子育てに不安がある人7割超え、主な不安はお金の問題

2015/11/15 05:37

日本の人口構成における高齢化や人口減少の背景には、出生率の低下が挙げられる。概してこの傾向は日本に限った話では無く、先進国共通の問題でもあるのだが、日本では特に少子化の進行が著しい。その一因として、子育てにおいて保護者がさまざまな負担・不安を抱えているからとの指摘がある。今回は厚生労働省が2015年10月27日に発表した、人口減少社会に関する意識調査結果をもとに、その実情を確認していくことにする(【発表リリース:「人口減少社会に関する意識調査」の結果を公表します】)。

スポンサードリンク


今調査に係わる調査要項は先行記事の【理想の子供人数は2人、男性は歳を経るほど増加・女性は40代がもっとも少ない傾向】を参照のこと。

次に示すのは調査対象母集団のうちゼロ歳から15歳の子供がいる人に対し、子育てをしている中で負担を感じているか、不安があるか否かを尋ねたもの。全体としては7割強が不安や負担があると回答している。

↑ 子育ての負担・不安はあるか(2015年3月、0-15歳の子供がいる人限定)
↑ 子育ての負担・不安はあるか(2015年3月、0-15歳の子供がいる人限定)

男女別の差異はあまり無く、むしろ世代別の不安・負担の回答率に大きな差異が生じている。もっとも40代までは男性では7割強、女性では50代までが7割超え・30代から40代に限れば8割超えが不安派に属しており、不安・負担の大きさがうかがえる。さらに強度の高い不安は若年層ほど高く、歳を経るに連れて減っていく。

具体的な不安・負担要素としては、やはり金銭面での負担が大きい。現時点で出費がかさむとする意見が46.2%、子供の成長に連れて経済的負担が増加することへの懸念が40.8%となり、上位2位双方ともお金の問題。

↑ 具体的な負担・不安(2015年3月、0-15歳の子供がいる人限定、複数回答)
↑ 具体的な負担・不安(2015年3月、0-15歳の子供がいる人限定、複数回答)

子育て問題に関しては、何はさておきまずは経済的な負荷の解決を図るべきだとする一方で、それを否定する意見も少なくない。しかし今調査結果の限りでは、そして当事者の意見としては、やはり金銭的な問題がもっとも大きな重圧としてのしかかっていることが分かる。

次いで多いのは子供が病気になった時の心配。そして回答者=保護者自身の自由時間が削られてしまうこと。さらに精神的な面での疲れ、肉体的な面での疲れが続き、保護者個人の負担の大きさと拘束性の高さが負担となっていることがうかがえる。

子育て問題では良くスポットライトが当てられる「子供を通じた親同士の付き合い」「子育てへの自信が持てない」「夫婦の時間が取れない」「仕事ができない」なども不安・負担要素として挙げられているが、いずれも2割に届かない。比較論だが優先順位としては低い状態といえる。

上位2位を占めた金銭面に関して、回答者の性別・年齢階層別に仕切り分けした結果が次のグラフ。

↑ 具体的な負担・不安(2015年3月、0-15歳の子供がいる人限定、複数回答)(属性別、一部)
↑ 具体的な負担・不安(2015年3月、0-15歳の子供がいる人限定、複数回答)(属性別、一部)

大よそ男性よりも女性の方が不安度が大きく、そして持続的。また男女とも大よそ30代から40代がピークで、子供がそれなりに成長して経済的負担が大きくなる年齢で、不安などが増える実情がうかがえる。特に女性は40代までは両方の項目とも5割超が負担・不安を感じており、金銭的なプレッシャーが非常に強いことが改めて確認できる形となった。

今件はあくまでも実際に子供を有する人の不安・負担の話だが、圧迫感が強ければさらなる子供を有することを躊躇してしまう可能性は上乗せされる。また同様の不安はまだ子供を持たない夫婦も容易に想起でき、それが子供を持つことへのあきらめにもつながってしまう。

実入りを増やす、支出を減らす仕組みを作るなど、手立ては多数考えられる。不安要素の軽減化こそが、少子化問題の解決策に直結するのではないだろうか。


■関連記事:
【子供の大学進学、増える負担、親はどうする?】
【「結婚しても子供は少数」フリーターの子供保有希望数、学生や会社員と比べて少なめ】
【支援先は同居世帯に限らない、という話になりそうだ】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー