新聞を読んでいる人って、1日何分位目を通してるの?(2015年)

2015/01/18 19:00

紙媒体としての新聞の閲読率は減退中で、財団法人新聞通信調査会が2015年1月12日までに発表したメディアに関する全国世論調査によれば、直近の2014年度においては頻度を問わずに朝刊を読んでいる人は76.9%・夕刊は26.9%、毎日読む人に限るとそれぞれ55.1%・18.0%に留まっている。さらにいえばこれら「新聞を読んでいる人」に関しては、どれだけの時間を費やしているかは一切考慮されていない。今回はこの「新聞閲読者における閲読時間」を詳しく見ていくことにする(【発表リリース:2014年メディアに関する世論調査結果】)。

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新聞を読む時間は平均26分、シニア層は40分近く


今調査は2014年9月に住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3270人。

冒頭にある通り、今調査対象母集団では朝刊の毎日閲読率は5割強、頻度は問わずにとにかく読んでいる人は3/4強。夕刊だとそれぞれ1/4強、2割足らずとなる(購読では無く閲読なので、回答者自身が新聞を購入していなくとも読んでいれば該当することに注意)。このうちとにかく読んでいる人に対し、その新聞の1日あたりの閲読時間を尋ね、その平均値を算出した結果が次のグラフ。

↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2014年度、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定、分)
↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2014年度、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定、分)

平均は30分足らず。男女別では男性の方が5分ほど長く、世代別ではほぼきれいな形で歳を経るに連れて長くなる傾向がある。

前年度からの変化を見ると、1年で大きな違いは出ないと見るのが普通だが、中堅層でやや大きな減退が確認できる。閲読率そのものも中堅層、特に40代の減少が確認されているが、それと共に、目を通す時間の短縮もまた新聞離れを象徴する動きといえる。同時に10代でいくぶんではあるが伸びているのも注目に値する。

ざっとしか読まない人も多い



今調査項目は一日の閲読時間に関して、「数分」「10分くらい」「20分くらい」「30分くらい」「40分くらい」「1時間くらい」「1時間半以上」の選択肢から1つ、自分の実情に近いものを選んでもらっている。その回答状況から平均値を出したわけだが、選択肢のうち「数分」、つまり実質的にはざっと読み、あるいは自分の好みの部分にしか目を通していない(例えばテレビ欄のみ、四コマ漫画のみ、一面のみ、株式市況面のみなど)人の割合を示したのが次のグラフ。

↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2014年度、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定、「数分」の人の割合)
↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2014年度、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定、「数分」の人の割合)

全体では1割強だが、男性よりは女性の方がやや多く、そして当然ながら閲読時間が短い若年層の方が「数分」の人は多い。10代では新聞を読む人の半数が、1日あたり数分しか目を通していないと答えている。興味をそそる部分が無いのが主要因だろうが、若年層の新聞閲読層の実情は、ごく一部しか目を通していない現実を知っておくべきだろう。

逆にシニア層は「数分」の人はほとんどいない。新聞を読む人の1割足らず、70代以上では1/40に留まっている。ちなみに70代以上で1日1時間半以上読む人は1割強。10代では皆無という結果が出ている。

5年間にこれだけ減った閲読時間


今調査では毎年ほぼ同じ条件で今項目に関する問いも実施している。単純比較できる最古のデータが2009年度分なので、それと比較した上で5年間の動きを見ていくことにする。

まずは平均閲読時間の変化。減少時間を分で示したが、10代と70代以上がマイナス値、つまり増えている以外は大よそプラス、すなわち平均閲読時間が減少していることになる。

↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2009年度→2014年度の減少分、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定)
↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2009年度→2014年度の減少分、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定)

大よそ数分ずつ平均閲読時間は減っている。頻度だけでなく新聞への注力時間の点でも、新聞離れは起きているようだ。

またざっと読みと判断できる「1日の閲読時間は数分」との回答率は増加しており、新聞は読むものの、注力して隅々まで読み通す人が減っている、つまみ食い的な読み方をしている人が増えているのが分かる。

↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2009年度→2014年度の増加分、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定、「数分」の人の割合)
↑ 新聞の一日の平均閲読時間(2009年度→2014年度の増加分、属性別、朝刊や夕刊を読む人限定、「数分」の人の割合)

こちらも新聞の閲読者率同様、中堅層において増加=新聞の閲読の質的な離れが進んでいるのが目に留まる。



新聞を読む理由は人それぞれで、その理由を充足するのに必要な時間もケースバイケース。株式市況面の注目銘柄を読むだけなら10分もかからないし、地元面をじっくりと読み通すのなら数十分、社会面や政治面、経済面まで含めて読み通し、世の中のあれこれを把握するのなら一時間はかかるだろう。

その閲読時間が大よそ減っているということは、新聞で必要とされている情報が減少していることを意味する。情報の流れ方そのものが加速化しているのも理由として挙げられるが、情報取得ツールとしての新聞の立ち位置が、相対的に少しずつ変化している現状もまた、閲読時間の変化に影響を与えているのかもしれない。


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