国際情勢への注目高まる…野村證券、2015年9月分の個人投資家動向発表

2015/09/18 05:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年9月17日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年9月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形で上昇し、50.0を示すこととなった。株価の先行きに関しては「大規模な上昇」「中規模な上昇」を見込む意見が先月と比べ大きく増加し、特に「大規模な上昇」は比較可能な範囲内では過去最高値を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年9月7日から9月8日に行われたもので、男女比は82.4対17.6。年齢層は60代以上がもっとも多く33.6%、次いで50代が32.0%、40代が24.6%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く30.6%、500万円-1000万円が18.1%、5000万円以上が13.5%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が最高比率で33.6%、次いで10-20年未満が33.0%、5年から10年未満が26.2%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で43.6%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が27.0%と1/4強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約7割)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は50.0ポイント。前回からは11.2ポイントの上昇。前月の上昇からは継続する方向性の動き。この時期、日経平均株価は前月比で2690円ほどと大規模な下落を示しており、今後大幅に反発すると見込まれているようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で75.0%。前月分の69.4%からは5.6%ポイントの上昇。こちらも投資指数同様に上昇している。「2000円以上上昇」「2000円程度上昇」「1000円程度上昇」の回答率がほぼ横並びとなる珍しい状況が発生し、特に「2000円以上上昇」の回答率は25.5%と、比較可能な2010年2月以降では最高の値を示した。他方「1000円程度上昇」は前月比で25.0%ポイント低下している。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示し、先月からは大幅増加。75.6%の回答率は同条件で比較可能な2010年1月以降で最高値を示す形となった。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「金融」「通信」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「自動車」「運輸・公共」「消費」「素材」「電気機器・精密機器」はマイナス圏。「消費」はまだマイナス圏で今回月は下落している。

・ドル円相場に対する見通しは「やや円安ドル高」の意見がもっとも多く、前月から大幅増加。前月は大きく上昇した「やや円高ドル安」は大きく下落している。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「イギリスポンド」「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はさらにその深みを大きく増している。他方今回月では「日本円」が前月比で7ポイントほどの上昇を示したのが印象的。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、「預貯金」がいくぶん値を上げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
3位……ソフトバンクグループ(9984)
4位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
5位……イオン(8267)

鉄板のトヨタ自動車は別として、それ以外の銘柄は多分に時節に合わせて上下する傾向がある。今回月ではイオンやソフトバンクなど、生活に身近、知名度の高い企業への注目が集まっているのが特徴。また金融系にも熱い視線が注がれているようだ。



前回月は前回月の中国相場の暴落の余韻に加え、経済指標の軟調さを受けた同国の経済後退への懸念が高まりを見せ、東京株式市場も大きな影響を受けたことが大きく反映される形となった。「国際情勢」とは多分に中国動向であり、次いでアメリカの利上げ懸念となるのだろう。

他方、今後大幅な上昇期待が表れているのは、相次ぐ急落による反発への期待だけでなく、相応な対応策に係わる話が漏れ伝わっていたこともある。実際、【日経平均株価の上昇・下落率上位ランキングをグラフ化してみる】にもある通り、調査終了日翌日となる9月9日には、終値ベースの日経平均株価は前日比で1343円43銭高・プラス7.71%の値をつける形となった。

しかし中期的チャートを見れば分かる通り、夏の中国波瀾に伴う株価下落からの回復はまだ果たされず、日経平均株価も目安となる2万円台へは戻していない。個人投資家にとっては、この目安への到達が、まずは望まれているのだろう。


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