚した世帯では社宅住まいは、なかなか難しいところがあるのかもしれない。

単身世帯は60代の回答が上限だが、その年齢階層で比較すると、単身世帯では持家率は6割近くに留まっているが、二人以上世帯では9割に近い値を示している。高齢単身世帯に賃貸住宅住まいの人が多い実態は、他の調査でも指摘されているが、今件でもそれが裏付けられた形となる。健康面でのリスク問題をはじめ、多方面で気になる話に違いない。

経年による変化を探る


今調査では連続した形で値を追えるのが2007年分以降であることから、2007年分以降の動向に関して確認をしたのが次のグラフ。

↑ 持家率推移(単身世帯、世帯主年齢階層別)
↑ 持家率推移(単身世帯、世帯主年齢階層別)

↑ 持家率推移(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)
↑ 持家率推移(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)

実のところ、傾向だった動きは見受けられない。特に二人以上世帯ではほぼ安定した値動きを示している。単身世帯では60代で上昇から下降、30代で漸減、20代で漸増のように見える流れがあるが、まだ傾向だったものとは認識し難い。少なくとも2007年以降において、各年齢階層で持家率の動向に目だった動きは無いことは確かである。

他方、直近となる2015年はまだ公開されていないが、他の調査などでは単身世帯の若年層で、住宅取得の動きが活発化した流れがある。「家計の金融行動に関する世論調査」でその動きを確認するのには、次回更新分まで待つ必要があるが、大いに注目したいところだ。


■関連記事:
【「持ち家」数は増加傾向、ただし住宅全体に占める割合は約6割で変わらず(2014年)(最新)】
【50余年に渡る貯蓄額や年収、貯蓄の年収比の移り変わりをグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【世代別の持ち家と借家の割合をグラフ化してみる(2015年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー