四半期販売台数は全世界で101万台、今期販売目標760万台に対して13%…ニンテンドー3DS販売数動向(2015年度Q1)

2015/07/30 11:00

任天堂(7974)は2015年7月29日、2015年度(2016年3月期、2015年4月から2016年3月)第1四半期決算短信を発表した。売上は前年同期と比べて増加し、営業損益・経常損益・純損益共にプラスに転じるなど、事業の回復や円安の進行などが効果を見せた内容となった。今回はそれらの業績は脇においておき、現時点で任天堂の主力携帯ゲーム機の座を維持しているニンテンドー3DS(3DS LL、Newニンテンドー3DS(LL)、さらに海外では2DSまで含む。要は3DSファミリー)における販売状況の分析を、今回発表された最新の各種データを基に行っていく。

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全世界で四半期販売台数は101万台、Newシリーズがけん引


データの取得場所の解説や、今記事で対象となる機種(3DSシリーズ)の概要などは一連の記事まとめページ【定期更新記事:ニンテンドー3DS販売動向(任天堂)】で説明しているので、必要な場合はそちらを確認のこと。

今回短信の添付資料で発表された各種データを元に、同機の販売動向をグラフ化したのが次の図。言葉通り積み上げ型のグラフなので、一番上にあるのが直近四半期の値となる。時期が進むに連れて販売台数は波のような動きを示しながら漸減する傾向にあるので、上に行くほど幅は狭くなる。そろそろ昔の分は四半期ではなく年ベースでの仕切りに直しても良いのではとの感はある。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年6月)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年6月)

現時点で発売開始からの累計販売台数は、全世界で5307万台。直近年度の第4四半期のみならば101万台、今年度累計台数でも同じく101万台。前四半期発表の際に今年度の販売目標を760万台と設定していたが、現時点ではその目標に変わりはない。

大きく状況を動かす事象が無い限り、第1四半期はあまりセールスの点で期待はできない。直前の前年度第4四半期(1-3月)よりは盛り上がるものの、年末セールの勢いがつく第3四半期(10-12月)よりは少ないものとなる。しかし今年度に限ればそのパターンはくつがえされ、前四半期よりも少ない値を計上する形となった。これは前四半期がNew 3DS(LL)のセールスで大いに底上げされており、その反動があったのが主要因。

「3DSファミリー」の中身だが、3四半期前までは「日本に限らず世界全体で3DS LLの販売が大きな割合を占めている」といった状況だったが、2四半期前からは新ラインアップとしてNewニンテンドー3DS(LL)が加わったため、トレンドがそれらにシフトしつつある。今四半期では前四半期同様に全地域での販売となり、ほぼNew 3DS(LL)で占められる形となった。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2015年4月-6月期)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2015年4月-6月期)

海外専用機「2DS」はそれなりに健闘し、今四半期に限ってもアメリカでは2万台、その他地域では3万台との記録が確認できる(端数処理の関係で1万台前後の誤差の可能性あり)。

未達度86.7%…長期的流れと販売目標に対する実績


続いて各種データを四半期(最初の期は発売時期の都合から1年間で仕切り)で区分し、各四半期における3地域の販売数を積み上げた形にしたのが次のグラフ。2011年度第1四半期の不調ぶり(全世界で72万台のみ)、そして値下げ効果と年末商戦効果により2011年度第3四半期が大きなセールスをあげた実態(836万台)、その反動で次四半期が再びセールスを落とした動向など、季節変動と各種販売方針で販売実績が大きく変化する様子が把握できる。また、大まかな流れとしては、年明けは鳴かず飛ばず、その後は少しずつ伸びはじめ、年末セールスで一挙に上昇するパターンが繰り返されている。これは3DSに限った話ではなく、多くのゲームハードに共通するパターン。見方を変えれば、いかにこの年末セール時にセールスを伸ばすかが、ゲームハードにおいては最重要の課題となる。

もっとも今四半期は上記の通り、新ハードとなるNewシリーズの投入が前四半期に行われたため、需要をその期に多分に奪われ、反動からいくぶんイレギュラーな動きを示している。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年6月)(四半期推移)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年6月)(四半期推移)

とはいえ前年同期(82万台)と比べれば23%の上乗せで十分な値。Newシリーズのセールス効果は今なお続いているようだ。

最終的な2014年度期における販売目標台数(760万台)に対する到達状況を換算したのが次のグラフ。第一四半期で到達するはずも無く、現時点では2割にも届いていない。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2015年4月-2016年3月期における目標販売台数900万台に対する達成状況)(2015年3月末時点での同期内販売累計)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2014年5月-2016年3月期における目標販売台数900万台に対する達成状況)(2015年3月末時点での同期内販売累計)

達成率はおおよそ13%。元々目標の多分は年末セールで穴埋めするパターンであり、前年度同期では達成度はわずか7%でしかなかったことを思い返せば、それなりに堅調、あるいは目標が妥当だと評価すべきか。



今回発表された四半期決算短信では、Newニンテンドー3DSシリーズが堅調な動きを示し、ソフトに加えてamiiboの販売が好調、そして為替差益が108億円発生したことなど、前年同期からは大きな切り替えしを示したことが記されている。

3DSそのものは終了前期の900万台と比べて収縮された販売台数が目標値として掲げられている。また、【任天堂とDeNAの業務資本提携とスマホアプリの展開、新ハードNXに関する所感】【任天堂とDeNAの資本業務提携、市場は短期的にはポジティブと判断】でも伝えた通り、これまでの戦略を大きく切り替え、スマートフォンをはじめとしたスマートデバイスへの進出も決めており、それについて「また、スマートデバイス向けゲームアプリを年内に配信開始することによる新たな収益も見込んでいます」と言及、明確な形で収益が発生しうる展開を行うとしている。

他方、先日伝えられた通り、同社岩田聡前社長の急逝に関して、新体制・経営方針が定まらない点について、不安を覚える声も小さくない。現時点では社長は不在、竹田玄洋専務・宮本茂専務の両氏がかじ取りをしている状況である。

今年は3DSファミリーは、そして任天堂はどの方向へ走り、夢を見せてくれるのだろうか。色々な意味で今年は3DS、そして任天堂の転換点となる年になるかもしれない。


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