日米の家計資産推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/11/04 11:09

先行する記事【主要国の家計資産の構成比率をグラフ化してみる】において、OECD(経済協力開発機構)の公開データベース【Household accounts】を元に、当サイトの定点観測記事【日米家計資産推移】の類似形式による、主要国の家計内での金融資産の構成比率を確認した。今回は同じデータを元に、普段「日米家計資産推移」で取り上げている日本とアメリカ合衆国における家計上の金融資産の構成比を、取得できる限り古い値となる1995年から年ベースで取得し、その実情を見ていくことにする。

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値の取得方法や仕切り分けの仕方などは先行記事「主要国の家計資産の構成比率をグラフ化してみる」にある通り。グラフの色合いも極力「日米家計資産推移」に合わせてある。

まずは日本。

↑ 家計金融資産構成比率推移(日本)
↑ 家計金融資産構成比率推移(日本)

日本が現金や預貯金による金融資産の保有スタイルが大好きであることは、すでに複数の記事でお伝えしている通り。元々の貯蓄スタイルとして浸透していることに加え、リスク資産に係わる制度整備が他国と比べて遅れていること、そして何よりも高齢者比率が高いことから、安定的な資産の保有を望む人が多くなるのが原因。保険・年金の比率が高めで一定率を示しているのも特徴的。

もう少し前、例えばバブル時代からの値があれば、違う傾向が見られたかもしれない。しかし残念ながら金融資産比率は、1995年以降しか値が公開されていない。

また株式・出資金の値を見ると、ITバブルや金融危機ぼっ発以前の株高の時期に比率が拡大しており、株価上昇に合わせて株式投資を行う人も増え、相乗的に株式・出資金額が増加し、比率も増加した様子がうかがえる。少なくとも1995年以降の年ベースでは、現金・預貯金の比率が5割を切ったのは2005年と2006年のみとなっている。もっとも投資信託に目をやると、多少の振れ幅を見せながらも確実に増加している。これもまた興味深い動きではある。

続いてアメリカ合衆国。

↑ 家計金融資産構成比率推移(アメリカ合衆国)
↑ 家計金融資産構成比率推移(アメリカ合衆国)

水色部分、つまり現金と預貯金が多かった日本と比べ、緑色、つまり株式・出資金が極めて大きくなっているのが一目でわかる。また株式以外の証券(≒債券)や投資信託の値も大きく、いわゆるリスク系資産が大いに好まれていることは、「日米家計資産推移」でも解説している通り。他方、保険・年金は日本とさほど変わらない。むしろ多いほどである。

極めて大雑把な例え方になるが、日本の現金・預貯金のうち4割程度を株式や投資信託などのリスク系金融資産に振り分け、残りを低リスクの保険・年金に配分したのがアメリカ合衆国のスタイルといえるだろうか。

また金融危機ぼっ発以降の動きを見ると、株式・出資金比率が減ったのは多分に評価額の減退や損切りによるものだが、現金・預貯金や債券の比率が大きく増加しているのも注目に値する。この増加は単なる相対的なシェアの上昇によるものだけでなく、実際に額面も増加している。債権は景況感の回復と共に比率・実額共に減少しているが、現金・預貯金は比率こそ減っているものの額面は上昇を継続しており、アメリカ合衆国の金融資産の保有スタイルに変化が生じてきたことを表す指標の一つといえる(もっとも単にインフレ化しているとの見方もできるが)。



内容的には四半期毎の更新・分析による「日米家計資産推移」と大きな違いはないものの、前世紀からの定期的な値による継続データであることから、資料性が高い動向には違いない。年単位の値のため更新頻度は緩やかなものとなるが、「日米家計資産推移」と合わせて確認することをお薦めしたい。


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