20州は成人の3割以上が肥満判定…アメリカの肥満状態をグラフ化してみる(2014年、CDC版)

2014/10/12 19:00

ベーコンをはじめとした油気の強い物への飽くなき願望に代表されるダイナミックな食生活、ファストフードをはじめとする外食産業の浸透、加工食品の普及ぶりなど、特徴的な生活様式もあり、アメリカでは肥満体系を有する人が多いことで知られている。今回は同国の公的機関のデータを基に、その実情をグラフで確認してみることにする。

スポンサードリンク


肥満成人3割以上は20州


データの取得元は医療保険関連のデータではお馴染みのCDC(Centers for Disease Control and Prevention:米疾病予防管理センター)。【Methodologic Changes in the Behavioral Risk Factor Surveillance System in 2011 and Potential Effects on Prevalence Estimates】にある通り肥満関連のデータ取得・公開は2011年分以降は、CDCの内部部局のBehavioral Risk Factor Surveillance System (BRFSS)に移行し、それに伴いデータの掲載場所や取得方法にも、以前と比べて多少の変化が生じている。注意書きでも「厳密な連続性は無いので、比較の際には注意を要する」との記述がある。2010年以前のデータを併用する場合は注意が必要となる。

具体的なデータ取得元はBRFSS内の【Prevalence and Trends Data】。ここから年代は2013年、カテゴリは「Overweight and Obesity (BMI)」を選択することで必要なデータの最新版が手に入る。

まず図中で使われる「BMI」について。これは「肥満」度合いを示す基準の一つで「体重÷身長÷身長」で算出される。日本肥満学会ではBMIが22で平均的体格・体重、25以上を太り気味、18以下をやせ気味としている。今件データを用いるアメリカでは

・Underweight(低体重)……18.5以下

・Normal weight(標準体重)……18.5-24.9

・Overweight(やや肥満)……25-29.9

・Obesity(肥満)……30.0以上

と区分している。

次の図は、アメリカ各州などにおける成人男女(今件では18歳以上基準)のBMI値について、30を超える人、つまり肥満判定を受けている人の割合を示したもの。例えばMississippi州は35.1%とあるので、大人の1/3強が「肥満」判定を受けていることになる。

↑ アメリカの大人(18歳以上)における肥満判定者比率(BMI 30.0以上、州別)(2013年、CDC・BRFSS)
↑ アメリカの大人(18歳以上)における肥満判定者比率(BMI 30.0以上、州別)(2013年、CDC・BRFSS)

30%以上の州を薄い赤で色分けしたが、この領域に該当するのは全部で20州。最大値を示すMississippi州は35.1%、次いでWest Virginia州が同率の35.1%、Arkansas州が34.6%と続いている。「肥満大国アメリカ」という名に恥じないデータではある。詳しくは後述するが全米平均では28.9%、最低の値を示すColorado州でも21.3%。5人に1人が肥満状態にある。

「肥満」以外の人は?


該当データは肥満以外に「やや肥満」=「過体重」、そして「標準」「やせ気味」それぞれの人の人数比率も掲載されている。これらを合わせると各州における「肥満」「過体重」「標準」「やせ気味」の人数区分を知ることができる。

↑ アメリカの大人(18歳以上)における肥満判定者などの比率区分(州別)(2013年、CDC・BRFSS)
↑ アメリカの大人(18歳以上)における肥満判定者などの比率区分(州別)(2013年、CDC・BRFSS)

全米では28.9%が「肥満」、35.4%が「やや肥満」。標準スタイルの人は33.4%に留まっている。「やせ気味」の人は1.8%のみ。

州によっては肥満判定者が多いにも関わらず標準・やせ型の割合も多いところもあるが、概して「肥満」と「過体重」の合計が6割から7割を維持しているのが分かる。つまり「肥満」の少ない州でも多分に「過体重」の比率が高く、「標準」+「やせ型」の比率が一定(4割足らず)に留まっている。あまり想像したくはないが、これが現実である。

さらに前年分、つまり2012年分における「肥満」判定を受けた人の割合を今回2013年分と比較すると、増えた州の数は減った州のほぼ3倍にあたることが確認されている。

↑ アメリカの大人(18歳以上)における肥満判定者比率(BMI 30.0以上、州別)(2012年から2013年への変移、CDC・BRFSS)
↑ アメリカの大人(18歳以上)における肥満判定者比率(BMI 30.0以上、州別)(2012年から2013年への変移、CDC・BRFSS)

Delaware州の値はややイレギュラーな感じもするが、多くの州で「1年間で」肥満と判定される人が「全成人の」1%ほど増えている計算になる。100人大人がいれば、毎年1人ずつ、肥満の人が増えることを意味する。



ここまで肥満者が増えた原因は多種多様に及び、一概に「これのみが原因」と言い切ることは出来ない。冒頭で挙げた基本的な生活様式に加え、食生活の改善と変化、交通機関の整備、社会生活そのものの変移、さらには現在5000万人に届かんばかりで伸び続けているSNAP(Supplemental Nutrition Assistance Program:補助栄養援助プログラム、旧フードスタンプ)が一因との考え方もある。

また、全般的に歳を取るほどBMI値は上がる傾向にあることから、平均寿命が延びているのが一因とする説もある(それにしては急激だが)。しかし【年齢補正を行った上での肥満判定者率地図(2009 Age-Adjusted Estimates of the Percentage of Adults Who Are Obese)】を見ても、状況に大きな変化はなく、加齢による積上げはほとんど無関係であるのがわかる。

もちろん一つひとつ単独の項目のみが原因ではなく、複数の要因の積み重なりによる結果ではあろう。しかしこのままではアメリカにおいて、以前【米研究機関いわく「このままだとあと40年で俺ら全員肥満体だぞ」】で紹介したように、今世紀中頃までには国民全員が肥満判定を受けてしまうという話が、絵空事でも何でもないことも十分納得できるというものだ。

最後に、データの連続性などの問題で2010年分までで留めているが、CDC発表によるアメリカ各州のBMI値30.0以上の大人の割合を示した映像を呈しておこう。


↑ 1985-2010年における米各州の肥満比率推移 (Percent of Obese in U.S. Adults)。【直接リンクはこちら:Percent of Obese in U.S. Adults】


色々と感慨深い動きではある。


■関連記事:
【フードスタンプ→SNAPの受給者推移】
【平均体重80キロ!?…アメリカの2/3は「肥満傾向」にある】
【男は中堅・女は高齢ほど肥満者が多い法則】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー