店舗数漸減と規模拡大は継続…CDレンタル店舗数をグラフ化してみる(2014年)

2014/10/12 10:00

日本レコード協会は2014年10月10日、2014年度におけるCDレンタルショップの動向をまとめた報告書の概要【CDレンタル店調査2014年度概要】を発表した。そこで今回はこのデータを基に、最新のCDレンタル店の動向を複数のグラフとして描き起こし、状況の精査を行うことにした。

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店舗数縮小継続、店舗規模拡大化再開


同調査は店舗規模・業態を勘案したサンプル調査方式で、906店を訪店調査した結果によるもの(全店舗数は2573店舗)。それによれば2014年におけるCDレンタル店舗の特徴として、

・店舗数減少傾向は緩やかだが継続

・大型化が再開

・アルバムCD在庫増加続く

などの傾向が確認できる。

まずは店舗数の動向。今データでは2013年分まではその年の年末、最新の2014年分は2014年6月末時点のを適用している。

↑ レコード・CDレンタル店数の推移(各年年末、店舗数)(最新年は6月末時点)
↑ レコード・CDレンタル店数の推移(各年年末、店舗数)(最新年は6月末時点)

ゆるやかなカーブを描いてはいるが、減少の傾向を続けていることに違いは無い。そしてその減少率だが、2010年前後にやや落ち着きを見せていたものの、再びその減少率を積み増しし、加速している雰囲気がある。2012年以降に限れば前年比減少率は1.2%・3.6%・3.2%。しかも最後の2014年分3.2%は6月末時点まででこの減少率で、あと半年丸々残っていることを考えると、減少度合いはむしろ加速している可能性がある。

店舗面積の上でも、「横ばい」「安定化」から再び「拡大化」の動きが見受けられる。

↑ CDレンタル店のコーナー別店舗面積(1店舗平均、平方メートル、コーナー別)
↑ CDレンタル店のコーナー別店舗面積(1店舗平均、平方メートル、コーナー別)

データを閲覧できるもっとも古い1994年以降、「その他」の売り場も含めた平均店舗面積は拡大を続け、「店舗数の縮小」と共に「業態の多様化・兼業化の促進」と「規模の拡大」、さらには「小規模店舗の統廃合、自然淘汰」が行われていた。

ところが2009年にイレギュラー的な落ち込み、そしてそれを乗り越えて2010年にさらなる増加を見せたものの、その年をピークとし、2011年以降はこれまでとは逆に減少の動きを示した。過去において面積増加の牽引力だった「その他(つまり複合業態)」「レンタルビデオ」共に減少しており、トレンドが「拡張一本やり」から変化した雰囲気があった。

しかしながら2013年ではその流れから再び舵を切り直し、増加の動きに転じ、2014年もその流れが続いている。ピークの2010年の値にはまだ及ばないものの、かつての傾向の通り「店舗数減少」「店舗面積拡大」という集約的方向に動き出した可能性はある。

1店舗あたりの在庫数はやや増加


レンタル用CDの在庫だが、今世紀初頭から続いている「シングルの減少」「アルバムの増加」の傾向に変化はない。総枚数はデータが残っている1994年以降では以前のピークの1997年・4504万枚を超え、2014年時点で4750万枚に達している。そして店舗数は1997年からははるかに減少しているため、必然的に1店舗平均在庫数は記録を更新する形で増加している。

↑ CD総在庫数(千枚)
↑ CD総在庫数(千枚)

↑ 1店舗平均在庫数
↑ 1店舗平均在庫数

各店舗側は在庫を増やすことで一人でも多くの顧客の需要に、しかも即時に応えられるよう、努力しているように見える。デジタルメディアと異なり物理メディアでは、在庫不足は顧客が店舗で示す「衝動的な需要」に応えられない可能性を生み出し、それは大きな機会損失になりうるからだ(メジャータイトルなら「貸し出し中」の喧伝は逆に人気のバロメーターとなり、宣伝効果も期待できるのだが)。

また、CDシングルの在庫総数は2014年においては前年から転じて減少傾向にある。そして全体に占める比率は低く、大部分がアルバムCDの状態が続いている。2014年では枚数換算で93.7%がアルバムCDで占められている。

なお各店舗の在庫CD枚数による店舗「数」シェアだが、この数年は概して大量在庫店舗の比率が増加する傾向にある。これもまた、「顧客の需要に即時対応できる店舗=大型化」の傾向の裏付けとなる。2014年では最大区分の「1万5000枚以上/店」の店舗比率が6割に近づく形となった。

↑ CD在庫規模別店舗数分布
↑ CD在庫規模別店舗数分布

この2、3年は中堅規模(4000-6999枚)の店舗シェアが持ち直しの動きを見せていたが、直近ではその動きも大きく転じて減少。4000-6999枚の店舗数も顕著に減り、その分が大規模店舗にシフトした形となっている。

兼業傾向は相変わらず不明


残念ながら今件レポートでは該当店舗の兼業状況について、2010年度のレポートを最後に、数字の公開は行われなくなった。個別業種の区分が難しくなり(多種多様化したため)、個々の業態に該当するか否かを見極めカウントするのが不可能になったからかもしれない。

レポートではそれを裏付けるかのように、「CD、DVDレンタル以外の書籍・コミックレンタルなどの売場スペースの比重が拡大傾向にある」と説明されており、レンタル店が単なるCDやDVDのような光媒体の映像メディアの貸し出しだけでなく、多種多様なエンターテインメントツールのレンタル、さらには販売にまで手を広げ、総合アミューズメント・レンタル店の様相を呈していくようすが想像できる。あるいはソフトメディアレンタル&セールショップと表現すべきか。

↑ CDレンタルショップの兼業状況(2010年分までのもの、再録)
↑ CDレンタルショップの兼業状況(2010年分までのもの、再録)



レンタルショップの店舗数の減少は続いている。この流れは【書店数とその坪数推移をグラフ化してみる】【本屋の場所、大きさ別・雑誌やコミックの売上全体に占める割合をグラフ化してみる】でも指摘しているような、書店業界の動きと何ら変わりが無い。ピーク時の1989年当時と比べて、すでに半分以下に減っているのが現状ではある。

スマートフォンに代表される、モバイル端末の普及率がさらに高まり、デジタル機器に慣れ親しんだ世代(デジタルネイティブ)が歳を重ねていくにつれ、CDそのものやCDレンタルの需要は減少していく。音楽もデジタル経由で、自分の好きな曲だけを選択して、聴きたいと思ったその時点でダウンロード購入し、すぐに耳にする時代。今後も試行錯誤を繰り返しながら、CDレンタルショップは自らの長所を活かす様態に変化を重ね、進化を遂げていくに違いない。


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