実のところ、朝刊はどれほど読まれてるのだろうか(2015年)

2015/01/18 10:00

紙媒体としての新聞の発行部数が漸減しているのは周知の事実で、購読者数もそれに連れて減少していることは容易に想像がつく。特に若年層から中堅層の新聞離れが著しいイメージが強い。それでは実際、新聞はどれほど読まれているのだろうか。財団法人新聞通信調査会が2015年1月12日までに発表したメディアに関する全国世論調査から、その実情を確認していくことにする(【発表リリース:2014年メディアに関する世論調査結果】)。

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毎日読む人5割強、読まない人は2割強


今調査は2014年9月に住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3270人。

まず最初に示すのは、朝刊の閲読頻度。購入頻度では無いことに注意。例えば自分では買っていないが会社や喫茶店で定期的に目を通したり、父親が通勤時に買った新聞を帰宅後に読ませてもらう場合などは、購入はしていないものの閲読したことになる。新聞の周知度、広報効果に関して「読みまわしをする場合も多々ある」との意見もあるが、今件データはそれを検証する上でも参考になる値ではある。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2014年度)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2014年度)

朝刊を毎日読んでいる人は5割強。その多くは月ぎめなどの契約購読者と見て間違いないだろう。週数回の人は業界紙的な新聞を取っているか、あるいは通勤・通学時にスタンドなどで購入するタイプだろうか。週一以上で定期的に購入している人は77.0%。購入していないが読んでいる人まで合わせて、大よそ3/4強が朝刊を閲読していることになる。

他方、朝刊を読んでいない人は1/4近く。「回し読みをしているから新聞の購入数の数倍は延べ閲読者数が居るはず(なので、実際の閲読者数は購読者をはるかに上回り、浸透率も高い)」との試算を思い返すと、やや大きな開きが生じている感は否めない。

朝刊閲読者の詳細を確認する


続いて属性別の朝刊閲読者動向を確認していく。週一未満、つまり滅多に読まない人でも「とにかく朝刊を読んでいるのだから閲読者に違いない」とし、これを閲読者全体とした上で「読む人合計」とし、毎日読む人と合わせて属性別の動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(毎日読む人、2014年度)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(毎日読む人、2014年度)(属性別)

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(読む人合計、2014年度)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(読む人合計、2014年度)(属性別)

まず毎日読む人だが、女性よりは男性、若年層よりは高齢層の方が読む人は多い。特に30代までは毎日閲読者=契約購読者と思われる人が非常に少ないことが分かる。他方、60代以降は3/4以上が毎日閲読している。これが「とにかく新聞を読んでいる人」となると10代でも4割近く、20代でも5割近くとなる。60代以降は9割を超えるという圧倒ぶりが改めて確認できる。

昨年度からの傾向を見ると、大よその属性で小さからぬ減少が生じているのが分かる。特に30代から40代の減少ぶりが著しい。中堅層の新聞離れ、とでも呼ぶべき動きではある。一方10代は逆に増加しているが、他の調査項目でも同じような動きが確認されている。イレギュラー的な偏りが10代に生じたたのか、それとも10代が新聞を好むようになったのか、来年度以降の動向で見極める必要があろう。

ともあれ「回し読み」を考慮した閲読頻度の視点でも、「若年層は新聞を読まない」「シニア層は大いに新聞を好む」ことに変わりはない。該当者比率も「購読(買って読む)比率」と大きな違いは無く、多少上乗せされた程度であり、係数で乗することで回し読みの結果延べ人数として何人が読んでいるとの話は、それほど現実的では無いことが分かる。



やや余談になるが。単純比較が可能な、もっとも古い計測値の2009年度分と直近2014年度分を比較し、その減少分を算出した結果が次のグラフ。各属性でどれほど新聞の閲読者数が減ったかを大よそ知ることが出来る。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2009年度→2014年度)(減少%ポイント、属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2009年度→2014年度)(減少%ポイント、属性別)

毎日読む人、つまり大よそ契約購読者は男性と中堅層で大きく減り、新聞の閲読そのものから離れてしまった人は若年層から中堅層まで幅広く、特に若年層に多い。新聞そのものに対する現状の評価状況や情報取得媒体としての新聞の相対的立ち位置の変化と、それに取って代わっているであろうウェブ関連の浸透が進んでいる属性を考慮すると、大よそ納得のいく動きではある。特に70代以降の鉄板的な堅甲さには、改めて新聞のシニア層における人気ぶりに感心せざるを得ない。


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