大きく落ちる新聞への信頼感、その理由は(2015年)

2015/01/14 11:00

情報を伝える媒体としてのメディアに対する信頼度は、日本においても漸減する傾向にあることは既に多数の調査結果から明らかにされている。先に【じわりと下がるメディアへの信頼度、震災以降加速化か(2015年)(最新)】で伝えた通り、財団法人新聞通信調査会が発表したメディアに関する全国世論調査の2014年度版でも、その実態は明らかにされる形となった。それではこの1年間で各メディアへの信頼感は、どのような変化を見せているのだろうか。その内情、特に新聞に関する動向を見ていくことにするる(【発表リリース:2014年メディアに関する世論調査結果】)。

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今調査は2014年9月に住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3270人。

先行記事「じわりと下がるメディアへの信頼度、震災以降加速化か(2015年)(最新)」の通り、主要情報配信メディアに対する信頼度は漸減する傾向にある。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(経年別)(再録)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(経年別)(再録)

そこで直近の2014年度において、この1年間で各メディアに対して信頼感は変化したのか否かを聞いた結果が次のグラフ。前年2013年度に同様の問いをした結果も併記してある。

↑ 各メディアへの信頼感は変化したか(前年度と比べて)
↑ 各メディアへの信頼感は変化したか(前年度と比べて)

信頼感の上下度合は回答者それぞれで一概には言えないが、大よそ「上昇」が「下落」より多ければ信頼度は増加し、逆なら減少と見ることが出来る。その観点で結果をチェックすると、全面ディアで信頼度は減少していることになる。これは最初のグラフの結果と同じで、道理の通る動きといえる。

メディア毎の動向を見ると、特に新聞、民放テレビ、雑誌において、「下落」が「上昇」を大きく上回る結果が出ている。信頼感が損なわれた、失望した人が多かった次第である。特に雑誌は「上昇」が1.3%しかいないのに対し、「下落」が16.9%との結果が出ており、権威が大きく失われていることが確認できる。

前年度との差を見ると、新聞における「下落」の大幅増加が目に留まる。リリースでは特に解説は無いが、朝日新聞における誤報・捏造・誤報に対する再精査への意図的な無作為による放置の数々が取りざたされたことが、大きく影響したものと思われる。

新聞ってどうよ? そしてその理由は??


直近では新聞の信頼感が増した人は3.9%、下落した人は10.2%との結果が出ている。それぞれの回答者に、なぜそのような選択をした・思ったのかを聞いた結果が次のグラフ。

↑ 新聞の信頼感が高くなった理由(該当回答者)
↑ 新聞の信頼感が高くなった理由(該当回答者)

↑ 新聞の信頼感が低くなった理由(該当回答者)
↑ 新聞の信頼感が低くなった理由(該当回答者)

まず新聞をより信頼するようになった人の理由だが、情報の正確性や根拠に基づく情報を報道したこと、公正・中立さへの評価が主なものとなっている。ドラマや映画で新聞社に勤める主人公が語りそうな「政府や財界に迎合しない」との意見は2.4%でしかない。

前年度との比較では情報の正確さモラルに関する評価が増え、根拠に基づいた情報の配信などが減っている。また「何となく」が大きく減少したのも印象的。

他方信頼が損なわれたと感じる人のトップ意見は「誤報があった」で28.7%。前年度比で大きく増加しており、上記にある通り朝日新聞の複数事案が大いに影響したものと考えられる。また、特定の勢力に偏った報道をしているからとの意見も多く、1/4に届いている。今件は択一回答のため、誤報選択肢に大きく数字を吸い取られた形となったが、モラル低下や政府・財界の主張通りのみとの意見も少なくない。

さらに多くの項目が誤報関連で値を吸い取られているのに対し、「憶測による情報も流している」は前年度比で増加している点も注目に値する。半ば誤報と同じような意味合いもあるが、こちらの方がより悪質には違いない(多分に意図的なものだから)。



新聞は主要メディアの中ではNHKテレビに次いで高い信頼度を有しているが、それは多分にこれまでの先人諸氏の努力によって構築された信頼という資産を食いつぶしている形での維持といえる。その現状を認識し、行動を律する事が出来なければ、「信頼感は下落した」との回答者は来年度以降も高い値を維持したままとなるだろう。


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