「このままずっと今の場所に住み続けたい」8割近くが希望

2015/10/27 05:14

高齢化や地域の過疎化、さらには共同住宅の場合は建物の老朽化などに伴い、引越しが迫られる状況が生じ得る。特に自身が歳を重ねていくに連れて行動範囲が狭まり、さまざまな面で生活に不自由さを覚えたり、万一の際のリスクが高まることを考慮すると、引越しが強く勧めれる状況もあり得る。それでは老後の生活を考えた場合、人々はそれでもなお現在の居住地域に住み続けたいと考えているだろうか、それとも他の地域に引っ越したいと思っているのだろうか。内閣府が2015年10月19日に発表した国土形成計画の推進に関する世論調査の結果を元に、現状を確認していくことにする(【発表リリース:国土形成計画の推進に関する世論調査】)。

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今調査の調査要件は先行記事【「自分の周りで人が減っていたり高齢化が進んでいる」85%が実感、最大理由は「周囲にお年寄りが増えた」】参照のこと。

冒頭で説明の通り、自身の高齢化に伴い行動範囲が狭まり、また日常生活における事故の可能性が上乗せされるに連れ、さらに過疎化が進むと、現在の居住地域での生活自身がリスクの上乗せとなる可能性が生じる。そのような状況を踏まえ、老後において(より生活しやすいと考える場所への)移住を考えているか否かを尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 老後に向けた移住の意向の有無(2015年8月)
↑ 老後に向けた移住の意向の有無(2015年8月)

大よそ8割は現住所での定住を希望し、移住を望んでいる人は2割足らずでしかない。男女差はほとんどなく、わずかばかり男性の方が定住意向が強い程度。

むしろ差異が大きいのは、回答者の年齢階層や現在の居住地別。

↑ 老後に向けた移住の意向の有無(2015年8月)(属性別)
↑ 老後に向けた移住の意向の有無(2015年8月)(属性別)

年齢階層別ではきれいな形で、高齢層ほど定住派が多くなっている。これは高齢層ほど賃貸ではなく持ち家に住んでいることに加え、単なる「家に住む」に留まらず、周辺住民との付き合いも含めた「地域に住む」との認識で居住を考えているからに他ならない。新しい場所で生活行政サービスが充当していたとしても、新たな周辺住民との関係を構築し直す自信が無い、だからこそ定住を希望する。近所づきあいが親密な地方ほど、引越しを望まない動向ともほぼ一致する(もっとも同時に、地方ほど高齢者の割合が高いのも一因だが)。



ゲーム感覚で人口の行き来を操作できれば楽ではあるが、実際の行政上の話となると、個々の住民の感情も多分に影響を与えるため、一筋縄ではいかない。単なる人数の差し引きのみで考えると、多くの人の不幸を導くことは、直近ならば震災以降に移動を余儀なくされた、一時的に避難をした人達のさまざまな逸話を見聞きすれば容易に理解はできるはず。

過疎化は解決への施策が急がれる問題には違いないが、その解消策として妥当性の高い方策を実施する際に、どこまで該当する人達の意図・感情をすくい取ることができるかが、今後の課題となるに違いない。


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