国際情勢への注目は高いままだがやや下落、国内政治や企業業績などが上昇…野村證券、2015年10月分の個人投資家動向発表

2015/10/17 11:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年10月15日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年10月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で下落し、48.8を示すこととなった。株価の先行きに関しては「大規模な上昇」を見込む意見が先月と比べ大きく減少し、代わりに「小規模な増加」の意見が大きく増えている。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年10月5日から10月6日に行われたもので、男女比は83.4対16.6。年齢層は60代以上がもっとも多く36.7%、次いで50代が29.8%、40代が24.5%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く30.4%、500万円-1000万円が18.0%、5000万円以上が13.5%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が最高比率で34.0%、次いで10-20年未満が33.6%、5年から10年未満が23.3%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で44.8%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が25.5%と1/4強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は48.8ポイント。前回からは1.2ポイントの下落。前月の上昇からはわずかながらも転じる方向性の動き。この時期、日経平均株価は前月比で150円近くの上昇を示しており、さらなる上昇を予想する人は前回月と比べると大きく減少している。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で74.4%。前月分の75.0%からは0.6%ポイントの下落。こちらも投資指数同様に小さい幅ではあるが減少している。「2000円以上上昇」の回答率が前月から大きく減り、ほぼ同じ分が「1000円程度上昇」の増加として表れている。一方、「2000円程度の下落」が大きく伸びたが、その分「2000円以上下落」は減っている。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示したが、先月からは5.5%ポイントの下落。その分、「国内政治情勢」や「国内企業業績」などが大きく伸びている。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「自動車」「金融」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「消費」「通信」「電気機器・精密機器」「運輸・公共」「素材」はマイナス圏。「消費」はまだマイナス圏で今回月はやや持ち直しの向きを示している。

・ドル円相場に対する見通しは大きな変化はないものの、「やや円安ドル高」「やや円高ドル安」が増加し、その他の中規模以上の動きを示す選択肢の回答率が減少している。安定的な値動きに留まるとの考えが支配的になっている。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「カナダドル」「イギリスポンド」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はマイナス60.6をつけている。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、「国内投資信託」がいくぶん値を上げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……イオン(8267)
3位……武田薬品工業(4502)
4位……みずほフィナンシャルグループ(8411)、ANAホールディングス、ソフトバンクグループ(9984)

鉄板のトヨタ自動車は別として、それ以外の銘柄は多分に時節に合わせて上下する傾向がある。今回月ではイオンや武田薬品工業など、生活に身近、知名度の高い企業への注目が集まっているのが特徴。また金融系にも熱い視線が注がれているようだ。なおオリエンタルランド(4661)は1票差で7位の位置に付けている。



前回月と比較して中東からヨーロッパにかけての国際情勢の不安定感は相変わらずだが、状況の大きな変化が伝えられていないこともあり、市場動向もいくぶん戻しを見せる形となっている。とはいえ「国際情勢」の値が以前として高い水準であることからも分かる通り、状況が特に改善されたわけではなく、留意が必要であることに違いは無い。

日経平均株価の動向に限っても、夏の中国懸念で2万円を割り込んでからは、少しずつ回復を見せているものの、大きな戻しにはまだほど遠く、2万円どころか1万9000円にも届かない。例年ならばこれから年末にかけてそれなりの株価上昇を示すことになるのだが、今年はどのような動きを見せるだろうか。日経平均株価が目安となる2万円台へ手が届けば、雰囲気も随分と変わるのだろうが。


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